イタリア王国軍記〜美少女ムッソリーニに転生したのでイタリアを改革しイタリア軍にやる気をださせイタリアを勝利に導く〜

鹿島 皐月(旧hekagenomomiz

第1話 プロローグ

 1929年に出来たばかりのバチカン市国にあるサン・ピエトロ大聖堂に世界各地から大勢の人々が詰めかけていた。外を見るとこの歴史的瞬間を目の当たりにしようと大勢の観客と対峙する様にハルバードを持ったスイス人傭兵が隊列を組んでいる。


「ドゥーチェ。そろそろお時間です」


 呼びかけられ後ろを向くと正装を着たバドリオ参謀長と秘書のアンナが立っていた。


「わざわざ君が呼びに来なくても良かったのに」  


「いえいえ、今日は一生に一度いや、世界に一度だけの特別な日なので」


 そう今日は、名実ともに地中海の覇者となったイタリアが帝国となる日。


「そうだね、じゃあ行こうか」


 普段おろしている淡い緑色の髪を後ろにまとめ正装を鏡で確認したのちにバドリオ参謀長達と一緒に聖ペテロの司教座に向かう途中。私は、昔の事を思い出していた。この世界に来たばかりの頃を…



 大学の歴史サークルに1人しかいなかった女の私は、サークルの仲間と中々馴染めずに過ごしていた。そんなある時、両親が商店街のおみくじでイタリア旅行に当たったが、都合が合わずに行けないので勿体ないから一人で行って来いとイタリアに旅行する機会に恵まれた。その時の私は人生初の海外旅行に胸を踊らせた。イタリア旅行でイタリア各地を巡っていた時にプレダッピヨにあるムッソリーニの墓地に訪れた。その時にムッソリーニの様な死に方はしたくないなと思いながら、プレダッピヨを巡った後に予約していたホテルに泊まった。その時旅行で疲れていたのか、深い眠りに落ちた。それが元いた世界の最後になるなんて、この時は思いもよらなかった。



 トントントンと響くノックされたドアの音に私は起きた。


「うわ!やばい!そう言えばガイドさんが朝8時にホテル前に集合って言ってた!は〜い!今出ます!」


とベットから起き上がった時、私は違和感を覚えた。


「ここ何処?」

 泊まっていた部屋とは、明らかに違う豪華な部屋に一瞬戸惑いつつも再び鳴り響くノックの音で考えるのをやめてベットからでたが、流石に寝間着姿で行くのはどうかと近くにかけてあった羽織を着てドアを開けた。


「おはようございます。ドゥーチェが寝坊なんて珍しいですね?」


 と微笑む碧眼、金髪ロングのイタリア美女がいた。


「誰…?」


「やだなぁ、冗談はよしてくださいよ。ドゥーチェの秘書のアンナですよ?忘れたんですか?」


 知らない、マジで誰?とゆうかさっきから、私に向かってドゥーチェって言っているけど、まさか私の事を言っているの?これってサークル仲間が言っていた転生ってやつ…?じゃあ、ドゥーチェっていうのは、ムッソリーニ!もし私がムッソリーニに転生したとしたら今何年か調べねば…!


「ごめんね。ちなみに聞くけど、今は西暦何年何月何日?」


「今日は西暦1934年7月20日です」


「1934年…」


 1934年といえば、第二次エチオピア戦争の1年前か…。そういえば、この5日後にオーストリア首相のエンゲルベルト・ドルフースが、オーストリア兵に変装して首相官邸に入ったオーストリア・ナチスの党員に暗殺されるんだったけ、確かムッソリーニと家族ぐるみの交流もあったそうだし、とにかく情報を集めないとわからない。

 

「さっきからどうしたんですか?」


「いや、なんでもないよ。これから着替えるから少し待っていてくれない?」


「わかりました。終わったら教えて下さい」


 そうしてドアを閉めた私は、部屋にあった椅子にもたれかった。そうして椅子と対面する様に置かれていた化粧台の鏡を見て驚愕することになる。


「誰…?この美少女は…?」


 その鏡に写っていたのは、ヨーロッパ系特有の碧眼と肩まで伸びた淡い緑色の髪をしたイタリア美少女だった。しばらく呆気にとられていると、前世の自分を思い返していた。


「おかしい…なんで寄りにも寄ってムッソリーニに転生とか…これは、あれか?私がムッソリーニの墓地の前で『ムッソリーニの様な死に方はしたくないな』って思ったからか?っていゆうかなんで、ムッソリーニが美少女なんだよ!しかも前世の私より胸大きいし」


 そう言って自分の胸を触る。前世ではAカップだったのにこれは確実にDカップはあるし、前世の自分よりも圧倒的に可愛い。そう思いながらも、秘書のアンナが待っているのを思い出し、髪を整えクローゼットに史実のムッソリーニが着ていた軍服の様な服に着替え、歴史の教科書で見るムッソリーニが被っていたであろう帽子を被りドアを開けた。


「やっと着替え終わりましたかドゥーチェ。今日の予定ですが…」


 そうして、今日の予定を話すアンナの話を聞きながら、史実のムッソリーニの様にならないと心に誓い。そして、第二の祖国となったイタリアの指導者として第二次世界大戦で勝利に導くと心に決め秘書のアンナと共に廊下を歩くのだった。

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イタリア王国軍記〜美少女ムッソリーニに転生したのでイタリアを改革しイタリア軍にやる気をださせイタリアを勝利に導く〜を読んで下さりありがとうございました。

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なお、作中に出てきた書紀のアンナは、創作上の人物ですのでご注意下さい。ムッソリーニが美少女(女性)っていう設定で身近にいる秘書を女性にすることにしました。


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