第5話 兵器の更新?統領は我が国の国力をご存知ないのですか?

 大臣達の日程を合わせ8月10日に議事堂で会議が行われた。

 軍務大臣や戦争陸軍次官・海軍大臣・空軍次官(大臣はムッソリーニが兼任している為)に財務大臣等、各省の大臣又は次官やオブザーバーとして、現役軍人のバドリオ元帥が会議に主席していた。

 

 開口一番に口を開いたのは軍務大臣だった。


「ドゥーチェ。今回はこのような会議を開いて下さり、ありがとうございます」


「どういたしまして、皆も知っている通り我が国はエチオピア帝国に対して戦争を行おうとしている。その為に兵器の更新をしようと思っているけど、どう思う?」


 軍務大臣が口を開く。

「良いと思います。そもそも陸軍の兵器・装備などが旧式化している物が多数あり、十分に兵器が装備されていない部隊もあるので、充分な兵器の支給と更新をお願いします」


 財務大臣がそれに反論するように口を開く。

「軍務大臣。確かに十分に装備されていない部隊への武器支給に関してはわかりますが、来年にエチオピア帝国との戦争を控える中で兵器と装備の更新をして、予算が増えそうでしたら、今ある兵器と装備を必要数生産して、兵器と装備の更新は戦争が終わってから、更新をすれば良いではないですか?」


 やはり、どの世界でも財務省経理担当金食い虫の関係は悪いようだ。


「財務大臣の言う事も一理有りますが、陸軍の主力小銃で有るカルカノM1891は列強の中で最も古く性能が低いです。またエチオピア帝国は、先の戦争でフランスから供与されたライフルを多数保有しています」


 財務大臣がオブザーバーとして来ているバドリオ元帥に聞く。

「バドリオ元帥。因みに聞きますが、エチオピアに投入する兵力はどれ程なのですか?」


「軍事機密なので詳しくは言えませんが、10万以上の兵力と言っておきましょう」


「聞きましたか軍務大臣?軍は先の戦争第1次エチオピア戦争の10倍以上の兵力で攻めるそうです。なら兵器の更新は、設計と試作のみにして、武器の更新は戦争後にしましょう」


「ぐぬぬ、因みにドゥーチェはどの武器を更新をするつもりなのですか?」


「急に話を振るわね…。アンナ、大臣達に資料を渡して」


「はい」

資料の内容(1934年までに完成しているものに限りデータ記載

ウィキペディア参考)


新型主力小銃 記憶で書いた大まかな図付き

※元は自動小銃ベレッタBM59


拳銃

ブローニング・ハイパワー

口径 9mm .40(10.16mm)

銃身長 118mm

ライフリング 6条

使用弾薬 9×19mmパラべラム弾.

     40S&W弾(ハイパワーmk.llのみ)

装弾数 13発(標準弾倉)

    20発(延長弾倉)

作動方式 シングルアクション

     ティルトバレル式ショートリコイル

全長 200mm

重量 810g(銃本体)

   986g(弾丸装填時)

銃口初速 360m/s

有効射程 50m

※1934年に誕生した傑作自動拳銃。第二次世界大戦で枢軸国と連合国双方で使用された。



手榴弾

卵型の新しい手榴弾勝手に起爆しない手榴弾を新規開発。



短機関銃 記憶で書いた大まかな図付き

※元はMP38/40(プレス加工で低価格で生産性に向いている)

(MP40)(ドイツに依頼する)

口径 9mm

使用弾薬 9×19mmパラべラム弾


軽機関銃

現在陸軍が実戦配備しているブレダM1930構造が複雑で故障が多発する機関銃を散々に酷評した上で、

チェコスロバキア製のブルーノZB30(ブルーノZB26の海外輸出向けの派生型銃身を短縮化しガスパイプを備えた)軽機関銃に変更すると記載されていた。

ブルーノ26

口径 7.92mm

銃身長 503mm(ブルーノZB30では短縮化)

使用弾薬 7.92×57mmモーゼル弾

装弾数 20/30箱箱型弾倉

作動方式 ガス圧作動方式、ティルトボルト式 

全長 1130mm

重量 9.6kg

発射速度 550発/分

銃口初速 744m/s

有効射程 1,000m



重機関銃(汎用機関銃)

MG34(ただし、ゴミや砂等に弱いところや生産性が悪いので史実のMG42の様な銃に新規開発する)

口径 7.92mm

銃身長 627mm

使用弾薬 7.92×57mmモーゼル弾

装弾数 ドラム給弾(50発、75発)

    メタルリンクベルト給弾式

作動方式 ショートリコイル回転ボルト式

全長 1,219mm

重量 12,100g

発射速度 800-900発/分

銃口初速 755m/秒




装甲車 記憶で書いた大まかな図付き

史実で1941年にイタリアが完成させた傑作装甲車のAB 40/41

主武装  20mm機関砲×1

副武装 MG34(史実ではブレダM34車載機関銃)

速力  70km以上

行動距離  400km



軽戦車(Leggero)

1934年に誕生したスウェーデン製のL-60(できた当初は20mm機関砲を搭載していたが威力不足が指摘されボフォース社製の37mm戦車砲に変更になった)の輸出版。

重量 3.4m

全長 4.8m

全高 2.075m

乗員 3人

装甲 5-15mm

主武装  マドセン20mm機関砲→ボフォース37mm戦車砲

副武装  7.92mmマドセン機関銃(MG34に変更の可能性有り)

エンジン Bussing-MAG V8

懸架・駆動 トーションバーサスペンション

速度   45km

行軍距離 270km


中戦車(Medio)

史実のP26/40重戦車(ただし、この作品では中戦車として登場するので頭文字がMとなる)

主武装  75mm戦車砲(長身砲)

