第18話 城壁粉砕
崖を登った一同が、海を背にして振り向いた時。テバス古城はもう彼方に見えていた。メネフもゾルグも最短距離で城を目指せる地点を選んで上陸場所を決めていたのだ。
その距離、およそ五百歩。
周囲は平原で隠れようがない、さらに背後は崖と海、追い詰められれば逃げ場もない。敵が寡勢で来るとわかっているなら、数で押し潰すには絶好の地勢のはず。だがオーリィ達が最初の襲撃をいなした後、不死怪物達の増援はまるでその気配もない。シモーヌはあの時の言葉通り、自分達を城に誘い込んでいる。
ならばこの隙を使って、そうコナマが言い出した。
「みんなの武器を私が【聖別】しましょう。きっと役に立つわ」
聖別。聖職者がその神聖な霊力を器物に込める術、武器に用いれば不死怪物に極めて有効だ。物理的に屍を破壊すると同時に、怪物達を動かし操っている不浄の呪力を祓い、消し去ることが出来るようになる。
「そうだな、頼む婆さん……オーリィちゃん、悪いが」
「もうやってるわ」
武器を用いない魔女の彼女に、メネフは見張りをしてくれと言いたかったのだ。だが言われるまでも無くオーリィは既に、皆を背に魔城を睨んで仁王立ちだ。
無愛想な返事、だがメネフは微笑む。
(頼もしいぜ)
「……坊やの剣はこれでいいわね」
「なあ婆さん、あんたのその力でコイツの弾込めは出来ねぇモンか?」
若者がかざす輝く籠手に、コナマは微笑みながら首を振る。
「残念だけど、そんなにうまい話はないわ。ドワーフの魔刻の術は私の聖職者としての浄化浄霊術とはまるで違うものだから。オーリィの魔術とも違うし」
実のところを言えば、それは何度も彼女に聞いた話。
「だがどうにもわからねぇ、オレにゃアンタ達の不思議な力ってのは、おんなじに見えちまうが」
「ホホホ、私には剣も槍も弓矢の技も同じに見えるわ。でもそれぞれにちゃんとコツや工夫があって、それぞれ別の修行で身に付けるのでしょう?そういうこと。
さ、次はベン、いらっしゃい。あなたには念入りにやってあげないと」
「はいコナマさん、じゃない、えと、だ、だいし……さま?」
「いいのよ、名前で呼んで頂戴。その方が嬉しいわ」
ベンがはにかむような顔でおずおずと彼の武器を差し出す。
弓と矢。弓術は普通の戦いなら実に有用なものだが、こと不死怪物相手では相性は最悪。動く屍は痛みを知らず、既に死んでいるが故に、生者の心臓のような必殺の急所も無い。ただの矢ではどこに何本撃ち込んでもその動きを止めることは出来ないのだ。
(でも私が力を貸してあげれば)
コナマの持つ桁外れの神聖力、彼女はその一欠片を鏃と弓弦に込めていく。
「これでいいわ。安心して試してご覧なさい」
「それにしても?まぁ随分と……可愛らしいお城だこと!」
城を睨んで独り言つオーリィ、その言葉には棘がある。口元には憎々しげな嘲笑。そこに潜む主の顔が目の前に散らついているのだろう。
(『遊びたい』。本当に舐められたものだわ!)
