第33話 教祖様、ラッパ飲み

『魔物を倒したら、体内からメタルを入手できるぞ!』

『アイテムの素材になるから売却すれば資金になるし、自分でアイテム製造に挑戦するのも良いだろう!』


聖典『トリセツ』には、メタルに関する説明が多く掲載されている。

素材とするメタルの配合の組み合わせについての情報や、アイテム製造のコツなど、記載内容は多岐にわたり、そのほとんどが正しい情報となっている。

ただ、一点だけ。真実を述べていない。

『人間の体内にもメタルが埋まっている』という点を、一切記載していない。


教祖カイ「…聖典に書いてある以上の事は、知らないよ。…これじゃまるで『不可知派』みたいだね。」


カイは酒のビンを取り出し、栓をキュポンと引き抜いてラッパ飲みを始めた。

えええ…いいのかそれで。


カイ「大丈夫!誰も見てないから」


俺が見てますよ。


カイ「憶測で述べさせてもらえばだね…」


酒ビンをさらにあおって、飲み下す。


カイ「人間も魔物も、同じ存在、ってことでしょ。しらんけど。」


まあ、そういう結論になりますよね。

あー、カイがビンの酒を飲み干した。

ペース早過ぎでしょ。


カイ「神の使いに聞いてみればわかるかも?だけど。ウチらの宗派の寺院には降臨しないんだよね、アイツ。主流派のイエスマン教祖のもとにしか降臨しやがらねえし。」


飲みすぎ注意ですよ、カイ。

っていうか、「神の使い」って、ひょっとして、ホーキに乗って空飛んだりする女だったりして?


カイ「そうだよ。あのクソくぁwせdrftgyふじこlp」


教祖様、失神!

ちょっと、ガンセキ氏!早く来て!緊急事態!ハリー!


カイ…飲み始めから潰れるまでのスピードが早過ぎるよ…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る