第27話 フリダシに戻る

魔物の群れにボコボコにされ全滅しかけた俺たちは、コソコソと「はじまりのまち」に逃げ帰った。

【馬車魔改造】

「馬車が壊れたので修理する」という名目で馬車を鍛冶屋へ持ち込み、修理どころか魔改造を依頼する。

馬車の屋根上にあるトーチカを、戦車や戦艦に搭載されているような「回転式砲塔」に改造。神剣フツノミタマやヒノカグツチを砲塔に設置できるようにし、使い手である俺は砲塔内の椅子に座り、ターンテーブル状の砲塔をクルクル回しながら火炎や雷撃を周囲にぶちかましまくれる構造だ。神剣を把持して構える必要が無いため、何時間でも戦える。

【ドーピング】

馬車の改造と同時進行で、ハルさんにドーピング用の薬草を探してもらう。

眠らなくても疲れない薬だ。疲労がポンと取れる薬とも言う。

呪われた装備を使えるのが俺だけだというのは最大の弱点だ。

敵に囲まれて、俺が疲れたら、もう終わりなのだ。

ヤバい時は薬草でなんとかする。

俺はステータスを持って無いしHPもゼロなので、魔法やスキルによる回復がほぼ効かない。そこをヤクでカバーする。ただし用法用量に注意だな。

【筋トレ】

俺、弱すぎ。

体力も筋力も。ここまでガチのマジで弱かったとは。自分でも気づかんかった。

馬車の改造が終わるまで、筋トレで鍛える事にした。

筋肉の専門家であるガンセキ氏に助言をいただきながら、地道にトレーニング。

【結界】

呪いの装備をケント寺院の結界から外に出して、たった1日で大量のモンスターが集結してしまった。

ほとんどを「トイボックス」の亜空間に収納していて、これだ。

結論から言うと、「移動中も結界は必要」この一言だ。

普段結界を展開している聖女様に、馬車への同乗と結界の維持をお願いする。

これが最重要事項だ。


俺「聖女様、お願いが…」

聖女「オッケー!」

俺「早!」


ケント市が聖女不在となれば不安は大きいと思うが…そのへんについても


聖女「気にしてたら何もできないじゃない?」


と言い放ち、弟子の巫女を早速次期聖女に仕立て上げる、とのことで去っていった。

相変わらず判断が早い。

とっととゴミは捨ててこよう。

俺はナビゲーターのアニキに「最短ルート」の相談をする。


アニキ「聖騎士ツヨシ様を庇って戦死したという、衛兵の遺品を運ぶ任務はどうします?」

俺「当然、後回しだ!」


火山の火口に、呪われしゴミを捨てる。これが最優先だ。

大型モンスターのナワバリをうまくすり抜けながら、進む!


アニキ「火口にはレッドドラゴンがいますぜ。どうします?」

えー、聞いてないよ。

サッと捨てて、サッと逃げる。それしかないでしょ。

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