オーリィの皮肉な口調はつまり、腹立ち紛れ。
するとその時、すぐ側にいたゾルグが彼女をなだめるように飄々と。
「へぃ魔女様。仰せの通り、あれを城ってのは大袈裟でゲすねぇ。元々ありゃ海賊と戦うためのただの砦でゲすから。
……わっしにゃ懐かしい城でゲすがねえ。いえね、わっしは実はテバスの生まれなんでさぁ」
「え?」オーリィは虚を突かれた顔。
「もっとも、うんと小さなガキの頃にはもう他所に出ていっちまいやしたがね。ご覧の通り……」
と、ゾルグは自慢のカイゼル髭の先を指でクリクリとよじる。それは先から根元まで透き通るような亜麻色。
「わっしはどうやら生粋のノーデル人じゃございやせん。昔の海賊の血が入ってる、それも大分そっちの方が濃いようで。ここの生まれでゲすから」
そう、メネフをはじめ侯爵一家は全て赤みの強い茶髪。そしてそれが大多数のノーデル人の常なのだ。そう思う目で見れば、ゾルグの風貌には髭の色以外にもエキゾチックな趣が様々に見えてくる。
「ですんでね、実はあの城には昔々、こっそり忍び込んだこともありまさぁ。捨てられたボロ城、見張りなんざおりやせんし、塀なんぞもあちこち崩れて穴だらけ。あそこは、わっしを頭に悪ガキどもの遊び場だったんでさ」
思わず聴き入るオーリィ。そして彼女の顔は少し沈む。ゾルグの言葉通りなら、彼は子供時代を過ごした生まれ故郷を、妖魔に蹂躙され失ってしまったということになる。
だがそんな魔女の顔色に気づいて、ゾルグはおっとうっかりという顔をした。そしてあくまでカラリとした口調で。
「昔の話でゲす、わっしにゃもう故郷に未練なんざありやせん。流れ者の暮らしが性に合ってますんで。
いえね魔女様、わっしが言いたかったのは!あれは確かにチンケな城だったってこってす。もう案内が出来るほど中の様子は覚えちゃおりやせんが、なぁに、全部隈なく見て回ったって高が知れてまさぁ。
……案外、あっさり会えるんじゃねぇですかね」
ゾルグは誰に、とは口にしない。そして昔話もこれまでとけりをつけるように。
「事が済んだら、ついでに一丁宝探しといきやしょう。あんなボロ城でゲすが、あそこにゃ宝が眠ってるってね。寝床でよく聞かされたモンでゲす。潜り込んだ時にゃそんなモン、サッパリ見当たりやせんでゲしたがね」
「……さぁゾルグ、今度はあなたよ!」
「おっと魔女様、お呼びがかかりやしたんでこれでご免なすって」
コナマに呼ばれたゾルグは頃合いとばかり、そそくさと離れていった。
(そうよシモーヌ)オーリィは再び、彼方を見つめ眦を決する。
(今すぐ会いに行くわ。首を洗って待ってなさい!)
「……何事もなく着いちまったが」
メネフが呟くその言葉。
草原を無事に通り抜けて、一行は今、テバス古城の城門の前。
メネフの呟きには勿論、含みがある。怪しい、何事も無さ過ぎた、ここからが勝負。それは仲間達全てに広がり伝わる。
「殿下、裏手に回った方が良かぁねぇですか?どっか壁の穴でも探して……」
「オレ達が来るのがバレて無かったなら、そうしたんだがな」
この際同じこと。そもそも問うたゾルグ自身がそう思っていた。主従のやり取りは、単なる皆の覚悟の確認作業。
「みんな、少し下がっていてくれ。俺が門を開けてみる」
テツジが進み出る。古城の城門は、細い鉄柵製。本来戦城ならば、敵の侵入を防ぐために材木で厚く固めた門扉があったはず、海賊と争っていた古の彼の日はそれがあったと思われる。しかし城が本来の役割を終えた後、朽ちたそれに代えて申し訳程度にこの門扉が造られたのであろう。そして今やそれも錆に侵食され、折れそうなほど。石巨人の力を使うまでも無く、こじ開けるのは容易に見える。彼がその役を買って出たのは、万一の用心に過ぎない。
