SS リア(クズ子)

 私の名はリア、エロフ国の出身なの。


 私は戦何って行きたくはなかったのに、犯罪を犯してしまった代償に、懲罰部隊として、ケベス国の援軍に向わされたの。


 私の対応何って酷い物よ。


 アクメランド連合王国の援軍の雑用を全てこなし、そして、食事は悲惨なものしか出なかったの。


 これで戦場では、最前列で突撃しろ何って酷すぎじゃない。


 だから、私は死なない様に立ち回ったわ。


 もう、こっちも必死よ。見栄も外聞も無いわよ。死んだら終わりなのよ。


 私には遣らなければならない事が、まだまだ星の数ほどあるのよ。


 死んで堪るもんですか!


 仲間を盾にしてでも生き残ってみせてやる。


 

 そして。



 生き残ったのは良いんだけど、何で私が捕らえられているの。


 私には価値なんって無いわよ。ゼロよゼロ。


 荷馬車の中を見渡すと、身なりが良い二人の子がいる。


 明らかに雑兵ではなく、指揮官クラスの身なりである。


 服は剝ぎ捕られてボロを着させられていたが、髪の艶など綺麗を通りこして、どうすれば、そんな風になるのか教えて欲しいのだけど。


 此処は仲良くなって、隙を見て逃げ出す時に利用しようと決めた。


 逃げ出す瞬間は、意外と早く訪れたが、一人の子が足を怪我してしまい、足手まといになっている。このままでは私も巻き添えで死んでしまう。


 私は、二人に気が疲れずに姿を消すと、気配も絶ち森と一体になっていた。


 エルフの特技を使って逃げたの。


 逃げる事には成功したけど、此処って魔の森近くじゃない。


 一人で居たら死んじゃうから、一週間も生きている自信がないから!


 誰か助けて下さい。


 お願いします。


 もう、十歳の男の子の家に、夜這いをしません。


 だから神様、私だけでも助けて下さい。



(その後、クズ子を見た者は、その周辺では居なかった)




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