第255話 お手紙
色々内政について考えてみた。
農林水産業のような1次産業の次はやはり2次産業、鉱業、建設業に製造業だ。
3次は電気やらガスやらだっけ?あれ?電気ガスは2次に含まれるんだっけ?
まあどちらでもいいか。
とにかく、工業全般をこれから発展させる。
となれば基本となる化学が…まあ俺にはよー分からんのよ。
化学の発展が進み、開発が促進される。そしてその一つの結実がハーバー・ボッシュ法だ。
これは窒素と水素を触媒を用いて直接アンモニアを合成する方法のことでハーバー・ボッシュ法のおかげで化学肥料が生み出されるようになり、農業の収穫量が一気に増加する。ってのは知ってる。
じゃあ、『ゼロからハーバー・ボッシュ法やって肥料と火薬生産してよ』って言われて実際に出来るやつ、この中にいる?って話である。
水素と窒素を反応させてアンモニアを作るんだっけ?どやって???
またゴンゾに研究させて…いい加減過労死しそうだな。弟子に研究させとけと言っておこう。
さ、内政はもうぱっと思いつくものぜんぶゴンゾに丸投げした。
次はいい加減外のことについて考えよう。
今年は冷夏だった。
少し前に人間界のどこやら火山が噴火して大変らしい。
火山噴火が齎す溶岩自体の影響はごく近隣の住人にしか及ばない。
だが、問題は火山灰にある。近隣には火山灰が降り積もり、土壌がひどいダメージを受ける。
灰だからアルカリ性になるんだった?
いや、硫黄何かがたくさん出るから酸性になるのか???その辺からあやふやだ。でも水酸化化合物や石灰が出た場合はアルカリ性になるだろう。
つまり、噴き出すものによって変わるはず。
だが、強酸性だと何にも育たないし、勿論アルカリでもダメ。という訳で不作になるのはほぼ間違いない。
じゃあアルカリっぽいから酸性のモノを撒いて中和しよう。なんてやってるといろいろアウトやな。ちゃんと調べてからにしないと…リトマス試験紙?BCG溶液?どうやって作るんだ???
知ってる奴ばっかりだと思うけど、作り方分かる奴おらんやろ…おるんか??
エルトリッヒ公国の有った所はヴェルケーロと山越しに隣接しているだけあり、かなり寒い。
シュゲイムたちに聞いたところによると冬は積雪も多く、夏も寒い時は長そでがいるほどだそうで。
そんな気候で火山灰が降って…うーん。
「シュゲイムに…あー、先にマークスに手紙を書く。二人で読んでから判断してほしいと伝えてくれ」
「はい、畏まりました」
サラサラと手紙を書く。
あとはあいつらがどう判断するかだ。丸投げ丸投げ。
さーて、今日は久しぶりにアシュレイとダンジョンに行こう。
俺が強くなった姿を見せてやるぜ!
なんて思ってダンジョンに行ってみたが、思ったよりアカもアシュレイも強い。
ソロじゃない方の80階層は余裕でクリアし、今はそれ以上に挑んでいるのだ。
そんなわけで俺がおんぶされる形になって。
未だ行ったことのない久遠の塔81層。
様々な属性持ちのモンスターが現れる。
燃えながら突っ込んでくる虫、氷を纏った鳥、油断してるといきなり地面からガブッと来るモグラ…俺も初見のモンスターばっかりで戸惑う中で、アシュレイはホイホイと狩り進んでいた。
「うわっと。あぶね。やっぱ虫型は苦手だな」
「近寄る前に斬れば良いではないか。こう!ほら!」
ムカデとカマキリの融合したようなモンスター。
壁を這い、羽で飛びながら鎌と巨大な牙、それに雷撃で攻撃してくる。
そんな訳の分からんモンスターに戸惑う俺と、それと対照的に遠距離では炎で制圧し、剣の攻撃範囲に入ると有無を言わさず切る、斬る、kill。
やはり強い。圧倒的じゃないか、我がアシュレイは。
レベル的には俺の方が上だし、領地が増えて補正もかなり増えているはず。
なのにもうすでに抜かれてるんじゃないか疑惑が起こる。…疑惑で終わればいいが。
それほどの強さだ。参ったなこりゃ。
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