閑話 イタリア王立陸軍兵器局、局長の困惑
前書き 今回は創作上の人物が登場します。
※イタリア王立陸軍兵器局局長名前が調べてもわからなかった為、それと今回の内容は主に5.7.8話の内容が含まれています。なお、今話に合わせる為に5話の内容を一部(アハトアハト)のところを変更します。
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-イタリア:ローマ
1934年8月10日
イタリア王立陸軍兵器局の局長ディエゴは困惑していた。
午前にドゥーチェと閣僚達が兵器の更新の会議を行ったが、その会議でドゥーチェが更新するとした兵器一覧の資料に目をやると余計に困惑していた。
そこへ彼の部下であるマルコが不審に思って聞いてきた。
「局長どうしたんですか?」
「あぁ、午前に武器の更新の会議があったのだが、その会議の中でドゥーチェが更新する兵器の資料を頂いたのだが、それに困惑しているのだよ」
「確かドゥーチェは
「あぁ…いや見てもらった方が早いか、これを見てくれ」
「拝見します」
その後、数分に渡ってマルコはじっくり読み手元にあった紙に何かをメモした後に答えた。
「局長いくつか質問良いですか?」
「良いぞ」
「兵器の更新で直ぐに購入できる兵器と設計からやらなければいけない兵器、現在の工業力では生産できなく、そして他国から輸入が出来ないであろう兵器を紙にまとめたのですが、発言もよろしいですか?」
「問題ないぞ、逆にまとめてくれて助かった」
「まず直ぐに購入出来る兵器としては、拳銃のブローニング・ハイパワーと軽機関銃のブルーノZB30、ボフォースの40mm機関砲と最後に軽戦車のL-60ですね」
「その程度であれば問題はなさそうだな。購買部に言っておこう」
「はい、そして設計から始めなければならない兵器と現在の工業力では生産が出来ず、輸入が出来ないであろう兵器があるので、まず設計から始めなければならない兵器を言いますと新型の小銃並びに手榴弾、短機関銃に装甲車と中戦車です」
「成程...それは各会社にドゥーチェの書かれた内容をなるべく叶えるように設計する事を言っておこう。最後の現在では生産や輸入が出来ない兵器であろう武器はなんだ?」
「はい、まず、
「重機関銃は新規開発か、他国から探すしかないか...高射砲に関しては、現在購入を検討しているボフォースの75mmで妥協するか...上陸用舟艇に関しては、今日の会議で
「えっ!統合するのですか!聞いてないのですが!?」
「午前に話し合われたばかりだからな、知らないのも仕方がない。それと今話し合った通りに進めてくれ」
「はい、分かりました」
-イタリア:ローマ
1934年8月17日
マルコはいつも王立陸軍兵器局で一番早くつくのだが、今日は局長が先に着いていたようだ。局長は机の上で頭を抱えながら、書類を見ていた。
「あれ?局長が先に居るなんて珍しいですね。また、頭を抱えて何かあったんですか?」
「ドゥーチェが昨日にドイツで会談を行ったのを知っているか?」
「それは知ってますよ。今日の新聞にドゥーチェとヒトラー総統が並んで握手している写真が一面で載っていましたからね。ドゥーチェもヒトラー総統も可愛かったな…それがどうかしたんですか?」
「あぁ、その会談でMG34と88mm高射砲がドイツより認可されたらしい」
「それはヴェルサイユ条約違反では?」
「いや、…既存の武器だから大丈夫らしい」
「そうなのですか…あ、そしたら大変じゃないですか!?」
「あゝ昨日にボフォース社から75mm高射砲を120門購入する売買契約を結んだばかりなのにどうしたら良いか…はぁ」
とディエゴ局長は深いため息が出る。
「そうですね…」
そうしてマルコは暫く考えた後に答えた。
「今現在、この75mm高射砲の活用手段としては3つありますが、発言しても良いですか?」
「いいぞ」
「1つ目はそのまま高射砲として、軍で使用する。2つ目はこの前のドゥーチェの武器の更新の一覧に書かれていた新型中戦車の主砲として採用する。3つ目は海軍に譲渡することですかね」
「中戦車は思いつかなかったなぁ、しかし75mm高射砲を主砲にするなんて、かなり大型化しそうだが、大丈夫か?」
「確かに重戦車クラスになるかも知れませんが、技術者や多くの重工業製品がドイツから来るそうですので、その技術者と共同で試作してみますか、勿論保険として何社か国内企業にさせてはみますが」
「それは良いな。しかしそれまでに数年はかかるだろう。ここは海軍に恩を売っておこうか...購入した75mm高射砲の内、半数の60門程を海軍に譲渡しよう。勿論その代わりに海軍には上陸用舟艇の開発を協力してもらうがな」
「なる程それは良いですね。早速海軍と交渉してきます」
「いや...私が交渉してこよう。これでも一応局長だからな」
「わかりました」
-イタリア:ローマ郊外 兵器試験場-
1934年9月15日
この日にムッソリーニがヒトラー総統から貰った四四式騎銃と八九式重擲弾筒の評価試験が行われていた。(+その他兵器の更新の際に購入された兵器とMG34と
「なんで、軍務大臣と戦争次官がいるんだよ…どうせなら、ドゥーチェが良かったのになぁ」
「それは仕方がありませんよ。ドゥーチェは忙しいのですから」
とマルコが局長を励ましていると、そこへ軍務大臣がやって来てディエゴ局長に声をかける。
「ディエゴ局長、試験評価はどうだ?」
「はい、どれも素晴らしい性能で、特に八九式重擲弾筒は歩兵でも携帯でき、火力も高く直ぐに採用してくれと立ち会っていた兵士から言われました」
「そうか、他の武器については何かあるか?」
「はい、評価にあたった兵士からによればMG34は連射性能並びに威力も申し分ないが砂塵に弱いところが、使い場所を選ぶかもしれないと報告してきました」
「なる程…ヨーロッパで使うなら問題なさそうだがアフリカでは難しそうだな」
「はい、ですのでドゥーチェの兵器更新の書類に書かれていた通り、車載銃としてアフリカで使用すれば良いのではないでしょうか?」
「そうだな、その様に
「ところであの騎兵は誰だ?随分と腕が良いようだが」
軍務大臣が見ていた方向を向くと、その騎兵は彼のよく知った者であった。
「あぁ※①ベットーニ少佐ですね。騎兵連隊の中でも、かなり馬術が上手く1929年の国際大会で優勝してます」
「なる程、彼が...今度ドゥーチェに合わせてみるか」
「あいつ後で覚悟しろよ…」
「ん?なんか言ったか?」
「いいえ、何でもありません」
「そうか…」
それを側で聞いていたマルコは
「局長何やってるんですか」
と呟いた。
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イタリア王国軍記〜美少女ムッソリーニに転生したのでイタリアを改革しイタリア軍にやる気を出させイタリアを勝利に導く〜を
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補足説明(ウイキペディア参考)
①ベットーニ少佐:本名アレッサンドロ・ベットーニ・カッツァーゴ。第二次世界大戦では1942年に大佐に昇進して第3竜騎兵連隊『サヴォイア』の指揮官となり欧州最後の騎兵突撃を成功させた。馬術選手としては国際大会で1929年と1940年に優勝しており、1948年のロンドンオリンピックにも出場している。イタリアで最も多くの馬術大会に出場した選手で1929〜1939年の間までに384の回の賞、253個のカップと62個のトロフィーを獲得している。
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