第50話 カルタヘナ電撃戦
-スペイン: アルバンテ コンドル軍団駐屯地-
1936年10月3日
日が出始めたらばかりの午前6時頃、ドイツ国防軍の※①
それに続く様に※②
更にそこへ※③
「
敵が混乱していることを確認した後に先遣隊指揮官であるロンメル中佐が号令をかけた。後にカルタヘナ電撃戦と呼ばれる作戦が始まった。
-スペイン: グアティクス CTV駐屯地-
1936年10月3日
コンドル軍団とほぼ同時刻、CTVもメッセ少将が率いる機甲師団を先頭に進軍を始めた。
コンドル軍団が進む経路とは違い、正規軍が少ないルートを進軍するCTVは、行く先々でゲリラ的に襲撃してくる民兵をL3軽戦車の8mm機銃で蹴散らし、防御陣地はL-60軽戦車の37mm戦車砲で吹き飛ばして止まる事なく進軍を続けた。
突破した各防御陣地を後方に続く装甲兵員輸送車やトラックに乗っていた兵士達が次々と制圧していった。
機甲師団が進む先には先回りしたヘリの偵察結果から正確に砲爆撃を与えていき、当初の想定を大きく超えた進軍が可能になっていた。
その後もCTVはカルタヘナに向けて進撃を続けていたが、先にカルタヘナに到着したのはコンドル軍団のロンメル中佐が率いる先遣隊だった。
-スペイン:カルタヘナ-
1936年10月4日午後3時頃
順調に進撃してカルタヘナ郊外まで到達したロンメル中佐であったが、ここで思いもよらない反撃を受けることになる。
それはソ連から供与を受けた数十輌の※④T-26軽戦車と※⑤BT-5快速戦車だった。また、※⑥Ⅰ号戦車と※⑦Ⅱ号戦車が中心の先遣隊指揮官ロンメル中佐は対抗する為に航空支援を要請したが、これもソ連から供与された⑧I-15戦闘機と※⑨I-16戦闘機に阻まれた。
それでも牽引式の戦車砲と高射砲、配備されたばかりの※⑩Ⅲ号戦車を中心に反撃し、半数の戦車を撃破したが、ソ連から供与された数機の※⑪SB爆撃機からの爆撃も受けて、日没を迎えた為に撤退を余儀なくされた。
夜になると、ムルシアを迂回してきた第二装甲師団と拠点防衛を除いた1個歩兵師団が合流した。少し遅れてCTVも合流し、作戦会議が開かれた。
先に守備隊と会敵したロンメル中佐の意見を元にカルタヘナ攻略作戦が立案された。
1936年11月5日
早朝、コンドル軍団とCTVによる2時間にも及ぶ苛烈な砲爆撃から戦闘が始まった。
コンドル軍団とCTVは、まず最初にカルタヘナ近郊の空軍基地を爆撃・機銃掃射で待機していた多数の戦闘機と爆撃機を地上撃破した。
昨日とは違い、制空権を確保すると地上からもカルタヘナへ攻撃を開始した。
カルタヘナに籠城する人民戦線政府軍は徹底抗戦の構えを見せたが、その大半は民兵であり、練度も低かったが、カルタヘナにいる民兵はソ連から有償で購入した小銃を他の地域にいる民兵よりも多く装備していた。
その為、家等に立て籠もり長期戦に持ち込もうとしたが、CTVは第二次エチオピア戦争の教訓から、都市攻略に際し、短機関銃やショットガンといった接近戦を考慮した部隊を独自に編成していた為、スムーズに民兵が立て篭もる家等を攻略していった。
そして、ソ連製戦車との戦闘では独伊両軍の新型戦車が活躍して多数を撃破又は鹵獲した。ただ、大半のソ連製戦車を撃破したのはとある牛乳好きな急降下爆撃機乗りだったりするのだが、それはまた別の話にしよう。
攻略戦が始まって半日程過ぎると、突如海の方角から巨砲による連続した爆音がカルタヘナ全体に響き渡った。遂に西独伊連合艦隊とスペイン共和国海軍の艦隊決戦が始まったのだ。
ことの顛末としては、制空権を確保した独伊両軍はカルタヘナの海軍基地にも攻撃を加えた。その攻撃で砲艦1隻、魚雷艇6隻、貨物船1隻を撃沈し、大型艦にも多少損傷を与えた。爆撃から逃れる為にスペイン共和国海軍は港から脱出を図ったのだが、待ち伏せしていた西独伊連合艦隊が逃げる共和国海軍に対して攻撃を開始したのだ。
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イタリア王国軍記〜美少女ムッソリーニに転生したのでイタリアを改革しイタリア軍にやる気を出させイタリアを勝利に導く〜を
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補足説明(ウィキペディア等を参考)
①ネーベルヴェルファー
ヴェルサイユ条約下で兵器の保有が制限されたため、煙幕発射器の偽装名でロケット兵器が開発され、その後も秘密保持のためこの名称が使用されつづけた。本来は毒ガス戦用のガス弾投擲機を指し、ロケット発射機も元々はこの目的に対して開発されている。スペックは型が多いので15cm41型を下記に記載。
