第45話 死にかけの、走馬灯状態

落ちてくる、飛行船。

あー、俺、死ぬな。

いや、こっちの世界の人は、ステータス補正のおかげで物理的にはやたらと強靭で、この程度の衝撃なら平気で耐えられるからな。

俺だけ、死ぬっぽいなコレ。


しかし、この世界の「運営」やってる神の使いが乗る飛行船が、こんなに脆いもんですかね。いくら呪いの武器とはいえ、一撃で撃沈は弱すぎでしょ。

まあ、呪いの武器シリーズはデメリットがひどすぎて、解呪・廃棄のためにケント寺院に集まってきた経緯を考えると、まあああいう呪いの武器で地対空攻撃を受ける事を想定していないってことなんだろう。

持ってるだけで魔物を呼び寄せ、使用すればサルに退化するアイテムとか、そんなもん誰が使うかって話ですよね。

ケント寺院の結界内に死蔵されてた如意棒なんかが使用されるなんて、誰も想定していない…って、如意棒もう一回使って飛行船ぶっ飛ばせばいいんじゃね?


頭上から墜落してくる巨大飛行物体を目にして死の危機を迎えた俺は、一秒にも満たない刹那の時間で走馬灯のように思考を巡らせ、「再攻撃」という結論に達し、即時、それは実行に移された。


「伸びろ、如意棒」


巨大化した棒が落下中の飛行物体に激突し、バラバラに砕きながら彼方へ弾き飛ばす。

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