第44話 去り際

私の枯れた心を赤い夕日が燃やしている。骨も焼けろと炎は舞う。薄汚れた私の存在を全て消してくれるだろう。ナイフを握って西の空を見る。私の捨てた明日という名の未来がゆらゆら揺れている。希望とはどんな色に見えるのだろう。一度は見てみたかった。最後の最後に取り出して放り投げる。命の繭を。

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