貧弱なる旅立ち!
第21話 派手にいくぜ!最弱だからな!
さて、出発だ。
防御力はゼロ、一発喰らえば即死だが、なあに、当たらなければどうということはない!
強気でいくぜ!
街ではケント寺院が盛大な出征パレードを
俺が寺院を出ると、街の住民たちが歓声で俺を迎える。
門前に用意された俺専用の装甲馬車。
その屋根の上に登り、いっちょ演説といこう!
やるぜ!ハッタリ演説をよ!
「俺はケント寺院の聖騎士・ツヨシだ!
みんな知っているな?
俺はゴブリンどもをこの手で!討ち滅ぼした!」
うぉぉぉ!歓声があがる!
「しかし!
いまだ、この大陸には多くのモンスターどもがいる!
いつ襲ってくるかわからない!安心などできないのだ!」
静まり返る群衆たち。
「聞いてくれ!俺は!魔物を引き付ける呪いの武器を手に入れた!
使うと、魔物を引き寄せる、恐ろしい呪いの武器だ…」
どよめく群衆たち。
俺はダーインスレイヴを取り出してニヒルに笑ってみせる。
「街を出たら、俺は…この呪いの武器を発動させ…」
再び静まり返る群衆たち。
「全ての魔物を引き付けて…俺が!全ての魔物を引き付けて!
大火山の火口に!魔物どもを落とす!」
激しくどよめく群衆たち。
「俺が、魔物どもを!まとめて片づけてやる!」
歓声があがる!
「命を懸けた、危険な旅になるだろう…だが!
俺には!心強い仲間たちがいる!
必ず!この任務を成し遂げてみせる!」
うぉぉぉ!歓声と、ツヨシコール!
「この、聖剣に懸けて!」
フツノミタマを振りかざし、空に向かって雷撃を放つ!
激しく盛り上がる群衆たち。
「
馬車がナイスタイミングで動き出す。
歓声に見送られて、俺は街を出た。
○○○○
あー、石とか投げられなくて良かった。
投石ひとつで死ぬからな、俺は。
演説はウケたみたいで、なによりだ。
ボロが出ないうちに、さっさと進もう。
しっかし。
こんなん異世界小説だったら絶対ウケないパターンだよな。
「弱いと思われてますが、実はチート能力で最強でした!ざまぁ!」
ってのがウケるんだよ。
俺、逆!
「クッソ弱いのに最強勇者のフリしてます!どやぁ!」
だもんな。
こんなもん、続けてたらいつか失敗してポックリ死んじまうって。
とっとと任務を終わらせよう!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます