第30話 オヤツの買い出しと世界の秘密
元聖女様のカイがオヤツを全部食べてしまったので、至急、追加購入をすることを決定。即、実行に移された。
はい。周辺の魔物は全滅したので、このスキに最寄りの町に寄って買い出しです。
っていうか、俺、ケント市から別の場所に出たの初めて。
魔物から逃げて、衛兵さんが死んで、「はじまりのまち」ケント市にたどり着いて、街を出たら魔物に包囲されて死にかけてケント市に逃げ戻り…今やっと「はじまりのまち」を脱したわけだ。
強くなりたいよな…。自分の弱さがイヤになる。
元聖女様が早速買い食いでモグモグしてる。なんなんだよあの人。
ガンセキは寺院の人だから、あの元聖女様…カイの事知ってるんだよね?
ガンセキ「カイ様は寺院の…『懐疑派』の教祖です。」
教祖!えっ、聞いてないんですけど!
そんな偉い人だったの?あの地味顔。
〇○○
…ガンセキの解説によると、あの元聖女様、カイは、『懐疑派』の領袖。
寺院にもいくつかの宗派があり、『主流派』『不可知派』『懐疑派』などがあるとのこと。カイがトップである『懐疑派』は一番マイナーな宗派で、信徒数は少数だがフットワークの軽さで人気があり結束力と信仰心は最も高いとのこと。
ケント市のケント寺院は懐疑派の総本山で、寺院の歴史としても最も古いとのこと。
マジかよ、そんなんだったらもっと媚びを売っておけばよかった。
っていうか、これからは媚びを売る方針で。
〇○○
町の寺院で宿泊する事になった。
俺は早速、地味顔教祖様に媚びを売る事にした。
カイ「え?説法を聞きたい?えー、めんどくさい」
カイ「ウチの宗派は『懐疑派』だからね。疑って疑って、それでも信じられる事を信じるのがウチらの宗派の『信仰』だから」
カイ「極論を言うと、『ひとつも信じない』という状態であっても、基本、ウチらの信徒として認められるから。そんな難しく考えなくてもいいよ。気軽に生きるのが一番だって、教祖が言ってたよ。あ、私が教祖だったわ。じゃ、おやすみ。」
教祖ジョークをぶちかまし、超スピードで就寝したカイ。
うん、媚びを売るスキが無いな。
ガンセキに聞くか。
ガンセキ「ウチの宗派ですか?ああ、戒律のユルさと、サービスの充実度で、信徒満足度ナンバーワンを誇りますからね」
ガンセキ「呪われたアイテムの解呪についても、絶対に断らないことで有名ですからね。そのせいで我がケント寺院には解呪できなかった強力な呪いの装備が大量に集まってしまいましたが。」
ガンセキ「呪いの装備をどうにかするのは、ケント寺院の歴代聖女の悲願でした。聖騎士様が呪いの装備を扱えると判明し、カイ様は大変に喜んでおられました。」
〇○○
寺院ね。
俺もここに就職して、聖騎士様とかいうでっち上げの役職に就いているけど。
待遇もいいし同僚は善良だし。
不満は無いけど、まあ、最大の疑問は、ここの聖典。
これがおかしいんだ。ものすごく。
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