第2話 (僕+私)の男子球技大会

〈さあ始まりました。日本政策大学附属新城下高校球技大会二年生男子部門!実況はわたくし、新城下高校名物の春夏秋冬の春嵐のマネージャーを務めます茅野と!〉

〈百川でお送りいたします。〉


何故か一花さんと大輝さんが球場で球技大会の実況を始める。四人はそれを見て苦笑いをした。


ちなみに観客全体的には大盛り上がりしていた。


〈そして何としても今年の注目はやはり去年優勝のメンバーを次ぐ、二年特A組!百川さん、どう思いますでしょうか。〉

〈えぇ〜そうですねぇ。やはりピッチャーの橿原くんとショートの太宰くんは共に中学の日本代表でしたからねぇ。彼らをどう攻略するかが他クラス勝利の鍵となるでしょう。〉

〈なるほど、ありがとうございます。〉


『何やってんだあの人たち。でも楽しそうだからいいか。放っておこう。』


みやび達はとりあえず二人の好きなようにさせとくことにした。


すると、すぐに第一試合のメンバー発表が始まった。


〈第一試合。特A組対進B組の試合、まもなく開始となります。〉


ウグイス嬢の声で球場がザワっとする。グラウンド内は〈本物か!?〉と、期待する。実際僕も


『お、ウグイス嬢はまともみたいだ。』と、思っていたのだが...


〈ウグイス嬢わたくし...〉


『も?』


球場にいる全員が疑問に思って、放送席の方を一斉に向いた。そしてウグイス嬢は自己紹介を続けた。


〈茅野一花が担当させていただきます!〉


〈あんたかよ!!〉


グラウンド中の男子高生達が一気に一花さんに突っ込んだ。なにこれ面白すぎる。


そしてあっという間に第一試合が幕を開けるのであった。


-------------------------


〈いやぁ流石特A組でしたねぇ。〉

〈ええ。やはり日本代表は一筋縄では行かないようですね。〉

〈これはシード権獲得でしょうか?〉

〈そうでしょうねぇやはり20点差に勝るチームはいないでしょう。〉


よく一時間近く実況続けられたな。プロ顔負けだったぞ?しかもウグイス嬢込みで。


改めて河野さんの人を見る目は素晴らしいなと思った。


「おめでとう雅。初めてあなたの野球を見たけど本当に桁違いに上手かったわね。流石ね。かっこよかったわ。ええ、それはそれはもう発狂してしまうくらいだったわ。」


京は真顔で応援してた時の真実を語る。


「そうか、ありがとう。次も頑張って勝つとするよ。」


雅は京の頭を軽く触れる。撫でてくれると思っていたのか、京はすぐに離れる雅の手に「あっ...」と残念そうな声を出して、残念そうな顔で雅を見つめる。


その目に雅は困ったのか、手を離した理由を京に言う。


「野球の後は手が汚いから、京の綺麗な髪が汚れたら嫌だろ?」


そう言ってウインクしながら彼方と雅はグラウンドに戻って行った。


京は雅のその行動を見て、ズキューンと心を射止められた。まあ元々射止められているのだが改めて『か、カッコよすぎるわよ!!』と一人で惚気け始めたのだった。


-------------------------


雅達特A組は特進科ながら、二回戦の普通科B組に圧勝し、あっという間に決勝戦に滲出してしまった。


「なんというか強すぎないかしら。」

「奏多なんか最早動いてすらいないわよ。」

「ピッチャー一人でここまでできてしまうのね...恐ろしいわ。」


雅はここまでの二試合全員を三球三振で抑えてきた。周りから見れば化け物だ。


決勝はあえて一球で打たせて守備の出番を増やしてあげたが、ヒットは出ない。投球数15球で終わってしまった。


雅は変化球を一切使っていないのにこれだ。恐ろしいの一言に限る。まあ特A組からすれば強力すぎる味方だ。


〈決勝戦特A組対普C組の試合は10対0で終わりました。いやぁやはり特A組橿原くんの壁はあまりにも高すぎましたね。〉

〈ええ。来年は少しルールを変更した方が良さそうですね。3試合パーフェクトピッチングには流石の私も引かざるを得ません。〉


大輝さんが僕を引いた。


ちなみに観客にいる皆も敵チームの応援をして、なんなら敵チームも何とかしてバットに当てよう勝負を自分達のチーム内でし始めていた。


ちなみに生野先生と京だけはとても大きな声援を送ってくれた。


三振を取る度に京は発狂して楓さんに抱きつき、生野先生は


「よし!いいぞ!よぉーしっ!!」


と、めっちゃ喜んでた。どれだけクラス思いの先生なのだろうか。


ちなみに僕と奏多、咲也だけが無双したかのように思っている人も多いと思うが、これもまた違う。


野球未経験者も奏多の教育で、人並み以上に野球ができるようになっていた。そこら辺の未経験者ピッチャーの球をヒットにするくらい余裕だ。


なので決勝では皆守備頑張ってくれたし、実質皆で勝ち取った優勝だ。


特A組の優勝に男子たちは普通に喜んだ。生野先生は最早号泣してた。


てなわけで球技大会一日目、男子部門は特A組の圧勝で幕を閉じたのであった。


______________________________

男子はこんな感じで終わってしまいましたが、女子は盛り上がると思います。

______________________________


読んでくださりありがとうございます。


もしこの作品を気に入って下さったら、次回も是非よろしくお願い致します。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る