第49話 進軍前夜
-スペイン: グアティクス CTV駐屯地-
1936年10月2日
カルタヘナへの進軍準備を終えた後、士気を上げるためかイタリア料理が食卓に並べられイタリア兵達が料理を頬張っている。
そんな兵士達とは違い総司令部では将校が集まり、数時間にも及ぶ会議が開かれていた。
「我々が進軍する予定になっているルートの偵察はどうなっている?」
ロアッタ将軍のその言葉にCTV副司令官のベルティ中将が答えた。
「はい、我が軍のヘリによる偵察ですが、北側の※①バサ方面に約3000前後の部隊が展開している様なのです。別れ道の北側に1000ほど、南側に2000程ほどが展開している様です。攻めるとしたら北側ですね。逆に南側はカルタヘナまで一本道となっていて防衛線が築かれており、部隊も多数展開しています。更に進軍途中に森林地帯を通らなければならない為、奇襲される可能性があります。それにどちらから進軍しても距離的には変わりませんので、一旦バサ方面に進軍することを具申します」
「わかった。我々はバサ方面に進軍するとしよう。だいたい何日程でカルタヘナに到着出来るか?」
それにメッセ少将が答える。
「はい、エチオピアとは違いカルタヘナまで道路が敷設されているので、全速力で進軍すれば敵軍の抵抗等も含めて3〜4日程あればカルタヘナに到着できるかと思います」
「わかった。機甲師団はひたすら前進せよ、取り残した敵部隊は後続に任せろ。空軍はコンドル軍団からの意見を参考に航空支援を絶やすな、先の大戦の様に一ヶ月分の武器・弾薬をこの作戦で使っても構わない。何としてもカルタヘナを5日以内に攻略する。敵は待ってくれないからな。これを逃せば長期戦になり、犠牲が増えるだけだ」
「「「「「「はっ!」」」」」」
「それから、
そう頼まれたイアキーノ提督は自信満々に答えた。
「わかりました。
「頼もしいな...諸君、今作戦はどれだけこの戦争を早く終わらせられるかどうかがかかっている。
「「「「「「わかりました」」」」」」
「まぁ、その前に飯だな!」
「ええ、それは勿論!」
「どれほど、この時間を待っていたことか!」
「早く用意しましょう!」
「二日酔いにならない程度にワインを持って来ました!」
「気が効くな!助かる!」
「今日はいっぱい食べるぞー!」
「「「「「「「おぉーー!」」」」」」」
-スペイン:アルバンテ コンドル軍団駐屯地-
1936年10月2日
駐屯地周辺には第二装甲師団の車両が数百輌並べられていた。多数の整備兵が車両を点検し、装備のメンテナンスをしている。そんな場所にグデーリアン将軍とロンメル中佐がいた。
「明日の作戦に関してなのだが、カルタヘナまでの道にムルシア州の州都※②ムルシアがある。これまでの偵察から、かなりの数の正規軍が駐屯していることがわかっている。郊外を迂回するまでに反撃を受ける可能性がかなり高いが大丈夫か?」
「大丈夫です。我等の機動力で敵の拠点を通り過ぎれば問題ないですよ」
「そうか、だが※③アンダルシア州東部とムルシア州だけで民兵を含めると人民戦線政府軍は30万を数えるというから、気をつけろよ」
「わかりました」
「まあ小銃を持っているのは正規軍と民兵の一部である4万程度しかいないけどな、そこまで気にする必要はない」
「はい、ですが気をつけるに越したことはありません。ところで、グデーリアン閣下、一つ質問よろしいでしょうか?」
「大丈夫だ」
「はい、カルタヘナ攻略時に州都ムルシアから正規軍とカルタヘナの守備隊の挟撃を受ける可能性がありますが、どういう対策をされていますか?」
「あぁ、それに関しては砲兵と空軍がなんとかするらしい。なんでも正規軍は兎も角、民兵が多い人民戦線政府軍には効果抜群な方法を使って攻撃するらしい。カルタヘナを攻略したら、そのまま州都ムルシアを攻略すれば良いと※④シュペルレ司令官から言われている。だからカルタヘナ攻略のみに集中しろ」
「わかりました」
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イタリア王国軍記〜美少女ムッソリーニに転生したのでイタリアを改革しイタリア軍にやる気を出させイタリアを勝利に導く〜を
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補足説明(ウィキペディア等を参考)
①バサ
スペイン・アンダルシア州グラナダ県の
②ムルシア
スペイン・ムルシア州のムニシピオ《基礎自治体》。ムルシア州の州都。セグラ川に面する都市でスペイン第7位の人口が暮らしている。サント・ドミンゴ広場やカテドラル等の歴史ある名所がある。
③アンダルシア州
スペインを構成する自治州の一つでスペイン南部に位置している。州都はセビリア。16世紀から17世紀にかけて、セビリアは新大陸にあるスペインの植民地への出発地となったため、現在中南米で話されているスペイン語にはアンダルシアの方言と共通の特徴が多くみられる。
④ フーゴ・シュペルレ
ドイツの陸軍から空軍に移籍。最終階級は空軍元帥。1936年7月スペイン内戦が勃発すると、フランシスコ・フランコ将軍率いる国民戦線軍を支援するため組織された、コンドル軍団の初代司令官としてスペイン内戦に従軍した。史実でコンドル軍団の初代司令官に着任時の階級は少将だったが、グデーリアン将軍が中将の為、指揮上の観点から司令官着任と同時に中将に昇進した。
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