サキュバスになった私は彼女から性をもらいたい
でずな
魔性の女
飲みたかった飲み物がたまたま売り切れであったり、運悪く急いでいるときに限ってたまたま信号が赤が続いたりする。
そんな具合である日突然サキュバスになってしまうこともあると言ったら、数時間前の私は笑って過ごしているだろう。
顔を洗いに鏡の前に立っている。
鏡には寝起きの私の顔と、後ろでひょろひょろ動いている尻尾のようなもの。
「あはは。まだ夢の中じゃないんだから……って痛っ!!」
ギュッと尻尾を握ると、背中がゾワゾワする痛みが走った。
これは現実。だとしたら、この黒いやつは腰の下からついているので尻尾。
なにこれ。なんか、なんかすごい。
「
突然尻尾がついていたという驚きよりも、同居している彼女こと澪に自慢したいという気持ちのほうが
尻尾が生えて約三日。
私と澪はとんでもないことに気がついた。
それは……尻尾を私の体にぐるぐる巻にして一気に手を離すと、バネみたいな形で数秒固まってしまうということ!
要するに、数秒は尻尾の形を固定できるということがわかった。これを利用すればあんなことやこんなことを……。んへへ。
って、そんなことどうでもいい。
それよりもっと大事なことがある。
それは私が人間でも、悪魔でもなく、漫画などで見るサキュバスなような体質になったということ。
このことに気づいたのは、澪がお風呂の中で一人でシいたのを覗いていたときに気づいた。
性欲を発散している時に出る謎のエネルギーが私の養分だと、一度味わったから確信している。
そんな魔性の女である私は絶賛お腹ペコペコ。
澪がシていたのを覗いたのは一昨日。
早くなんとかしないと、倒れちゃうかも……。
「ねぇ澪……ヤんない?」
「スるわけないでしょ」
澪は一昨日、私が謎のエネルギーのことを話しているときに覗いていたことを気にしているのか、ずっと塩対応。
「じゃあ一人でスるのは? ほら。見られながらスるのもいいって言うじゃん?」
「だ、か、ら! シないから!」
けち。けぇ〜ち。
「もう、澪がそう言うんならいいよ。外にいる、知らない人のこと引っ掛けてなんとかするから」
「ちょ。それは良くないんじゃない?」
「離してよ。早くエネルギーでお腹いっぱいにしないと、本当に死んじゃうかもしれないんだから」
振り払おうとしても、中々払えない。
私を外に出させないため、がっちりと腕にしがみついている。
「やめてよ。その……お風呂を覗いてたのは謝るからさ、腕を離してくれない?」
「ぅ。本当に私以外の人と寝るの?」
「寝るっていうか、まぁそういうことになるかも。私にとっちゃ、ご飯みたいな感じだけど」
「ご飯ね……。じゃあ質問するんだけど、彼女がどこのやつか知らないご飯を食べに行くって言ったら止めない? 怖いって思わない?」
「怖い、かも」
「でしょ? なら、その……私にして」
それからというもの、流れるようなスピードですべて終わった。
「許さないから……」と、終わったあとに澪から睨まれたのはよくわからない。
サキュバスになって、不安だったけど澪と入ればどってことなさそう。
横で「うぅ」と体を縮こませてる澪をこちらに向かせる。
「改めましてサキュバスになった私のことをよろしくね」
「う、うぅん。……ひょ」
「なんで離れる!?」
サキュバスになった私は彼女から性をもらいたい でずな @Dezuna
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます