第2話 バグの発生には注意

「よーし皆気を付けて帰るようにー

それじゃあ号令」

「起立。礼」

HRが終わり帰りの準備を進める

にしても今日は昨日の夜寝ていないせいで授業に身が入らなかったな

「おーい京音、帰りにゲーセン行かない」

帰ろうとリュックを背負うと高校で数少ない友達の

伯井 龍時はくい りゅうじが来た

「ゲーセン?俺金ないんだけど」

「えー少しぐらい奢るからさー」

そういい抱き着いてきた

「分かったから抱き着いてくんな

暑苦しい」

「そんなこと言って本当は嬉しいんだろ

このこのぉ」

イラつく小突き方をしてくる

こいつは人をイラつかせる天才かよ

   ◇◇◇

ゲーセンか久しぶりだな

最近本当に金がなくて来れなかったからな

そうしてクレーンゲームや釣りのメダルゲームをした

「京音次何するー」

俺はゲーセンの中を思い出す

「そうだ、あのシューティングゲームしないか」

俺はゲーセンで個室のようになっているゾンビのゲームを指さした

「シューティングゲーム?お前下手じゃなかったっけ」

「んー取り合えずやろうぜ」

「まぁ良いぜ」

これで命中率を上げられれば…

「おい、ワンプレイ400円かよ

得点低い方は後ででもいいからなんか奢るってことで」

「あぁいいぞ」

夜のことを思い出せ!

軽快な音と共にゲームが始まり

ゾンビが奥から迫ってくる

肩の力を抜いて狙いを定め撃つ

バンッバンッ

頭を抜かないと一発では倒せないか

だったら頭を狙うだけだ

しかし体に当てるよりは的が小さいせいで

当たるのは3発に1回か

「お前、そんなに上手かったか?

手加減はしてられないな」

龍時はFPSゲームだったりをしているらしく

実力はかなりある

バンバンッ

バンッバンッ

ゲームは進むとボスが現れた

バンバンッ

頭を撃つがあまり効いている気がしない

弱点は別の場所か?

見渡すと近くに危険とマークされたドラム缶があった

あれを撃てばいいのか

何発かドラム缶を撃つと爆発し

ボスのHPゲージは一気に減った

「おぉもうラストスパートだな」

俺と龍時の点差はほぼないも同然

「こいつにとどめを刺した方が勝ちだな」

どこを撃ってもダメージ量は同じだ撃ちまくるだけ!

そうして結果は

「GAMEOVER!?なんでだよぉ」

どうやら時間制限があったらしい

画面には大きくGAMEOVERの字と

その裏でゾンビによって世界が崩壊する映像が流れている

「最終的な点は分からないな」

「これじゃ奢りとかの話話だな」

「にしてもお前があんなに上手くなってるとは思わなかったわ」

「あぁまぁ少し練習した」

「おいおいだからこれ選んだのかよ

まぁいいんだけどさ」

流石に本当のことは言えないしな

「そろそろ帰るか」

スマホをつけると時間は17:28分だった

『新規メッセージが3件あります』

誰からだろう

タップして詳細を見る

『やっほー

これ送れてるよね』

変なキャラクターのスタンプ付きだ

誰だ?アイコンでは誰だか分からず名前を見る

楼禅 否?ますます分らない

ろうぜん いな…

もう1つのメッセージも見る

『取り合えず今日の夜君に会いに行くから~』

夜会いに来る?ストーカーか?

ついあたりを見渡してしまう

「どうした京音?」

「あぁうん何でもない

それじゃあまた月曜日に」

「おう、じゃあなー」

取り合えず龍時と別れ帰路に就く

ろうぜん いなろうぜん いなろうぜん…

「イナ・ローゼンか!」

分かった嬉しさからつい声が大きくなってしまったが

運よく周りに人はいなかった

取り合えず了解とでも送っておこうかな

『了解!』

ついでにLINK初期キャラのスタンプも送った

にしてもどうやって俺のアカウントを?

その時あの嫌な気配を感じた

近くにサーバントがいるのか?

