第12話 日本のワシントン海軍軍縮条約破棄と大粛清
-イタリア:ローマ-
1934年12月30日:早朝
その日はクリスマスの25日から31日迄の長期休暇で自宅でラケーレ達と過ごしてた時に家のドアをノックされた。ドアを開けたらアンナが書類を持って立っていた。
「お休みの時にすいません。緊急の報告が有りまして」
「わかった。外じゃ寒いから、家に入って」
「ありがとうございます。失礼します」
アンナを家に入れた後、応接室で話し合いが始まった。
「それで報告って何?」
「3つ報告が上がっていまして、一つ目は日本がワシントン海軍軍縮条約の破棄を寄託者に通告したそうです」
「そう、なら破棄通告後2年は有効だから、※①
そこは史実通りに進んでいるし問題ないかなぁ。
「分かりました。2つ目がソ連の方なのですが、昨夜大勢の代議員と中央委員会の委員が
「始まったか…」
ソ連のスターリン時代を象徴する※②
「3つ目の報告は何?」
「3つ目の報告はリビアで石油の採掘が成功したそうです。現在、ドイツから派遣された技術者と労働者を総動員して、他の採掘場所と共に作業を加速させているそうです」
「そう、分かった。商工大臣と財務大臣には伝えてるの?」
「はい、商工大臣は直ぐに追加の予算と労働者派遣を財務大臣と労働大臣に交渉しに行ったそうです。財務大臣は国内のユダヤ人資産家達に資金援助を求めたとか」
「商工大臣達らしいね。年末なのにわざわざ報告しに来てくれてありがとね」
「いえいえ、秘書として当然ですよ」
そうして私はアンナを玄関迄送った時に今年最後の挨拶を交わした
「それでは、ドゥーチェ。
「アンナじゃあね。
-イタリア:ローマ ヴェネツィア宮殿 世界地図の間-
1月1日10時頃
新年が明けて首相官邸の会議室で大臣達が集まった。
「新年明けましておめでとう!」
「「「「「おめでとうございます!ドゥーチェ!」」」」」
おぉ元気いいな…
「さあ、新年明けて早速申し訳ないけど、商工大臣。リビアでの石油採掘は何処まで進んでいるの?」
「はい、順調に採掘が進んでいるようでして、今朝油槽船がリビアに到着したそうです」
「もう、油槽船1隻分も採掘できたの?」
「ええ、実は昨日にもう一つ油田を掘り当てて、それを合わせると小型油槽船1隻分に相当するので油槽船を送った次第です」
「採掘は順調に進んでいるみたいだね。他に報告はない?」
「ドゥーチェ、よろしいでしょうか?」
と海軍次官が手をあげる。
「何かな?」
「はい、四日前に日本がワシントン海軍軍縮条約の破棄を通告したことで、追加で予定されている
「そうだね。まぁ
まあ、インペロは資材不足等の原因で未完成だったからなぁ、戦艦よりも空母にした方が建造コストも安いし史実でも計画はあったらしいからね。
「空母ですか!?」
「まず、ワシントン海軍軍縮条約でそもそも我が国は空母建造枠を6万トンも割り当てられているのだから、各国は何も言えないし追加で3万トンの正規空母を作っても大丈夫だしね。勿論エチオピア帝国との戦争が終わってからだけど」
「ドゥーチェ、確かに空母の保有は可能でしょうが、その時にはバルボ空軍元帥が大臣に就任しています。バルボ空軍元帥は空軍大臣の時に空軍に最新機を優先配備して、海軍には旧式機しか配備させませんでした。バルボ空軍元帥が大臣になった時には空母の建造など認めないと思いますが?」
確かに史実でもバルボは空軍大臣時の発言力が強くて空母の建造を海軍が諦めたぐらいだからね。
「バルボには私が言っておくし、艦載機の開発を国内企業に頼んでおくから、その通りに計画を変更して置いて、あと2年が過ぎたら有効期限がきれて破棄されるから、制限が大幅に緩和する時に向けて新型艦の計画をしておいた方がいいと思うよ」
「わかりました。ドゥーチェ」
「あ、そうだチャーノ外務大臣」
「なんでしょうか?」
「ソ連で大量に代議員と中央委員会の委員が秘密警察に連行されたって聞いたけど、どうなったかわかった?」
「はい、代議員が1966人中1108人、中央委員会の委員が139人中110人が秘密警察に連行された事がわかりました。そして殆どの者が処刑されたとの事です」
「そんなに…」
思っていたより酷いね。ソ連には介入してないから史実通りだと思うけど、そんなに粛清されたんだ。
「それと今月の20日に英仏との不可侵条約が結ばれますが、ドイツで動きが活発化しています」
「ドイツの諜報員からの報告は?」
「それが、先月から親衛隊並びに突撃隊により多くの諜報員が捕まったそうです。しかし、残っている者の報告によりますと1月の下旬頃にヴェルサイユ条約を破棄をする事が決まっているそうです」
「なる程…」
ヒトラーが転生者だからやっぱり早まったかって、突撃隊…!?そう言えば、1934年に
「分かった。ドイツに対する諜報員の補充が必要だね」
その後も会議は続いたが12時頃に閉会した。
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イタリア王国軍記〜美少女ムッソリーニに転生したのでイタリアを改革しイタリア軍にやる気を出させイタリアを勝利に導く〜を
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※補足説明(ウイキペディア参考)
①ヴィットリオ・ヴェネト級
ヨーロッパではリットリオ級と言うが日本では本級で呼ばれている事が多い為、本作ではヴィットリオ・ヴェネト級で統一。イタリア初の超弩級戦艦で強力な15インチ(38.1cm)3連装砲を3基搭載し31ノットを超える高速戦艦。フランスのリシュリュー級やダンケルク級の対抗として開発され3番艦のインペロを除く3隻が就役した。ワシントン海軍軍縮条約の代艦建造規定で2隻(ヴィットリオ・ヴェネト、リットリオ)が増強分として2隻(インペロ、ローマ)として建造。当時のイタリアの技術を総動員して画期的なブリエーゼ水雷防御を採用し装甲も事実上の複合装甲と呼べる形式をとっている。
艦の性能
排水量 基準41,177トン 満載45,963トン
全長 224.5-237.8m
全幅 22.43m、32.9m
吃水 10.44m(常用荷重時)
機関 ヤーロー缶8基、4軸推進、140,000
最大出力 31.50ノット(58km/h)(公試時)
29ノット(54km/h)(常用荷重)
航続距離 3,920海里20ノット(37km/h)時
乗員 1,920名
兵装 50口径38.1cm三連装砲3基9門
55口径15.2cm三連装砲4基12門
50口径9cm単装砲12門→90mm高角砲に変更
54口径37mm連装機銃10基→40mm連装機関砲に変更
65口径20mm単装機銃20挺
装甲 70mm装甲の次に50mm木材、最後に280mm装甲の複合装甲
搭載機 3機
(高射砲・機関砲郡の見た目は大和)
②大粛清(1934年)
1934年の第17回党大会の1966人代議員中、1108人が逮捕され、大半が銃殺刑に処された。中央委員会の委員(候補も含む)139人中、110人が処刑されるか、自殺に追い込まれた。
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