第26話 敗走
ボロボロにKOされる夢を見ていたと思ったら、実際にボコボコにされて失神していた。
意識が戻ると、仲間たちは全員生きていた。
あのピンチを切り抜けたのか!
ハル「あ!意識が戻りました!」
チーザー「全員、やっつけたぜ!」
ガンセキ「腕も、くっつきましたぞ!」
アニキ「すみません聖騎士様、そこに落ちてる呪いの武器、回収をお願いします。」
あの数を全滅させたらしい。すげえな、ウチのチーム。
俺「すまん!寝てた!」
妖刀ムラマサブレードと拳闘士のグローブをトイボックスに回収。
周囲を見回すが、遠方の大型魔物の影が見えるのみで、付近に敵影なし。
…この亜大陸の魔物、大型種以外は絶滅したんじゃね?
チーザー「魔物の八割は聖騎士様が焼き尽くし済みだったしな。」
ガンセキ「残りは我々が片づけておきましたぞ。」
サワヤカに笑う武闘派おじさんたち。
ふたりとも両腕斬り落とされてるハズなんだけど、気にしない感じ?
アニキ「目的地の街まで、魔物の反応はありません。」
ハル「行きましょう!次の街に!」
俺「いや…」
ダメだ。これは敗北だ。
想定が甘かった。
俺「すまん。ケント市に戻る。出直しだ。」
盛大な出征パレードしてもらって直後に戻る事になるが、これは必要な敗走であることを説明する。
俺「申し訳ない。引き続き、助けてほしい」
チーザー「剣士にとって一番大事なのは引き際だって言うしな!」
ガンセキ「また、呪いの武器を貸してくだされ!それが条件となります!」
ハル「私は聖騎士様にも効く薬草を仕入れてくるよ!」
アニキ「旅の案内はお任せください!」
俺のせいで死にかけたってのに、いいチームだなぁ。
チーザー「ケント市に戻ったら、ケント寺院の聖女様に報酬の割増しを請求してくるぜ!」
ハル「私も!」
精神も肉体もタフなやつらだな。
ステータスの数字じゃわからない。強さ。
聖女様が人選しただけのことはあるってことか。
俺「逃走!」
大型魔物のナワバリが流動的になってきている。
さあ、出直そう。振り出しに戻る!
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