第8-B話 (僕+私)の告白の準備?
僕は太宰奏多17歳。今僕は幼馴染であり、親友であり、クラスメイトである橿原雅と、その幼馴染と両片想いである絶世の美少女こと出雲京さん、そして母同士が友達であり、僕が幼い頃からずっと好きだった伊勢 楓さんと一緒に遊園地に来ている。
実は僕が新城下高校を受けた最大の理由は、中高一貫に楓さんがいたからだった。
新城下高校は特進科なら進学校だし、高校二年生から中高一貫生とクラスが交わるのだ。
ずっと僕が好いてきた楓さんがいるのだ。新城下に行かない理由はない。中学入学時点で母さんからその話を聞いた時から既に僕の目標校は新城下のみだった。そして合格し、一年頑張って、待ちに待った二年生のクラス発表の時、二年特A組の列に楓さんと僕の名前が載ってたのを見つけた時の嬉しさは恐らく今後忘れることは無いだろう。
一年生では校舎がそもそも違うので中々会う機会がなかったが、クラスまで一緒になると、夢に一気に近づいた気がした。
そして教室で放課後に雅の出雲さんに恋しているという話を聞き、出雲さんとずっと一緒にいた楓さんを見て『これはチャンスだ!』と思った。
雅を利用するような真似になってしまったことは申し訳ないと思うが、自分の恋を実現させるための手段は問わない。
今日の予定を立てる時に、出雲さんが雅を好いていることを聞いた時はかなり驚いたが、初めて二年特A組に入った時に出雲さんは寝ている雅の事を長い間周りの変化に気が付かないほど集中して見つめていたから、そこまで変な反応はしなかった。
それよりも久しぶりに楓さんと話せたことに僕はかなり満足していた。
ちなみに遊園地に行く話はサプライズを込めて、雅には出雲さんが来ることは内緒にしていた。それは出雲さんも同じことだ。
そして今日、大きな遊園地の中で僕の隣には楓さん一人。
そう、今僕は二人きりで遊園地を回っているのだ。電車の中でも僕らの会話は止まなかったが、遊園地に入るともっと会話は盛り上がった。
『この日のために四年間ずっと頑張ってきたんだ。今日でもいいんじゃないか?』
僕は今日でええじゃないかと、時間やスポットを二人で歩きながら探し回ったのだった。
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私の名前は伊勢楓。今年で17歳になる。私は今中等部からの親友である出雲京と、その京と絶賛両片想い中の絶世の美男子である橿原雅くんと、ママ同士が仲がよく、私が片思いをしている相手である太宰奏多くんと一緒に大型の遊園地に来ている。
なんて最高な日なんだろうか。
彼が新城下の特進科に入学したことをママから聞いた時ははしゃぎすぎて次の日に筋肉痛になるくらい喜んだのを今でもよく覚えている。
待ちに待った高校二年生のクラス発表の時に、奏多くんと一緒のクラスとわかった時は隣にいるはずだった京に抱きついて空振りして転んだのも多分今後忘れることは無いだろう。多分京も橿原くんと同じクラスになれて嬉しすぎて早く教室に向かいたかったのだろう。
私もその後を追うように教室に向かった。教室には既に寝ている男の子とその男の子をじっと見つめる京、そしてその様子を見てこっそり動画を撮りながら苦笑いしている奏多くんの姿があった。
久しぶりに見た奏多くんは身長も伸びて男の子っぽい顔立ちになっててより一層かっこよくなっていた。
早く話したかったけど、同じクラスなのだから焦る必要は無いなと京の後ろの自分の席に座った。
始業式、ホームルームが終わり、京と話をした。京は学園のプリンスこと、橿原雅くんに恋をしてしまったらしい。
顔が整っている京も正直流石に厳しいんじゃないかなと思ったけど、それを京に言ったらあまりにも落ち込んだものだから、私は自分の都合を交えつつ、京の夢を叶えてあげられないかと周りを見た。
すると橿原くんの隣には親しげに話す奏多くんの姿があった。
『これはチャンス!』と思った。
この後に奏多くんを呼んで今日の計画を立てた。その時に奏多くんから『実は雅が出雲さんの事が好きらしいんだ。』と聞かれた時には驚きを隠せなかった。なんたって高嶺の花すぎる学園のプリンスの彼に好きな人ができるなんて思ってもいなかったからだ。
でも奏多くんと話している時間が嬉しすぎて、その驚きもすぐに引いた。
そして今日だ。私は今奏多くんと二人きりだ。『これは今日告白するっきゃない!』とこの時点で心に決めていた。
私は奏多くんとの楽しい時を過ごしながら、告白する場所と時間を探すのであった。
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読んでくださりありがとうございます。
もしこの作品を気に入ってくださったら、次回も是非よろしくお願い致します。
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