第45話 書けない手紙

久しぶりに手紙を書いている。あの人は元気だろうか。今さら手紙なんて変に思われるかもしれない。便箋を広げたのはいいけれど、何を書こうか。罫線の数が妙に多く感じる。過去に引っ張られ過ぎてはいけないと分かっているのに、一番輝いていたあの頃に縋ってしまう。夜が明けて、手紙は書けないまま。

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