第2話 三影 雄史 〜 見えない運命の糸、絆〜

プシュン


ドサッ


男の人が倒れる。




「社長?どうなされました?」



「………………」 



「…社…長…?社長っ!!」





俺の名前は、三影 雄史。20歳……としておこう。


正直、仕事柄、年齢不詳にしておきたい。


俺は裏社会の人間。


腕の良い敏腕スナイパー。


殺し屋だ。



良い意味で色々な悪事をしてきた。


依頼され役目を果たす。





どれだけ傷付いた人間を


見て来ただろう?



不倫。



愛人。



お金に目が眩んだ人間。



騙し、騙され……



今は騙し合いの世の中。



いつ、何処で何が起こるかは分からない。



明日、死ぬかもしれない…!



そんな世の中。



腐った人間がゴロゴロいる。



今も尚、


きっと見えない魔の手が


誰かが騙され傷付いて


泣いているはずだろう…?





そして、今、彼女の前にいる男・社長は俺の手によって殺された。




「悪いな…。でも…お前も騙されているという事…後々、恨みが出る前に殺させてもらった…」







数日後――――




「雄史。依頼だ」

「はい」


「近々、ボディーガードとして雇われて欲しい所がある」


「ボディーガード?」

「ああ。両親からの依頼だ。お金持ちのお嬢様だ」

「お嬢様?」


「ああ。お嬢様の命が関わるだけではなく、お前も狙われる可能性がある」




「………………」




「まあ、お前はベテラン中のベテランだ。大丈夫だろう?雄史、今から言う事は心して聞け」


「はい、何でしょう?」


「ボディーガードになった以上、彼女への愛が芽生えるかもしれない。むしろ、相手も同じだ。恋愛するとは言わない。しかし……正直…彼女の支えになるのは、お前しかいないという事。狙いは…人じゃない。品物だ」



「…品……物……?」


「ああ。闇社会の人間が手に入れたいという貴重な品物だ。オークションに出せば高額となるだろう?それに…その品物には何かヤバイ情報が絡んでいるらしい」



「…つまり…それって…生きて還れないような内容があると…?」


「ああ。両親は、きっと命が狙われるであろう…いや…もしかすると…それ以前から何かしら事件に巻き込まれてるかもしれない」


「えっ…?」


「気になる事が、幾つかあるからな。とにかく、そういう事だ。地図を渡す。近辺など色々調べて下見して把握しておいた方が良いだろう?」


「分かりました」




そして――――




「…ここは…あの時の……」




俺の前に聳(そび)え立つ屋敷という


言い方が正しいだろう。


過去に来た事ある場所。





それに……



彼女とは…



2度目だ




そう……




俺達は



何かしらの繋がりで



見えない絆で



繋がっていたんだ――――




お互い何かに



引かれ合うように――――





そんな彼女は……



きっと覚えていないだろう……?




俺達の間に



思い出の記憶のピースが



別にある事を――――

















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