15cm ネーベルヴェルファー41型
砲身内径:158.5mm
砲身長:1,300mm
全長:3,600mm
重量:590kg(未装填状態)
使用砲弾諸元
15cm ロケット榴弾41型
直径:158mm
全長:979mm
重量:31.8kg(内、ロケット燃料6.35kg/高性能炸薬2.5kg)
最大射程:6,900m(7,066mとする資料もある)
②15cm sFH 18
戦間期のドイツが開発した重榴弾砲である。
1934年に生産が開始されて1945年までに5,403門が完成している。
口径 149.1mm
砲身長 4,400mm
戦闘重量 5,512kg
仰俯角 -3〜+45°
方向射界 60°
最大射程 13,325m
発射速度 4発/分
運用要員 12名
初速(榴弾) 495-520m/s
③Ju87 シュトゥーカ
ドイツのユンカース社が開発し、第二次世界大戦中にドイツ空軍などで運用された急降下爆撃機。愛称の「シュトゥーカ」は本来、本機種の固有の愛称ではなく、“急降下爆撃機”を意味するドイツ語「
史実では1937年に生産が開始されたが、この世界線では1936年から生産が開始されている。なので史実とは違いスペイン内戦に最初から実戦投入された。
Ju87 A-1(武装は除く)
全幅:13.82m
全長:10.80m
全高:3.84m
翼面積:31.90m2
全装備重量:3,350kg
自量:2,273kg
最大速度:310km/h
実用上昇限度:7,000m
航続距離:1,000km
④T-26軽戦車
ソ連赤軍で運用された軽戦車。ソ連赤軍初めての量産型軽戦車T-18の後継としてイギリスのヴィッカース6t戦車に改良を加えて採用された戦車。
T-26 1933年型
全長 4.65m
全幅 2.44m
全高 2.24m
重量 9.4t
懸架方式 リーフスプリング方式
速度 28km/h
行動距離 175km
主砲 45mm戦車砲M1932
副武装 7.62mm機関銃DT×1もしくは2
装甲
砲塔防盾 25mm
全周 15mm
車体前面 15mm
車体側面 15mm
エンジン GAZ T-26 空冷水平直列4気筒ガソリンエンジン 90馬力/66kW
乗員 3名
⑤BT-5快速戦車
ソ連で開発されたクリスティー式快速戦車。
BT-2を各方面から強化・改良したもので長距離侵攻を目的として開発された。主武装である45mm砲は、M1930(1K)対戦車砲を戦車砲向けに改修したB-3(5K)の口径拡大型になっている。これは単純にスケールアップされたものであるが、肩付けによる人力旋回だったものが砲塔が大型化したこともあり、旋回ハンドルを使うように変更されている。
BT-5
全長 5.50m
車体長 5.50m
全幅 2.23m
全高 2.20m
重量 11.5t
懸架方式 クリスティー方式
速度 装軌52km/h
装輪72km/h
行動距離 装軌120-150km
装輪200-250km
主砲 45mm戦車砲20K(砲弾115発)
副武装 7.62mm機関銃DT(弾薬2,709発)
装甲 主砲防盾 20mm
砲塔 全周 13mm 上面10mm
車体 前面 13mm 前端40mm
側面 13+4mm 後面 10-13mm
上面 10-13mm 底面 6mm
エンジン M-5 4ストロークV型12気筒水冷ガソリン 400HP
乗員 3名
⑥Ⅰ号戦車
ドイツで訓練および生産技術の習得のための軽量・簡易な豆戦車として開発された。一応重量的に、本車は軽戦車に分類できる。
この世界では
I号戦車B型
全長 4,42 m
全幅 2.06 m
全高 1.72 m
重量 6,0 t
懸架方式 リーフスプリング方式
速度 40 km/h
行動距離 140 km
主砲 7.92 mm MG13k 機関銃×2(通常弾1,525 発+SmK弾625 発+即応弾100 発)
装甲 13 mm
エンジン マイバッハ NL 38 TR
直列6気筒水冷
乗員 2 名
⑦Ⅱ号戦車
ナチス・ドイツで作られた10t級の軽戦車。
元々は、I号戦車ではできない砲を扱うための訓練および戦車生産技術の習得用に開発されたものだったが、主力戦車であるIII号、IV号の数が揃わずしばらくの間繋ぎとして、ある程度の実戦能力を付与されたものである。史実では試作型は1935年に完成、1936年から試作型を追加で数十輌程作った。
