第4話 (僕+私)の修学旅行ストーカー

僕達はホテルの部屋に大きな荷物を置いていき、古都の散策を開始することにした。


僕たちのホテルは国際会館が隣接しており、駅もすぐ目の間にある。


始発駅でもあるので椅子に座れて目的地まで快適な移動ができる。


さすがにここなら自分達がバレることも...首都よりは無いと思う。


まあ一緒に回るメンバーは花嵐なので周りのクラスメイトに迷惑がかかることは無いと思う。


このまま何事もなく昨日新幹線から降りた街の中心駅についた。


僕達は伏見稲荷の方に向かう電車に乗り込む。するとメールが鳴った。


内容を確認すると、咲也から来たものでこう書かれていた。


[雅、つけられてるぞ。お前の電車の最後尾だ。出発直前に降りろ。そして目の前の次発の電車に俺らがいるからそっちに乗り込め!]


僕はこのメールを確認したあと、ホームの反対に止まる電車を見ると、車内にいる咲也と目があった。


僕は直ぐにこれを四人に伝える。


「なんか逃走した犯人みたいで楽しいね!」

「こんな状況をそんな解釈できるのは楓くらいだよ...」

「でも何かから逃げるというのは楽しいわよね。」

「牡丹...あなたもなのね...」


楽しむ者と苦笑する者に別れる。そして発車の放送がかかった瞬間に僕らはドアから出て、目の前にいる咲夜たちの電車に乗りこんだ。


「助かった。」

「真ん中に寄って。窓からバレたら待ち伏せされるだろ?」

「何から何までありがとな。」


ここで〈君たちの予定を知ってて良かった〉とクラスメイト達がほっとする。


『本当にこのクラスのメンバーには支えられてばっかりだな...』


この頃から雅はいつか、何か恩返しがしたいなと考え始めるのであった。


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〈まもなく〜稲荷、稲荷です。〉


僕達は咲也の班に囲まれるようにして電車を出て改札を通る。


すると目の前に大きな鳥居が出てくる。


すると、サングラスをかけた生野先生が僕らを見つけて駆け寄ってくる。


「おー来たか!!カメラマンさん呼んでおいたから記念撮影をしようか!」


準備がいい。降りてすぐに鳥居の前で撮影。


若いが髭を生やした帽子を深めに被る男性が写真を撮ってくれた。


咲也達の班と先生と合計11人で写真を撮ってもらい、その後に五人、先生を含めた六人の写真など色々撮って中に入っていくことにした。


僕ら五人が先頭を歩き、鳥居が連続して並ぶ地点まで到着した。ここで先程のカメラマンがどんどんと僕たちの写真を撮っていく。


まあこういう自然体な写真が一番いい感じに撮れたりするものだ。なので文句は言わない。


僕らは階段を次々と登っていき、おもかる石のある地点まで到達した。


おもかる石は結構並んでおり、この地点も結構混んでいる。人の肩と肩が当たるくらい混んでいる。


正直長居は好ましくない。だから僕は「そろそろ戻ろうか」と言おうとした瞬間だった。


「ひぃっ!?」


牡丹が変な声を上げた。


「...?どうした?」


僕は牡丹に何があったのか聞いてみた。すると、


「お尻...スカート下から握られた...わ...」


僕は額に手をあてた。


『マジか...痴漢か...やっぱり早くおりるべきだな』


と考えた直後にまた


「ひゃっ!?」


と京が声を上げた。


『はぁ、またか...同一犯だろうな...』と、みやびは再び頭を抱えて、京を自分から離れないようにする。


「あぁ...京...こっちにおいで、」

「うん...」


「ここに来て痴漢が起きてる。すぐに降りよう。」

「ええ。」

「うん。」

「そうだね。」

「痴漢とかやば!?」


みんな頷いて素早く下山する。降りている最中、雅は被害にあった二人に話を聞く。


「...牡丹と同じか?」

「うん。」


『はぁ...困ったものだ。』


つい雅はため息をついてしまう。せっかくの楽しい修学旅行がこんなことになってしまうのは本当に耐え難い。


でも痴漢は現行犯でなければ捕まらない。二人に痴漢したヤツはただただ自分だけ得して逃げていくのだ。


「どんなやつかは...分からないよな。」

「うん。」

「後ろだったから私も...」

「...しょうがない。次から気をつけよう。人混みは避けるべきだな。」


有名な地点を沢山回る予定だったが混んでると予想して、諦めることにした。


五人は生野先生に連絡した後に再び電車に乗って次の目的地に向かうのであった。


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読んでくださりありがとうございます。


もしこの作品を気に入ってくださったら、次回も是非よろしくお願い致します。

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