だが。
「……むむ?」
門扉の鉄柵を掴んだテツジの口から、奇妙な呻き声。
いや、鉄柵は掴めない。目に見えない壁のような何かに阻まれ、柵の間に指を差し込めないのだ。
そこで巨人は、掌を広げ柵に押し当てた。最初は片手、すぐに両手。地に足を踏ん張り、渾身の力で押す。だが彼の剛力を持ってしても、柵はびくともしない。
何らかの霊的な力による障壁。
「かくなる上は!」
巨人は柵を離れ、すぐ傍の壁の側に立ち、背中を絞り弓を引くように拳を構える。壁を破壊して通り路を作るつもりだったのだ。
「待て!ぶん殴る前に壁を調べろ!」
メネフが素早くその攻撃を止めた。
「ううむ……!」
巨人は一瞬口惜しげな顔。だが直ぐに自分が冷静さを失いかけていたことに気づき、ゆっくりと拳を下ろして、再び掌で壁に手を突いた。
「なるほど……殿下、壁も同じだ。俺の手は今、壁に触っていない。薄皮一枚だが、目に見えない何かに遮られている」
「ケック、だったら乗り越えられないかな?あたし調べてみる!」
ケイミーは城壁に沿うように垂直に飛び上がり、少し壁の高さを越えたところで、コツコツと嘴で空間を突いてみた。
そう、何も無いはずの目の前の空間に、コツコツという手応え。
「クワックゥ……」上空でフルフルと首を横に振って、人面鳥は気落ちした顔で戻って来た。
「ダメか。こうなると……どっか他に入口があるか?」
「探してみやすか殿下……おおっと!」
ご覧下さいという言葉は、ゾルグの喉に飲み込まれた。
門扉の鉄柵が、ひとりでに開いていく。その場の皆の目はその光景に釘付け。
「どうやらお招きのようだぜ。ここから入れ、とよ」
「へへ、こいつはありがてぇこって。薄気味悪いでゲすが」
「ま、これではっきりした。オレ達は感づかれてるし、それどころかヤツはどっかからオレ達を見てる。こそこそしても意味ねぇ。
……お招きに預かるとしようや」
メネフが門に向かって一歩を踏み出した、その時。
「待ちなさい!」
オーリィのその声は金切り声に近かった。あまりのことに驚いてメネフが振り返ると、魔女は憤然として言い放った。
「気に入らない……気に入らないわ!なんだってあの女がおためごかしに用意した入り口から、頭を下げて入れてもらわなければならないの?メネフ!お前は悔しくないの?わたしはそんなこと、我慢できない!
ここは!何が何でもどこかから無理矢理押し入るべきよ!たとえあの女が見ているとしても……いいえ、だったらなおさら!!」
「ひゃっ、つまり魔女様、なんですかい?どうにかして他から入って、吸血鬼に当てつけてやれと……そうおっしゃるんで?」
「そうよ!」
やれやれこいつは、と。驚いたメネフは他の仲間の顔を見回す。とんだところで飛び出したオーリィの癇癪の虫に、皆一様な当惑顔。
いや、ただ一人。魔女オーリィの忠実な下僕であるテツジの思いは違う。
(ただの癇癪ならば。オーリィ様という方はむしろ突き進む、他の者を押しのけてでも。止まれとおっしゃるのは、きっと魔女の力で何か危険を感じていらっしゃるのだ。その危険の正体がご自分でもわからない、それが悔しくてあんなおっしゃりようだが)
そして彼の視界の隅に、ゾルグの足元に付き従うベンの顔。
(怯えている?何にだ……?)
「いやぁオーリィちゃん、気持ちはわかるがそいつは……」
「いや待て!!」
どう説得したものかと、考え考え話しだしたメネフを今度は巨人が遮った。
「俺はここはオーリィ様に従う。我々は断固、その門を使わずに押し通らねばならん!」
流石にメネフも気色ばむ。
「おいおい!お前までどうしたってんだ?」
「殿下。俺たちは確かに全員、命がけの覚悟でここに来ている。罠の一つや二つ、それは覚悟の上。だが!