この世界では1935年にI号戦車の生産から試作型のII号戦車に移行した為それなりの数をスペイン内戦に送ることが出来た。だが初期生産型のa/1や現在製造しているB型まで複数の種類を送ってしまった為、現場の整備が大変な事になってしまっている。
II号戦車A型
全長 4.81 m
全幅 2.22 m
全高 1.99 m
重量 8.9 t
懸架方式 リーフスプリング方式
速度 40 km/h
行動距離 200 km
主砲 55口径20 mm機関砲(2 cm KwK 30 L/55)
副武装 7.92 mm機関銃 MG34
装甲 13mm
エンジン マイバッハ HL62TR
直列6気筒液冷ガソリン
140 馬力
乗員 3 名(車長兼砲手、操縦手、無線手兼装填手)
⑧I-15戦闘機
ソ連のポリカールポフ設計局が開発した単発複葉戦闘機。第二次世界大戦の初期にも使用されている。最高速度はやや低かったが旋回性能は第一級であった。
I-15
全幅 9.13m
全長 6.29m
全高 2.92m
翼面積 12.9m2
翼面荷重 110kg/m2
自重 1,012kg
正規全備重量 1,422kg
発動機 M-25(2,300mで700馬力)1基
最高速度 360km/h(3,000m)
実用上昇限度 7,250m
航続距離 720km
武装 ShKAS 7.62mm機銃2挺又は4挺
爆装 爆弾50kg 2発
又は RS-82ロケット弾 6発
⑨I-16戦闘機
ソ連のポリカルポフ設計局が開発した単葉戦闘機。世界初の実用的な引込式主脚を備えた戦闘機。しかしスペイン内戦ではイタリアのCR.32相手にI-16では旋回性能が劣ったため、緒戦では劣勢に立たされている。
I-16
全長 6.13 m
全高 3.25 m
翼幅 9 m
翼面積 14.5 m2
空虚重量 1,382.5 kg
運用時重量 1,882 kg
動力 シュベツォフ M-63スーパーチャージャー付き空冷星形エンジン (1,100 hp)× 1
最大速度 462 km/h (高度4,700 m)
航続距離 440 km
実用上昇限度 9,700 m
上昇率 高度5000mまで5.2分
離陸滑走距離 260 m
着陸滑走距離 300 m
翼面荷重 129 kg/m2
武装 7.62 mm ShKAS機関銃 4丁
⑩Ⅲ号戦車
ドイツ国防軍が来るべき戦車戦術に合致する主力戦車を目指し開発した20トン級中戦車である。運用構想としては、新機軸を採用して設計されたIII号が主力を務め、既に確立された技術のみで手堅く設計されたIV号戦車がIII号などの主力の支援を務めるという計画であった。
この世界ではⅡ号戦車の後継として開発され1936年5月に試作型が完成し1936年7月に追加生産されその内の数十輌がスペイン内戦に送られた。
III号戦車A型
全長 6.41 m
車体長 5.56 m
全幅 2.95 m
全高 2.51 m
重量 22.7 t
懸架方式 トーションバー方式(D/Bではリーフスプリング)
速度 40 km/h(整地)
19 km/h(不整地)
行動距離 155 km
主砲 46.5口径3.7 cm KwK 36(120発)
副武装 7.92mm機関銃MG34 ×2
(3,750~4,400発)
装甲
砲塔 前面57 mm
側・後面30 mm
車体 前面50+20 mm
側面30 mm
後面50 mm
エンジン マイバッハ
HL108TR(初期型)
4ストロークV型12気筒ガソリン
初期型 250 馬力
乗員 5 名
⑪SB爆撃機
ソ連の双発単葉3人乗りの高速爆撃機。機体の設計は非常に先進的であったが、多くの初期不良が存在し、搭乗員や整備員らをひどく悩ませた。設計局は「それらは些細なものだ」と言ったがヨシフ・スターリンはそれに対して「軍用機に些細なことは存在しない」と批判している。スペイン内戦ではその速度性能でほとんどの敵側戦闘機を引き離すという良好な成績を示している。1941年6月までに、赤色空軍の爆撃機の94%がSBになっていたりする。
SB
乗員 3名
全長 12.57 m
全高 3.60 m
翼幅 20.33 m
翼面積 56.7 m2
空虚重量 4,768 kg
運用時重量 6,308 kg
最大離陸重量7,880 kg
動力 クリーモフM-103 液冷V12型エンジン960 hp× 2
最大速度 450km/h
航続距離 2,300 km
実用上昇限度9,300 m
武装
固定武装 7.62 mm ShKAS機関銃 × 4
250kg爆弾 × 2。
100kg爆弾 × 6
50kg爆弾 × 6
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