四月一日なので短編 ①




「寝れない」

「ん? なんじゃ透どうしたのじゃ」


 布団に入り寝る準備していつでもグッドナイトモードに入っていたというのに、冷静に布団から起き上がり呟く。

 時間の針は既に十一時をとっくの前に示している。 


 なのに、


「マジで寝れない……明日学校なのに……」

「明日何かあったかの?」

「いや夏休み前最後の終業式だけ……」

「透お主夏休みが楽しみ過ぎて寝れんのか?」


 俺は遠足前日に寝れない子供かっ! いやそうじゃねぇんだよ!


「なんで寝れないんだ! 無茶苦茶疲れてるのに!」

「ま〜あれじゃろ。疲れ過ぎて寝れないってやつじゃろ? 寝っ転がっておればそのうち寝るのじゃ……と言うのは些か薄情か」


 と言いつつ姫は操作していたゲームの電源を切り、


「ここは儂の力を使うとしようか!!!」

「何する気だよ」

「それはじゃのう〜」


 えへん、と胸を張ってコイツは得意げに言い放った。


「皆の夢の中を見るのじゃ」


 嫌な予感しかしねーーー!!!!

 てかお前そんな猫型ロボットみたいなことできんの??


「仕方ないのぅ〜透太君は〜」

「いや語呂悪いぞそれ」

「喧しいのじゃ、さっさとテレビの前に来い」

「何故に?」

「このテレビに映してみるのじゃ」


 もうあれだ……なんでもありだな。




 とある病院にて、


「心!!!」


 勢いよく扉を開けて入って男が一人、ていうかそれは少し大人っぽくなった俺だった。

 え、待って? これ……え?


「あぁ! 透来てくれたんだ!」


 病院のベッドで寛いでいる奴はもう先程大人な俺が言っていたが、コチラも大人っぽい心がいる。その隣に小さなベッド的なものがあり、大人な俺はそのベッドに近寄り覗き込むと、


「可愛いなぁ!! 俺達の子供は!!!」


 とんでもないことを口にしやがったぞコイツ!!?

 五月蝿いって?? しかし姫さんやこれを黙って観なきゃいけないって拷問だぞ? ……まあ分かったよ黙って観てるよ……。


 悪夢はドンドン進んでゆく。


「ありがとな心頑張ってくれて!」


 その俺の発言と同時に、


「「「「パパー! ママー!」」」」


 なにやら扉を開けて多数の子供達が……




 ____ブチッ





「おい透よ!! なにテレビ消してるのじゃ!? え……なんで泣いておるのじゃ……」

「いや……心の幸せそうな姿が嬉しくてな……」

「え、そっち? お主どんだけ泣いてるのじゃマジで……」


 いやほんと……次行くぞ次……




「とー君大丈夫? まだ慣れない?」

「真白か……いやまあ少しは慣れたよ。教える先生が上手いからな」


 今度は真白か……これもまたお互い大人になっている。いや厳密には先程の俺よりも眼光が鋭いというか怖い。


「コイツ……まだ生かしてるの?」


 え……


「まあな、今情報吐いたところだから」

「ヤろうか?」

「いや俺がやる」


 大人な俺がロープで縛られた男の首に手を伸ばしナイフを____




 ____ブチッ





「なんじゃ透なんでまた消すのじゃ?」

「いやスプラッタはちょっと無理なんで……」


 おそらく、いや間違いなく真白の夢だろうが、あの夢では俺が真白の仕事を一緒にしている様になっていた。もうあれだ本当にめちゃくちゃだ。


「次に行こうか……」

「透よお主大丈夫か?? こう言うのもなんじゃがこれから先はもっとヤバいと思うぞ?」


 ……なんだそれ? お前はその先を知ってるとかか?


「いやこれは神の力を使った警告じゃ」


 スゲェな今まで一番頼りになる一言だなおい。




        ~おまけ~




 エイプリルフールに間に合いましたけろ!

 褒めて!!! でも短いから急遽前後半です!! 


 後編を待ってくれると嬉しいです(ゲス顔)

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