副武装  MG34(史実ではブレダM38車載機関銃)

正面装甲 50mm(傾斜装甲)

速力   整地上40km 不整地25km

行動距離 280km


重戦車(Pesant)(尚資料には書いてない今後登場する)

90mm高射砲を主砲にするティーガーのような戦車


対空機銃

ボフォース社製の40mm機関砲

重量・L/60:1,981km

要員 用途によって異なる

砲弾・L/60 40×311mmR

口径 40mmL/60−70

仰角・60:-5°/+90°

旋回角 360°完全

・ L/60:50°/s

発射速度

・ L/60:毎分120発

初速

・L/60:881m/s

最大射程

・L/60:7,160m


高射砲

アハト・アハト 

1935年のドイツの再軍備の時までヴェルサイユ条約で禁止された新規開発された兵器で第一次世界大戦の時に生産されていた欺瞞兵器。88mm高射砲。これを元に90mm高射砲を新規開発。


上陸用舟艇

新型を開発


 資料を一通り読んだ軍務大臣達に質問攻めにあった。


「ドゥーチェ。主力ライフルと機関銃については、まだわかるのですが、何故、拳銃まで更新をするのですか?今年度末には新型のベレッタM1934が配備する予定なのですが?」


「このブローニング・ハイパワーは他の自動拳銃よりも弾薬が多く搭載できて高火力。今年から量産が開始するらしいし、ベレッタM1934と試射して比べてみたら?」


 そしたら、今度は資料を読み終えたバドリオ元帥が聞いて来る。

「ドゥーチェ!これの何処が、中戦車ですか!重戦車じゃないですか!」


「フランスが75mm戦車砲と47mm戦車砲を搭載した重戦車ルノーB1重戦車を5月に正式採用したそうよ」



「確かに75mm砲は強力です!しかし、それと同等の戦車を作る技術は、我が国にはありません!」


「ドイツと交渉して、工業製品と精密機械を購入する時に技術者も招けばいいじゃない?工場を新しく作って失業者に仕事を与える事もできるし、何よりドイツが秘密裏に75mm砲を搭載した新型中戦車IV号戦車を研究してるらしいし、出来なかったら、ドイツが完成した時にライセンス生産すればいいんだけだし」


「それはヴェルサイユ条約違反じゃないですか!」


 内務次官が口を開く。

「まぁ、ドイツは我が国と似たような政治体制ですし、ライセンス生産は容易でしょう。まぁ、それを生産する重工場が、我が国には少ないですがね」


 外務次官が言う。

「成る程、これを実現するには、私はまた苦労しそうですね」


 商工大臣が口を開く。

「しかし、エチオピア帝国と戦争する事で経済制裁を受ける事を踏まえると、これらを生産する為の資源が足りなくなる恐れが有りますが?」


 それを聞いて私が答える。

「リビアから原油が出るらしいから、ドイツを巻きこめば多少の鉄鋼資源と技術供与は手に入るかもね」


 大臣・次官達

「「「「「なんですと…!?」」」」」


 商工大臣が真っ先に私に聞いて来る。

「何故そのことをもっと早く行ってくださらないのですか!ドゥーチェ、直ぐに調査団をリビアに派遣しましょう!」


 海軍次官がそれに続く

「そうですよ!海軍の戦略が変わる程の情報ですよ!」


 財務大臣が言う。

「それが分かれば、早く油田を掘り当てましょう!予算を出しますよ」


 しかし、それを聞いた労働大臣が頭を抱えていた。

「労働者をどうやって確保するか…」


「まぁ、場所はわかるからね(未来知識だけど)」


「「「「「そこまで分かっているのですか!」」」」」


「おい!イタロ総督は何処だ!そんな報告は聞いてないぞ!」

 と商工大臣がリビア総督の名前を叫ぶ。


「まぁまぁ、イタロ総督には調査させているんだから、許してやりなよ。資金の方はユダヤ人資産家を巻きこめば大丈夫だと思うよ。人についても交渉次第だけど、ドイツからユダヤ人達を大量に雇えるかもしれないね」


不思議そうに商工大臣が言う。

「雇うですか?」


「上手く行けばね。それと私も忙しくなってきたから、いくつかの大臣職を手放そうと思うのだけどみんなはどう思う?」


 疑問に思った軍務大臣が私に聞いて来る。

「ドゥーチェが兼任している大臣っていくつありましたっけ?」


 それを聞かれて、秘書のアンナが答える

「現在ドゥーチェが兼任している大臣職は総理・内務・外務・戦争・海軍・空軍・共同体・植民地大臣の8つです」


 それを聞いた大臣達が、

「そんなに兼任していたのですか…!」

「誰だ!レディに大量の大臣職を押し付けたのは!」

「是非、大臣には私を!」

とか言っていたけど、

法務大臣が

「よく1人で兼任出来てますね。それなら、いくつかの大臣職を手放しても、大丈夫だと思います」

といった後、様々な発言があったが全員賛成のようだ。


                         会議は続く

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イタリア王国軍記〜美少女ムッソリーニに転生したのでイタリアを改革しイタリア軍にやる気をださせイタリアを勝利に導く〜を

読んで下さりありがとうございます。

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また、誤字・脱字があるかもしれません。

もし、見つけましたら、気軽にご報告ください。

4フォロー及び136PVありがとうございます。


また、前回から2週間あけてしまって、すいません。

作者が調べて投稿していくので

気長に待ってくれるとありがたいです。


イタリア戦車の車両分別名称について説明します。

軽戦車は(Leggero)の頭文字のL

中戦車は(Medio)の頭文字のM

重戦車は(Pesant)の頭文字のP

例としてP26/40重戦車は前の26が重さ(t)。後ろの40が年式です。

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