今眼の前にはっきり口を開けているトラバサミを、踏みに行くのはただの愚か者だ!それ!!」
巨人はそう言い放つなり、その大きな手で地面の土をすくい上げ、開いている門の中に投げ込んだ。たちまち燃え上がる灼熱の火花。そして門に投げ込まれた土は、宙で砂粒一つ残らず消えた。皆一様に、門を通るなと言ったオーリィまでもが、その光景に青ざめる。一人、テツジは憤怒に唇を震わせながら。
「壁と同じ、奴の魔術の仕掛けだ。俺たちがこれにかかったら。きっとあの怪物はまた嗤うのだろうな、あの時の、あの貌で!
……オーリィ様!もう一度俺にやらせていただきたい!俺はなんとしてもこの壁を破る、破ってあの卑劣な怪物に目に物見せてやる……いいな殿下!」
答えを待たずにテツジは再び壁に拳を振り上げる。
「こういう時は、ツルハシがあったらよかったわね」
何時の間に滑り込んだのか、猛り立つテツジの足元に、コナマの姿。そして至って柔らかな口調でテツジに語り掛ける。
「どうかしらねテツジさん?あなたは力持ちだけど、素手で壁を壊すのは考えものよ。それよりシャベルを使ってみて」
(不思議だ……いや、これがこの方の力……!)
怒りに逸り昂った己の心が、たちまち水鏡の面のように静まるのがわかる。頭の中で嵐が去り、青空が澄み渡るような感覚。そして俄かに悟る。
(そうだ、シャベルだ、俺のシャベル!)
先に崖の上で不死怪物の待ち伏せを受けた時。テツジはその全てと素手で戦い、あのシャベルを一切用いなかった。
(俺のシャベルはオーリィ様からの賜物、余程のことが無い限り、怪物共の穢れた血で汚したくない、俺はそう考えていた。だがそうだ、使うなら今だ!)
旅立ちの日。都の職人が数人がかりで急拵えした、革製の巨大な肩掛けベルト。テツジのシャベルはそのベルトに留め金で固定され背負われていた。そして道中、彼はそれを解いたことが無かったが。
(俺のシャベルよ、初仕事だぞ。今お前は聖別で清められている、お前ならば!)
今巨人は悠然と、彼の獲物を抜き放った。巨躯の彼が、巨大なへら先を天高く振りかぶる、その姿にみな息を呑む。
「オーリィ様、そして大師様!お力をお借り致します!!」
一気に振り下ろした。へら先が壁に当たったと見るや否や。
一瞬、僅かに一瞬の出来事。実際には一と数える間も無かったに違いない。だがその場の誰もが、それを十とも二十とも感じていた。時の流れが止まった程に感じる、それ程までの驚異の光景。
テツジの振り下ろしたへら先から八方に、蔦の蔓のように生え広がる緑の光。それは壁の高さも超え、城全体を大きくドームのように覆う。
いや、すなわち。白魔シモーヌが城を覆った見えない呪力の壁、その上にその光の網は覆い被さったのだ。そしてその半球状の網の目の光るドームは、突然グシャリと潰れる。
(俺の力が……通る!)
