第31話 第二次エチオピア戦争終結

-イタリア:ローマ ヴェネツィア宮殿 世界地図の間-

1936年5月6日


 第二次エチオピア戦争が終結してから数日が経ち、エチオピア帝国がイタリア領エリトリア・ソマリランドと合併し、イタリア領東アフリカ帝国に統一された。そのことで、イタリア国王であるヴィットーリオ・エマヌエーレ3世がエチオピア帝位を継承することが確認され、半年後に戴冠式を行う日程が調整された。因みにエチオピア皇室は王室に格下げとなりながらも、エチオピア王室として存続が認められ、イタリア領東アフリカ帝国構成国のエチオピア王国の王室として傀儡ながらもエチオピアに留まることが認められた。


 と言うことが、ここ最近の出来事で戦争が終わった後も戦後処理で忙しいんだよね。1ヶ月後に戻ってくる遠征軍による凱旋準備もしないといけないし


 と考えごとをしているとアンナが声をかけてきた。


「ドゥーチェ、少しよろしいでしょうか?」


「何かな」


「実は先程、大臣方がドゥーチェに面会許可を求めていまして」


「大臣達が?わかった。通して」


「わかりました」


 アンナが大臣達を呼びに行き、扉を開けると大臣達が部屋の中に入って来てと開口一番


「ドゥーチェ!本当にこれを実施するのですか!?」

 と言ってきた。


 そう言ってくる大臣達は、今朝に配られた資料の条項を指差して私に訪ねた。


○缶詰工場の増加促進

○重工業の促進。

○造船業の促進。

○ジャガイモ普及の促進。

○泥濘地帯の灌漑工事、出来ない場合は泥濘地帯で育てられるレンコンの栽培する。

○イタリア全土にレーダー網を活用した要撃体制を構築する。

○トルコとの条約更新の条項にクロム鉱石の優先的輸入を追加する。

○新型主力戦闘機・迎撃戦闘機・艦載機の開発。

○スペインで数ヶ月以内に内戦が起こる可能性が有り、共産勢力撃滅の為に反乱勢力に備蓄をしながらも兵器・弾薬等の支援し、装甲戦力・航空戦力・巡洋艦と駆逐艦の艦隊の派遣させる。ソ連の支援があることが予想され、ソ連との戦車戦・航空戦を研究する。支援にはカルカノM1891等を送ることで兵器の更新を加速させ、軍需産業を促進させる。

○上記のことでスペインの治安が悪化する可能性が高いので、治安維持を目的にカラビニエリを派遣する。


「実施する予定だよ」


「しかしエチオピア帝国との戦争が終わったばかりであり、予算的に厳しい状況でもあります」


 と財務大臣が話す。


「2ヶ月もしたら、国際連盟は我が国への制裁を解除する。それにこのあとのスペインで起こる内戦で軍需特需が起こるから予算は確保できる」


 その言葉にイタリアに帰ってきたばっかりのチャーノ外務大臣が聞いてきた。


「ドゥーチェ、スペインで内戦が起こる事についてですが、何故内戦が起こると踏んでいるのか、理由を聞いてもよろしいでしょうか?」


「スペインでは2月に行われた選挙によって人民戦線が僅差で勝利して、人民戦線政府になったんだ。だけど、それを不服とする右派が左派と対立状態なんだけど、その影にドイツとソ連がいるのは間違いない。このままいけば両国の代理戦争が起こる。反乱軍が勝利すれば、我が国と同じファシズム政権になることは間違いない。我が国の影響力を作る為にも反乱軍を支援する」


「そうですか…」


「それにエチオピアとの戦争の間、兵器の生産を続けていた軍需産業が戦後に停滞するのは、バルボ国防大臣にとってもいいことではないでしょう?この内戦で先の世界大戦でのアメリカと日本の様に軍需特需となって、軍需産業が拡大して経済が発展するのは悪くはないと思うけど?」


 それに対してバルボ国防大臣が反論した。


「ドゥーチェ、確かに軍需特需が起こり経済が発展するのはわかりますし、制裁を受けた我が国にとって特需はいいことだと理解していますが、アメリカと日本が先の世界大戦が終結した後に軍需特需が終わり、経済が停滞しました。それと同じになるのが目に見えています」


 バルボ国防大臣に続いて商工大臣と財務大臣、労働大臣とモーリ内務大臣もそれに続く

「是非この内容を実現する為に大規模な予算案を認めてください」

「戦後ということもあり、特需はありがたいですが、スペインへの遠征費を何処から確保するおつもりですか?それとこれからは戦争から内政に切り替えるといったではないですか!」

「この内容を実現する人材を何処から取るのですか?」

「スペインでの内戦にカラビニエリを派遣するのは反対です!」



「皆の意見も良く分かるよ。確かにエチオピアとの戦争が終わったばっかりで内政に注力しないといけないのもわかってる。だけど最近のヨーロッパ情勢が怪しくなっているのは、皆も知っていると思う。これが暫くしたら大規模な戦争が起こる可能性が高い。それに我が国が巻き込まれる可能性もね。だから、私はこの内戦での特需を利用して富国強兵をしようと思ってる。その為に皆の力を貸してほしい」


 その言葉に大臣達が黙り込んだ。


 まず最初に口を開いたのはバルボ国防大臣だった。

「ドゥーチェがそこまで考えているのであれば、我々は否定しません」


 それにモーリ内務大臣も続く。

「ええ、ドゥーチェはローマ進軍の時から、イタリアを良い方向へ導いてくれました。その判断が何時もイタリアを良い方向へ導いてくれると我々も国民も知っております」


 最後にチャーノ外務大臣も続いた。

「まだまだ、この内容には改善が必要ですが、それは後で協議しましょう。全て実現出来る様に致しますので、我々にお任せください」


 その言葉にを聞いたあとに他の大臣達を見渡すとたくましい顔になっていた。


「ありがとう。あと数カ月と時間がないから、忙しいかもしれないけど、よろしくね」


「「「「「はい、ドゥーチェ!」」」」」


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イタリア王国軍記〜美少女ムッソリーニに転生したのでイタリアを改革しイタリア軍にやる気を出させイタリアを勝利に導く〜を

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来週に中間試験がある為、投稿が出来ません。ご理解のほどお願いします。その代わりに再来週は閑話と外伝ではありますが、週2で投稿致しますのでお願いします。


-追記-

6月11日 一部の内容を追加しました。

6月18日 誤字を修正しました。

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