でも今はまだ夜じゃ…

〈バグみたいな…感じね〉

どうすれば良いんだ

今あの銃は無いしイナさんは夜に来ると言っていたか来れないだろう

姿は見えないし嫌な気配も薄いから

めちゃくちゃ近いわけではないだろう

今は家に帰ることを目標にしよう

俺は走る出来るだけ人の多い場所を通って

人の多い場所では嫌な気配を感じなかったから

きっと人が多いと分が悪いんだろう

しかし回り道をしたせいで帰る時間は遅くなってしまった

「ただいま」

「お帰り兄ちゃん

なんで疲れてんの?」

「いやぁ走って帰って来たから」

「あそ

お母さんがもう夜ご飯出来てるから早くだってさ」

「分かった荷物置いたら行くよ」

俺は2階に荷物を置き階段を降りてリビングに向かった

   ◇◇◇

ご飯を食べて風呂に入り今はイナさんを待っている状態

時間は11時半

嫌な気配は少しずつ強くなっていってる

昨日みたいに家にまで来られると困るし

イナさん早く来てくれないかな

「ふふ、そんなに待ち遠しく思ってくれるなんて」

「イナさん!?いたなら早く声かけてくださいよ」

待て、イナさん俺が声にしてないことも分かってるのか?

心が読めるってことか?

心が読まれてるって思うと恥ずかしいな

「どうした。そんなに顔を赤くして」

あれ本当に心読めるのか?この人

「まぁ良い早くアジトに行くぞ」

「俺の部屋じゃダメなんですか?」

「アジトの方が物があって説明しやすい

それに今日はサーバントは少なそうだからな」

「えっそうなんですか?」

にしては嫌な気配が強い気が…

まぁ嫌な気配=サーバントってわけではないだろうしな

「そんじゃ行くぞーヘルメット被れー」

「はーい」

昨日と同じく窓から外に出てバイクに乗った

「こんな時間にどこ行くんだろ?」

扉越しに全てを聞いた者は呟いた

   ◇◇◇

今日は確かにサーバントに追われることは無くアジトに着いた

「で今日は何の用なんですか」

イナさんは奥からホワイトボードを引っ張り出してきた

「今日はだな、同盟についてと

最近のサーバントの動きだ」

サーバントの動き…

「まぁまずは同盟から」

そう言うとイナさんはホワイトボードに何か書き始めた

「同盟の内容としては

私が君の血を吸わせてもらうかわりに

君をサーバントやその上のモノから守ってあげるというものだ

平等だしそれでいいな?」

「ちょっと待ってください、それって平等じゃなくないですか」

「?そうか」

「僕が血を吸わせるだけで守ってくれるなんと僕の方が軽くないですか」

「別にお前が軽い分には良いだろ

それにもとからサーバント達は倒すべき存在だ

君と同盟を結ばなくても倒すことになる

ただそれだけだし君にも一応手助けはしてもらうつもりだ」

「…分かりました」

正直ちゃんとは納得していないけどこれ以上は何も言えない

「それじゃあ次最近のサーバント達の動きだ

君の直感的な感じで思ったことはあるか?」

最近のサーバントの動きといったら

「夜以外にも行動し始めてる…」

「That's right

前も行ったようにサーバント達は夜にしか動かない

それは人気ひとけが嫌いなのと襲いやすいから」

だからあの時人が多い道を通ったら襲われずに済んで

逆に旧校舎に一人でいた彩乃は襲われてしまったのか

「なかなかに賢いですね」

「そう、だからこそ最近夜以外に行動している理由が分からない

もし、夜以外に行動することを上のモノが命令しているなら

その理由を調査しないといけない」

イナさんはホワイトボードに書いた絵で説明している

なんだかアニメみたいな感じだな

「でまぁ調査を開始したいので君を守れないことがあるかもしれないので

君には武器を与えよう」

そういうと照明のスイッチを全て同時に押した

すると目の前の壁が開きその奥に出てきた壁には武器が飾られていた

「さぁ君はどれを選ぶ?」

武器は全部で7種類

左から昨日使った銃型の物

刀の柄の部分

ただの棒のような物

持ち手がある薄い丸

メリケンサックみたいなもの

ブーメラン

それに靴?

武器なのか分からないものが多いな

ただ俺は昨日のことから銃を手に取った

「他のものも試さなくて良いのか」

「大丈夫です。これにします」

「まぁ使い方は分かってるから大丈夫だな」

イナさんは再びスイッチを同時に押し壁を閉じた

「よし、じゃあ解散とする」

時間は日付が変わって2時になっていた

少し眠いな

「武器は余り人から見られないように

特に君のは銃だから」

「分かりました」

まぁ基本持ち歩かないとダメかな

襲われても嫌だし

そしてまたバイクに乗り送ってもらう

「それじゃあまた今度」

「はい、LINKで言ってくれれば予定は開けておきますから」

「あぁそうしてくれるとありがたい

そうだ、バグの発生には注意を」

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