白狼のラコルト(後編)

どれくらい待っただろう…

さっきからおじさん達が話している。

話し終わったのか髪の長い人がこっちに近づいてきて

「さてお嬢さん、さっきのおじさんはちょっと来れないって言ってたし、お兄さん達は戻らないといけないけどここに1人で置いておくことは出来ないからお兄さん達と一緒に行こうか。」

と言ってきたでも

「やだっ!!」

「いや、やだじゃなくて…このままここに置いては行けないし。」

「いーやーだー!!」

「あぁもう泣いちゃった…すいませんゲイツさん頼みます。」

そう言ってさっきカルマと話していた眼鏡をかけた1番おじさんな人がワタシに話しかけてきた。

「お嬢さん、実はウチのチームのお友達と言うかおじさん達の中で1番偉い人がお嬢さん達に悪い事してた人の中でも1番悪い人をやっつけたんだけど動けなくなっちゃったからカルマさんが今お世話してるからそこから動けなくなったからお嬢さんも連れてきて欲しいって言ってたんだ。だから来てくれるかな?」

「うん。」

ワタシは泣くのをやめて、おじさんに着いていって大きな車に乗ってカルマの所に行った。


目標の達成を無線でチームFのメンバーに知らせてからしばらく待っているとシオン以外のチームFメンバーと今回の捕縛対象が乗ってるであろう大型SUVがこちらに近づいてきた。