テツジは感じる、目に見えないあの忌々しい障壁が、光の網の力に押し潰され、砕け消え去ったことを。そしてたちまちその手に受けた、シャベルのへら先が実体に激突する衝撃。まさに。巨人のシャベルは古城の苔むした城壁を粉砕し、大穴を開けていたのであった。
「凄い……これが!これが大師様、あなたのお力か!!」
傍目には偉業を成し遂げたはずのテツジ、彼自身が驚きに震える。コナマによって聖別されたシャベル、そこに込められていた膨大な神聖力。それが魔城の守りを討ち払ったのだと、彼には明らかに感じ取れたのだった。
「まあまあ!ダメよあなたまで。『大師様』は禁止、私達はお友達よ。
……御免なさい坊や」
テツジに軽やかに笑いかけると、だがコナマはすぐに厳粛な顔になる。メネフにそう一言、そして。
「みんな覚えているわね、お城で、モレノの部屋で亡くなったあの兵隊さん。可哀想なことをしたわ。あの時、死んだあの人を甦らせることはもちろん出来なかった。
でも、本当は何もあんなに傷つけなくても。清い亡骸に戻してあげることだけは出来たのよ。私には出来た。
あの時、坊やがあの人の首を落としたのは。あの吸血鬼に私の力を少しでも隠しておきたかったから……坊やはそれであの辛い、悲しい役目を買って出てくれたの」
以心伝心。あの場で二人にそんな心合わせがあったとは、他の誰にもわからなかった。
「でも坊や、そしてみんな。この城にいるあの吸血鬼は、私が力を隠し通して近づけるような生やさしい相手ではないわ。そして、神々に変わってあの悪魔を滅するために来た私達には、この空の下に一点の迷いも憚りもない、あってはいけない。私はそう思うの。
だから堂々と名乗りをあげましょう。今、テツジさんが作ってくれたこの清らかな門を通って」
憮然として聞いていたメネフ。無論それは、コナマの言葉に対しての反感では無い。彼の顔色を曇らせたのは。あの時コナマに心を傷めさせ、今また白魔の罠を見抜けなかった自分に対する不甲斐なさ。
だが若者は、それを振り落とすようにふるふると首を振って。
「そうだな婆さん。あんただって、あのコウモリ女に挨拶はしてやりたかったよな……今のは……最高にキマってたぜ!!
見てたか?見たなシモーヌ!これが俺たちの婆さん、神裁大師コナマの力だ!せいぜい震えながら待ってろ!!
……さぁ皆、行こうぜ!!」
「念には念を、ほいっと……おっとこりゃ余計な勘ぐり、そしてわっしが一番乗りでゲす!」
「ゾルグてめぇ、ここはオレが先頭だろうが!」
壁の穴に石を一つ蹴り込んで安全を確かめ、そのままちゃっかり潜り込むゾルグ。口元にニヤリと笑みを浮かべながら続くメネフ。慌てて後を追うベンを、テツジがヒョイと手で掬い上げて。
「ありがとう、お前のおかげだ。俺のような力ばかりでカンの鈍い者にはわからないことも多い。これからもよろしく頼む」
「え?何の、こと?」
自分の手柄がわかっていないコボルドを掌に乗せたまま、笑みを一つ。歩みを進める巨人。そしてその肩に止まって共に入っていくケイミー。
「オーリィ?」さらに後を続こうとしたコナマ、ふと振り返ると、オーリィが壁の一歩前でとどまっている。
「どうしたのオーリィ?」
「コナマさん」魔女はなぜか寂しげに。
「わたしのような女が、神様の代わりになれるものでしょうか?悪魔にこの身を捧げた穢れた魔女のわたしが」
(そう、この子はまだあの時のことを忘れられないのね……)
ほっとため息を一つ。コナマは諭し始める。
「悪魔?グロクスは悪魔なんかじゃないわよ。そうね、人間の教会は彼をそう呼ぶのよね。でも違うわ。
もう一度教えてあげる。
この世界には神々が、偉大な精霊達がたくさんいらっしゃる。ある方は自然の摂理を司り、ある方は多くの命の始祖となって、わたしたちを見守ってくださっている。
それがわたしたちノームと、人間以外の他の知恵ある種族達が知っている、この世の本当の姿。
蛇竜グロクスは大地の炎の大精霊、偉大な神々のうちの一柱。そして彼に嘉されたあなたはいわば、彼の聖なる巫女。あなたはもっと自分を誇っていいのよ?」
魔女はこくりと頷き、しかし物寂しげな顔色は変わらない。
その心に何を思うのか。
オーリィは小さなコナマの体をそっと抱き上げて、しずしずと壁の割れ目に滑り込んでいった。
(続)
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