第31話 聖典・トリセツ
ゲームのトリセツ。
取扱説明書。
そう。
この世界、フラットアースで信仰されている寺院の聖典は、どっからどー見ても、ファンタジーRPGのトリセツなのだ。
レトロなジャパニーズRPGの、やけに分厚いやつ。
世界観を演出する神話的フレーバーテキストと、操作法を説明する解説パート。
武器防具アイテムの説明や、マップの解説。
使用言語は日本語。ゲームメーカーの表記やロゴマーク等は無い。
この「聖典」を始めて見た時は、まあ驚いたね。
完全にゲームじゃん。日本製の。
どうなってんの?この世界。
っていうか、俺はこのトリセツを過去に読んだ事がある。
幼い頃、夢中になって遊んでいたゲーム「フラットアースファンタジー」の、トリセツなんだよ、これ。
なにゆえあのゲームのトリセツが聖典に?
っていうか、あのゲームの世界と、このフラットアースの世界は、世界観的にあまり似ていない…むしろ相違点が目立つので、「ゲームの世界を再現した」にしては違和感がありすぎる。
犬頭の「犬人族」なんて、あのゲームには出てこなかったし、「小人族」もいなかった。
元聖女様のカイが「教祖」であるというなら、この世界の成り立ちの秘密について何か知っているかもしれない。
明日、彼女に「世界の真実」について聞いてみよう。
「懐疑派」の教義は「疑え」だそうだから、背教者として火刑に処されたりはしないだろう…しないよね?
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