助手席のドアが開いたかと思えば少女がこちらに向かって勢いよく飛び込んできた。

「イテテッちょっとお嬢ちゃん、ちょっと元気になったな。」

「だって、だって…」

そう言いながらしがみついてきた少女の頭を優しく撫でながら

「さて、ゲイツさんアンタらの隊長はあそこにいるから、あと数分遅かったらスノーモービルで引き摺ってそっちに行こうかと思ったぞ。」

そう言って盾をソリ代わりにしようとして盾に括り付けたシオンの方を指さした。

「アンタって人は…いや、でも助かった。結構なダメージが溜まってただろうしそんな状態でも生き残っている敵や子供達を探しに行こうとするからな。ウチの隊長は。」

そう言ってゲイツさんはシオンの元へと向かっていった。

「さて、カルマさんどうする?こっからはウチの本隊が来て残ってる残党の処理と生存者の保護とで結構時間掛かりますが。」

そう竹ノ内さんがこっちに話しかけてきた。

「あぁそれなら残らさせてもらおうかな。アンタらに教えてもらったあのトンネルを歩いて帰るのは骨が折れるしな。それにこの子が離れてくれないからな。」

そう言ってしがみついている少女の方を見た。

「そう言う事ならしばらく待ってて下さい。あっ、さっきの拠点から適当に色々と調理器具と食材持ってきてありますから。

「あっ、なんか作れって事ね。」

「いや、そういう訳じゃ…」

そうしどろもどろする竹ノ内に対して

「いやいや、冗談だ。何がいい?こんな寒い所にいたら腹も減るわな。それに携行食糧じゃこんだけ動いたら足りないわな。」 そう話していると

「えっ、カルマさんの料理ですか?やりぃ!!」

そう如月が言ってきた。

「まぁ簡易的なもんだがな。ただこの子が優先だからな。」

そう言うと

「分かってるよ。そんくらい」

そう返ってきた。

「お嬢ちゃん俺の近くにいてもいいからちょっと俺から離れて貰ってもいいか?火使ったりして危ないからな。」

「はぁーい!!」

そう言って少女は自分から離れてずっと調理をする様子を見ていた。

時折こちらの手伝いをしながら。


「ほらっ、食べな。1番はお嬢ちゃんだ。 」

そう言ってカルマはさっきから色々と作ってはワタシに1番に食べさせてくれた。

食べ終わったらワタシはカルマのお手伝いをしていた。お皿を運んだりちょっと食べさせてもらって美味しいかどうかみたり。

ワタシの事を1人にしたりしなかった。

そうやって待っていたらいっぱい人が来て悪い人を捕まえたりワタシと似てる子供を大きな車に乗せて言ってた。

ワタシがお腹がいっぱいになって眠くなって寝てる間にワタシはイヅナって言うなんか大きなところに連れてこられてた。

「さてお嬢ちゃんここでお別れだ。たまには遊びに来るから元気でな。」

そう言ってカルマはワタシの頭を撫でてどこかに行こうとしていた。

手を伸ばそうとしたけれど大きな網のついた扉が閉まった。

ワタシは泣いていると

「あれ?お嬢ちゃんなんで泣いてるの?」

そう言ってさっきカルマが竹ノ内さんと言ってた人がワタシに話しかけてきた。

「あぁ、そういう事か。」

そう言うと

「あれ?これで全員だったよな?一応カルマさんの所に行って確認するか。うっかりドア開けっ放しにしても大丈夫そうだしな。」

そう言ってドアを開けたままどこかに行った。

ワタシは泣くのをやめて開いたドアから出てカルマを探した。

しばらく歩いているとカルマがさっきの竹ノ内さんと話している声が聞こえた。

ワタシは声の聞こえる方に行って今度こそカルマの手を掴んで捕まえた。


「あれで全員だったぞ。あの子でさい…ん?」

急に右手を引かれる感覚がしてその方向を見てみるとさっき別れたはずの少女がいた。

「どうしたお嬢ちゃん。あっちに行かなくていいのか?」

少女と目が合うようにしゃがんでそう聞くと少女は首を横に振った。

「そうか…ならウチの子になるか?」

そう言うと

嬉しそうに大きく少女は頷いた。

そうしていると

「あぁ!!ここにいた。ちょっと困りますよ。人数の確認してたら1人いないですし。」

そう言ってビリーザキッドと他のメンバーから呼ばれたりしている辻本と言う青年がこちらに言ってきた。

「何言ってんだ?辻本?1人多かったんだよ。」

そう如月が辻元に対して言っていた。

「いやいや、合ってますよ。ちょっと霧島さんからも2人に何とか言って下さいよ!!」

そう黒縁眼鏡をかけた男に助けを求めていた。

「確かに困るな…」

「ええ!!ですよね!霧島さん!!」

霧島さんと呼ばれていた男がそう言った後

「辻本これ人数1人多いぞ。」

「ええっ!?霧島さんまで!?」

そう言っていると。

「どうした?何を騒いでるんだ?」

そう言ってシオンもやってきた。

「いや、隊長それがみんな保護する予定の子供の数がここに1人今いるのに1人人多かったて…」

そう辻元がシオンに言うと

「あぁ、その通りだな。1人多いぞ。カルマこっちの手違いだったみたいだ。その子の事は頼むわ。」

そうシオンが自分に向かって言ってきた。

「いいのか?シオン。機密情報クラスを流出させることになるぞ。」

「機密情報だのなんだの言う前に1人の子供だ。それにその子もこっちで保護するよりカルマの所にいる方がよっぽどいいだろ。」

そう言うと

「さて俺達は上に今回の件の結末を報告しに行くぞ。」

そう言ってさっき少女が向かってきた方向の通路に歩いていった。


「さて、お嬢ちゃん。せっかくウチの子になったんだ。いつまでもお嬢ちゃんって訳にもいかないからな。名前か…そうだな。」

そう言ってカルマじゃなくてお父さんはしばらく考えて

「そうだなリルはどうだ?その紅い綺麗な目と綺麗な銀色の髪を見て考えたんだけどダメか?」

そう聞いてきた。

『リル?ワタシの名前?』

「そうだ。その名前でいいか?」


『うん!!アタシ、リル!!嬉しいありがとう!!』

どうやらリルという名前を気に入ってくれたようだった。

神話で神を喰らう狼の名から名前を拝借してつけたが紅い綺麗な目に銀色の髪リルと言う名がよく合うだろうと思いそう名前をつけた。

「さて、実はリルにはアゲハってお姉ちゃんがいるんだ。早速会いに行くか。」

そうリルに言うと、

『うん!!』

と返ってきた。

「よし、それじゃ行くか。」

そう言ってリルを抱き抱えもう1人の家族の元へと向かっていった。




「見つけた!!」

そうお父さんが言って隠れているワタシを見つけた。

『見つかっちゃった!!』

そうワタシがお父さんに言った時に

「ちょっと〜そろそろ営業時間だよ!!早く戻ってきて!!」

そう言ってお姉ちゃんがお父さんとワタシに行ってきた。

「わかった!!すぐに戻る!!さっ、リル、アゲハが呼んでるから戻ろうか。」

そう言ってお父さんはワタシの手を握った。

『お父さん!!』

「ん〜?」

『ありがとう!!見つけてくれて。』

そう言うと

「当たり前だ。どこにいても見つけるさ。お父さんだぞ?俺もありがとうなリル、ウチに来てくれて。俺に見つかってくれて。」

そうお父さんは言ってきた。

『うん!!』

ワタシがお父さんにそう言うと

「ほらっ、早く早く!!今日はシオンさん所の新人歓迎会の予約が入ってるんだから!!」

そうお姉ちゃんがお父さんに言ってきた。

「さぁてそれじゃリル頑張るか!!」

『は〜い!!』

そう言ってワタシは大きな声で返事をした。

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NemesissCodeサイドストーリー @Dr10311621

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