閑話 アンナの困惑
テスト期間で投稿出来なかった。お詫びです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
-イタリア:ローマ ヴェネツィア宮殿 世界地図の間-
1935年10月3日 午後
ドゥーチェの仕事が終わった後にコーヒーを持って執務室に入った。
「ドゥーチェお疲れ様です。自宅までお送りします」
「ありがとう。あれ?さっきまで白シャツだったのに黒シャツに変えたの?」
「はい、ちょっとコーヒーをお茶をこぼしてしまいまして、着替えさせていただきました」
「そう…気をつけてね。火傷なんてしたら大変だから」
「お気遣いありがとうございます」
その後、私はドゥーチェをご自宅まで送り届けたあとに国防省に向かう途中で昔のことを思い出していました。
今から10年程前に黒シャツ隊で女性隊員の募集が始まったのです。最初こそ興味はなかったのですが、一度だけ募集要項を見て見たのですがそこには、世界恐慌下では考えられない程の高い給料が書かれていたのです。私は直ぐに応募しました。会場には数多くの女性が参加していましたが、体力試験が過酷すぎて多くの女性が不合格になりました。
私は昔から体力があった方なので合格をもらうことができましたがただ…その後にあった筆記試験のが大変でしたね...その後は面接を受けて合格を貰いました。黒シャツ隊に入ってからしばらくした後になぜか黒シャツ隊の指導者でありファシスト四天王の一人であるイタロ・バルボ総監から呼び出されたのです。今でもその時の会話を覚えています。
「失礼します。アンナ・クリスティアーニ※①選抜義勇兵です」
「入れ」
そして扉を開けイタロ総監に敬礼した後にイタロ総監はタバコを灰皿に置いたあとに敬礼を返した。
「よく来たな、わざわざ呼んだのは他でもない。成績優秀な君に頼みたい任務がある。期間は無期限だが受ければ5階級特進となる。受けるか?」
5階級特進って…そんな都合のいい話があるのでしょうか?でも給料は確実に上がりますね。
「あゝ言い忘れていたが、受けたら1年の研修を受けることになる。勿論、研修期間を終えれば2階級特進する。晴れて将校になることができるだろう」
「イタロ総監。任務の内容は聞くことは可能ですか?」
「現時点では教えられない。ただ、聡明で美しく、実技で1番の功績を誇る君にしか頼めない任務だ。君が任務を引き受けてくれたなら、ドゥ…いや、あの方も納得するであろうからな」
ドゥ…あの方ってまさか…ムッソリーニ統領!?
「まぁ、その反応を見る限り任務の内容がわかったみたいだな。改めて聞くが任務を受けるか?この任務を引き受けるならば、君の将来は約束されたものになるだろう。ただし、受けなければ君に昇進の機会はこの先も含めて絶対にないであろうな」
これは、やるしかないですね…
「バルボ総監。任務を受けます。是非やらせてください」
「あゝ頼むよ。女神の隣に立つ天使よ」
そんなことを思い出していたら、いつの間にか国防省についてしまいました。私は車の中で上着とネクタイを外して、上着に隠してある護身用のベレッタM1915をホルスターに入れて腰に掛けると車を出て国防省の中に入っていきました。そして、国防大臣室と書かれたドアを3回ノックしました。
「失礼します。アンナ・クリスティアーニ※②百人隊長です」
「入れ」
ドアを開け敬礼をしてバルボ国防大臣が敬礼を返した後に言った。
「ドゥーチェの近況報告並びに今後の指示を聞きに来ました」
「近況報告の方を聞こうか」
「はい、まずここ最近のドゥーチェは戦争関係の仕事とチャーノ外務大臣の仕事を兼任してやっていますね。あと、気分転換なのかはわかりませんが毎朝やる乗馬の時間を増やしましたね。あと1年以上愛人とあってません」
「そうか、その愛人達はどうした?」
「ドゥーチェが一年間連絡をとってないうちに全員ローマから遠くへ行ってもらいました」
「そうか、君はドゥーチェとの関係続いているのか?」
「他の愛人達と同様に一年間以上手を出されてませんね」
本当になんででしょうか?秘書としてドゥーチェに紹介されたその日に熱烈な愛の告白を受けて愛人になってからというもの一年間前から急に冷めたのかどうかはわかりませんが、これが自然消滅と言うのでしょうか?
「君もか、やはりドゥーチェが一年間前から変わったというのは本当みたいだな」
「そうですね。一年前に急に武器の更新をやるといったときから変わりましたね」
あの時は流石に驚きましたけど、
「その前にはリビア総督であった私にリビアの北部と西部で石油があるから探せなんて無茶振り受けたと思ったが、探検家の心が揺さぶられて探すだけ探してみたら、あったもんだから驚いたものだよ」
「あれでイタリアの燃料事情が変わりましたからね」
「そうだな、武器の更新といえば、この戦争で兵器実験をするらしいな、まぁドゥーチェが言った拳銃と試作中のライフルは多分無理だと思うが、軍内部でもそれだけは反応が悪い。わざわざ高威力にしなくてもいいのになぁ、軍はベレッタM1934を採用する方針に動いている。ブローニング・ハイパワーは最初に拳銃のみで戦う空挺師団のみが採用予定だ。選考中の新型のライフルもカルカノ弾を使うことを条件にしている。ドゥーチェにこのことを伝えてくれないか?」
「わかりました」
「その他はいつも通りにやってくれ、ただドゥーチェは戦争のことで忙しくなるだろうから、これまで以上に支えてやってくれ。以上だ」
「わかりました。失礼しました」
部屋から出たあとにアンナは呟いた。
「ドゥーチェに何があったんでしょうか...」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
イタリア王国軍記〜美少女ムッソリーニに転生したのでイタリアを改革しイタリア軍にやる気を出させイタリアを勝利に導く〜を
読んで下さりありがとうございます。
もし、面白いと思ったら★評価と♡応援とフォローお願いします。
また、誤字・脱字があるかもしれません。
もし、見つけましたら、気軽にご報告ください。
99フォロー及び6317PV、87★評価に3レビュー、267♡応援に24応援コメントありがとうございます。
補足説明(ウイキペディア参考)
①選抜義勇兵
黒シャツ隊の階級。軍で言うところの一等兵。
②百人隊長
黒シャツ隊の階級。軍で言うところの大尉。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます