第6.5話 思い出

白い光に全身が包まれた。

かと思いきや辺りが急に暗くなり何も見えなくなった。あの砂嵐の夢とは全く別の虚無空間に放り出された。


しばらくして目の前に、もっさりした髪の男子が映画のスクリーンのようなものに映し出されている。これはもしかして僕の記憶…?

アニメのワンシーンみたいにいろいろな場面が次々と映っていく…毎日通っていたあの学校だったり、幼稚園だったり…。そして絶対にどの場面にももっさりした髪の男子が映っている。


そして最後に、


「霜野崎炎我さん、ここまでの追憶体験お疲れ様でした。想い出は楽しめたでしょうか?プログラムを終了し現実に戻る準備をしますので目を閉じて、しばらくお待ち下さい。」


聞こえた甲高い機械音声に従い目を閉じた。


今まで映った映像が脳の中で繰り返し再生される。

行った場所も、喋ったことも、自分の中にあった様々な記憶が呼び戻されていく…。

そして、

…何もかも思い出した。

どの映像にも映っていたあの男子のことも、自分の名前も…。


僕は…いや…


俺は…”霜野崎炎我”だ。

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記憶、買ってみませんか? @shamisen123456

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