第二章 初夏

第1話 (僕+私)の球技大会練習

「では球技大会のチーム決めをする。種目は男子が野球。女子がバレーボールだ!さ〜男女別に散れぃ!!」


今日は球技大会のポジション決め。男子はすぐにポジションが決まった。


計10クラスのトーナメント制で、計三試合するクラスと4クラス試合するチームが出る。


しかし自分たちのクラスが三試合するか四試合するかは第一試合の時点では分からない。


しかし、第一試合の得失点差で強かったチームが上から計三試合のトーナメントを選べる。下位二チームが計四試合ということだ。


高校で野球部に入っている人はピッチャー禁止&打席は逆にしなければならない。


僕のクラスには野球部はいないが、中学まで野球をしていた人は四人もいる。


なのでピッチャー、キャッチャー、ショート、ファーストという守備位置はその4人で固定することになった。他は出てない人が出ると言った感じだ。


僕はずっとピッチャー。奏多はショートだ。


僕らは全国ベスト4メンバーなのでこのまま全部の試合でこのポジションに着くことになった。


そして早速練習を始めることになった。


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女子はバレーボールとのこと。


特A組には一人女子バレーボール部の子がいる。女バレはスパイク禁止、サーブは下からという制限があるので、リベロに回ってもらうことにした。


クラスの女子は13人で、リベロを含めればバレーボールは7人で回すのでリベロの子が固定されればいい感じに2チームできる。


私は楓と同じチーム。これ以上決めることもないので私達も男子に続いて練習を始めることにした。


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「うひょー!!キレッキレじゃん!さすが城南エースだわ。」

「咲也もキャッチ上手いじゃないか。」


僕は元野球部の1人、キャッチャーをやっていた長崎咲也とバッテリーを組んでいた。


「まさか城南のあのミヤビームと同じチームになってバッテリーを組むことになるとはなぁ〜人生何が起こるかわからねぇな!ははっ!」

「懐かしいなそのあだ名。」


ミヤビーム。それは雅が中学生とは思えないほどの豪速球やキレッキレの変化球を投げるので、中学生にはボールの軌道が一本のビームのように見えることから、ミヤビームと呼ばれるようになった。


今思えば面白いあだ名だ。ジャパンでもそう言われていたからな。


そう。何気に雅と奏多はオールジャパンなのだ。


「にしてもなんで野球やめたんだ?」

「まあ色々あってな。」

「まあ、そんなもんよな。俺も色々あって止めたからな。」


こんな話をしながら僕は咲也とピッチング練習をする。


グラウンドにパシィ!パシィ!というボールをキャッチする音が響く。


奏多はと言うと一人一人キャッチボールや投げ方から、丁寧に教えている。奏多は教えるのが上手い。現に未経験者の人も綺麗なフォームで投げられるようになっている。


『これなら優勝狙えるかもな。』


僕は本気でそう思ったのだった。


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『雅にいい所を見せたい!』


その一心で私は今バレーボールの練習に打ち込んでいる。女バレのエースの小鳥遊たかなし優香さんに一つ一つ丁寧に教えて貰っている。


ちなみに彼女は名字で呼ばれることを嫌う。理由はアニメのキャラクターみたいでなんか恥ずかしいからだそうだ。私は可愛くていい名字だと思うけど、本人がそういうのなら従うしかない。


「京ちゃん上手いね!流石って感じ!」

「ありがとう優香さん。あなたが手伝ってくれるおかげよ。」


汗を拭きながら感謝する京に優香はズキューンと心を射抜かれた。


『か、かっこいいぃぃ!!!!!流石冬の椿!!私もっと頑張っちゃう!!』


優香は京に褒めてもらうために頑張るのであった。


すると


「京〜!上手いね!!さすがって感じだよ!!これも優香ちゃんのおかげだね!!」


と笑顔で楓が駆けつけてくる。が、その直後。


〈危なーい!!〉


ゴンッ!


「あぅっ!?」

「...楓...余計に馬鹿になってしまうわね...」

「うぅ...京...酷い...」


涙目で下から京を見る楓に優香は


『かっ...可愛いぃぃぃぃぃ!!!!!』


と、今度は楓に心を射抜かれたのであった。


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読んでくださりありがとうございます。


もしこの作品を気に入って下さったら、次回も是非よろしくお願い致します。




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