第2話 暗殺阻止
朝食を食べていた時、アンナに色々質問をしてみて、此処が首相官邸だとわかった。朝食を食べ終わって、首相官邸から出た時、官邸前にFIAT社製の車がとめられていた。隣にいたアンナが、改めて今日の予定を話す。
「ドゥーチェ。今日は、国会議事堂で会議があるので車に乗ってください」
「わかった」
車に乗って走行中に私は運転席に座るアンナに話しかけた。
「※①ドルフース夫人は、もう来てる?」
「はい、既にオーストリア大使館に到着しているそうです。明日には※②リッチョーネに出発するかと」
「今日中に会談の場をもうけて」
「わかりました」
車が国会議事堂前に止まり、アンナに促されながら足を運んだ。その後、私は国家議事堂で大臣達と会議を行った。誰もわからなかったので、アンナが教えてくれた。この様な会議は初めてだったので、暫く固まってしまった。そのせいで会議が終わったあと大臣達に凄い心配された。
その後、立て続けに会議や首相室で、なれない手付きで自国・各国の報告書を読み漁りサイン等を続けていたら、いつの間にか21時を過ぎていた頃、今朝の様なドアをノックする音が首相室に響いた。
「入っていいよ」
「ドゥーチェ、お疲れ様です。この後は、今朝言っていたオーストリア大使館でドルフース夫人と会談で今日の予定は、終わりです」
「ようやくか…はぁ」
私は、ようやく本題に入れると思いながらも疲れが溜まっていたのか、深いため息が出た。
そうして、準備をした後、統領官邸前にとめてある車に乗り、オーストリア大使館に向かった。20分程車に乗ったあと、オーストリア大使館に到着した時にドルフース夫人とオーストリア大使夫妻が出迎えてくれた。
「ドルフース夫人と大使夫妻も夜遅くにすいませんね」
と自然と出たドイツ語に驚きつつも。そう言えば、ムッソリーニって、英語・フランス語・イタリア語・ドイツ語が話せていたなぁ、と思いつつ会話を続けた。
「いえいえ、私達の仲ではありませんか。それに私達は、明日にリッチョーネに向けて出発して居ませんから、大丈夫ですよ。それと子供もムッソリーニお姉さんが来るって待っていたのですが、もう寝てしまって」
「いえいえ、もう22時を過ぎているので、仕方がありませんよ」
「そう言ってくれると有り難いです。さあさあ、夜遅くに外で話すのもなんですし、応接室に行きましょう」
そうして、私達は応接室に入り、イスに座った。
「こんな遅くに会談の場を設けるという事は、何かあったのですか?」
とドルフース夫人が言ってきた。
「ええ、直ぐにドルフース首相に報告する事があって、会談の場を設けさせていただだきました」
「なんでしょう?」
未来の事をそのまま言っても、信じて貰えないだろうし、諜報員からの報告としておこう。
「実は、我が国の諜報員からの報告で、5日後の7月25日にオーストリア兵に変装した。オーストリア・ナチスの党員10人が、首相官邸に押し入り、ドルフース首相の暗殺を計画しているようです」
「なんですって…!」
暗殺計画を報告した時にドルフース夫人は驚き。隣の席に座っていたオーストリア大使は冷や汗をかいていた。
「はい、ですのでドルフース夫人が大使館に滞在している内に知らせようと思いまして」
「ありがとうございます。夫に知らせようと思います。大使は、夫に電報で伝えて下さい」
「わかりました」
大使が応接室から出ていく。
「夫の危機を伝えて下さりありがとうございます」
「いえいえ、友人として当然のことですよ」
そもそもこの世界で私に親しい人がわからないから、出来るだけ仲が良い人は、生きていてもらわないと困る。その後は、雑談をしたあと、大使館を後にして、車で首相官邸に戻り。首相官邸の私室に戻って、ベッドに仰向けに寝転がり、懸念を口にする。
「出来る事はやった。後は結果を待つだけだけど、この報告がこの後の歴史が変わってしまうんだね…」
歴史はほんの一つが変わってしまうと、その後が全く変わってしまうで、歴史が変わりすぎないようにしないと、この先がわからなくなる。歴史にifはないって言うけど、この世界でムッソリーニが女として生きているから、他にも変わっていないか確認しなければ…そう考えている内にいつの間にか寝てしまった。
それから5日後にオーストリア兵に変装した。オーストリア・ナチスの党員10人が首相官邸に押し入ったが、私の報告で首相官邸の増強された護衛兵との銃撃戦で全滅したらしい。その後、拘束された党員を尋問したのちに、オーストリアはドイツに強い抗議を行い。イタリアもドイツを非難し、オーストリアの独立を保証する宣言をしたことで、オーストリア国内では次々とオーストリア・ナチスの党員が摘発・逮捕されてオーストリア・ナチスは壊滅した。
報告を受けたヒトラーが激怒して、オーストリア・ナチスの活動を党員増強までの間、無期限停止にしたという報告をリッチョーネの別荘で、ドルフース夫人と談笑中にアンナから伝えられた。歴史を変えてしまったと思いつつ、これから、ドルフース首相が来るということで、私は準備に追われるのだった。
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イタリア王国軍記〜美少女ムッソリーニに転生したのでイタリアを改革しイタリア軍にやる気をださせイタリアを勝利に導く〜を
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また、今回の様に週に1回投稿出来れば良いですが、作者が調べながら投稿していくので、変わらず不定期とさせて頂きます。
なお、※←これにつきましては、補足説明として下の様に致します。
※①ドルフース夫人:その名の通りオーストリア第一共和国首相のエンゲルベルト・ドルフースの妻です。
※②リッチョーネ:イタリアのエミリア=ロマーニャ州リエニ県にある
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