第30回配信 ホラーゲーム絶叫したら即終了⁉

 いつも通り配信の準備をし、開始ボタンを押す。

「こんみ~今日も見てくれてありがと~!」

 待機所から100人がっ視聴してくれている。知名度も徐々に右肩上がりでSNSでも少し話題になってきていた。そんなミイナが企画したのは叫んだら即終了のホラーゲーム枠だ。正直ホラーは得意ではないので、決死の覚悟で挑むのだ。

配信画面には”アウトゴースト”というホラー系サバイバルだ。pvpの要素を残しながらnpcのゴーストが迫ってくるのでそれを倒すfpsゲームだ。

 ミイナは戦場にスポーンする。実際にやるのは3回目なのでドキドキだ。武器は一番レアリティの低い白武器と、安価な白アーマーを着用している。アーマーは城だとは言え侮ることなかれ、青武器のスナイパーライフルのヘッドショットを1発は耐えれるようになっている。と、遠目ににゴーストを発見する彼らは白武器でも倒せるゲーム用語でいうところの”白お化け”だ。うまく処理すればワンマガジンでも倒せる。ミイナの狙いすまし銃撃は頭に2発、胴体に5発あたり、白お化けはアイテムをドロップして消滅する。しかし問題はその後だ、その倒したゴーストの戦利品をほかのサバイバーが横取りに来たのだ。リロードをして再度狙撃に挑む。サイレンサーという消音装置を付けたうえ、繁み越しに工学サイトを乗せているのでまず敵に視認されることはないだろう。狙いすました銃撃は頭に5発という自分が食らったらまず生き残れないダメージが相手に入る。相手はその場で消滅し、手持ちの装備がばらまかれた。待ち伏せやゴーストの奇襲に備えて慎重に戦利品をあさりに行く。結局横やりは入らずに紫バッグと紫マシンガンという比較的高レアな武器と、ゴーストの戦利品をもって脱出視点に向かう。脱出地点にはよく脱出狩りがいるのだが今回はおらず安全に帰宅ができた。3分で脱出不可能になる嵐が功を奏したのかもしれない。

 結局出撃諸経費と所属している派閥の保険金を払い、手に入れた戦利品を売って収益は+2000がレオンくらいになった(日本円で約1万円分)今回は絶叫することなく配信が進んでしまい何人かがつまらないと言って配信を抜けてしまったのは残念だが、最終的に250人が最後まで見てくれたことが何よりもうれしかった。

「それではみんな~おつみな~!」

祖言って配信を切り、彼女は一息つく。そしてSNSと配信アプリのタイムラインに明日の予定を乗せる。最近はYouTubeでの配信が増えて収益化まであとちょっとというところまで来ている。収益化に浮かれつつもしっかりしなきゃと、気合を入れなおすミイナだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る