第43話 洋画と煙

よく晴れた昼下がり、テレビには古い洋画が映っている。パイプ片手に安楽椅子に腰掛け、目を閉じる。年月を重ねた調度品が陽光に照らされて輝く。青春映画の台詞を聞きながら煙を吐く。やけにはっきり聞こえる声は、窓の外、黄葉した銀杏の木の下で遊ぶ子供たちの声。煙は溶けた。静かな時代の片隅で。

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