15小節…モノクロの文化祭2-3


私と、こばしり君が一緒に周る?


「いいよ!お菓子作るよりそっちの方が楽しいし勿体ないよ」


私は快く承諾した


「ま、まじか!ほんとに行ってくれるのか?」


「うん!私も周りたいお店あったんだー」


その後私とこばしり君はお店を周った

射的とか、ビンゴ大会とか

あとは洋服とか売ってるお店もあった


そしてこんな場所も


「お、お化け屋敷ほんとに入るの?」


「なんだお前、ホラー苦手なのか?」


「に、苦手だよ!こここ、怖い!」


「いいから行くぞ」


「ひえー!!!」


ここのお化け屋敷は男女のカップルがお互い恨みを持ってナイフで刺し合いをしたと言われてる設定だ

手紙には恨みの内容が書かれていて花言葉を言わないとゴール出来ないらしい


「この手紙を元に…進んでくだ……ぶはっ!!!

ぐはっ!!!」


案内人の人が倒れる


「ががががが!ガチ怖い!!」


「こんなんでびっくりするなって」


他にも机がガタンっ!と動いたり

机を叩く音が聞こえたりと怖すぎた

そしてクライマックスは扉が閉まっていて出ることが出来ない

ここで花言葉を言わないと出口まで行けなくなってるみたい


「は、花言葉なんだっけ?」


「クロユリの花言葉だろ?呪い」


こばしり君が花言葉を言うと扉が開く

よかった…これでやっと……


「お前のせいだあああああ!!!」


「裏切り者ぉぉぉぉーー!!!!!」



「ぎゃああああああああああああああああ!!!!!」


血だらけの男女が叫んで倒れる

こ、これで終わりか……


「お、おい、天地…離れろ」


「へ?」


私はこばしり君に抱きついていた


「ああああ!!ごめん!つい!」


「……はあ、ビビりだなー」


私とこばしり君はお化け屋敷を出る

すると遠くの方に偶然紅衣が居た


「おー!紅衣ー!おーい!」


私が手を振ると

紅衣の顔がキッと変わって険しくなる

ずんずんと近づく紅衣


「あんた、こばしりと2人で周ってんの?」


紅衣がガミガミと私に聞いてくる


「そうだよ、こばしり君1人でお菓子作ってて可哀想だから連れ出してあげたの!」


「おい、話を盛るな」


こばしり君は私の頭をコツンと叩く


「ふーん、こばしり、一言言っとくぞ?」


「……なんだよ」


紅衣はこばしり君の両肩を掴んで


「ふーかは本当に手のかかる子だ

一生世話を焼く覚悟がないとストレスで禿げるからな?」


「な、何が言いたいんだよ!」


「こーんなお化け屋敷で吊り橋効果を狙うなんてあんたも可愛いとこあるじゃん

でも、無神経なふーかには効果なし!むしろお前がドキドキしてんだろ」


「う、うるせー!ぶち殺すぞ!」


「はっはっは!ま、いいんじゃないすかねー

んーふーかも羽根伸ばしすぎるなよー」


紅衣はそそくさと去っていく


「どうしたんだろうね?紅衣」


「知るか、教室戻る、お前1人で周れ」


「ええーじゃあ私も戻る」


「付いてくんなよ、元々俺はお菓子作る予定だったんだ」


「じゃあ私も作る」


「作れねーだろ!」


突き放されながらも私はこばしり君について行く


「お前といると調子狂うんだよなー」


「え?なんで?」


「鬼頭がさっき言ってたこと理解してたか?」


「よくわかんない」


「お前ほんと無知なんだな

彼氏いたことないの?」


「あ、あるよ!あるけどあれはノーカン!

てか友達すら居なかったし初めての友達紅衣だったんだから!」


私は慌てて否定する


「そっか」


言葉少なめにこばしり君は呟いてお菓子を作る

クラスみんなのお菓子を作るのも凄いなって思うし本当にいい人だよねこばしり君


「こばしり君ってなんでそんなに人思いなの?」


「なんでって、俺にもわかんねーよ」


「ほんとにすごいなーって毎回思う」


「んー俺にはわからんけど

でも、人は人が居ないと生きていけないからな」


「…こばしり君でもそう思うの?」


「まあな、俺だって色んな人に支えられて生きてるから誰かのために何かしないといけないんだ

それが今、お菓子を作ることなんだよな」


「そうなんだ」


「それに、俺が作ったお菓子なんかで喜んで貰えるなら俺はめちゃくちゃ嬉しい」


こばしり君は私にシュークリームを渡してきた


「食べていいの?」


「おう、食ってくれ」


私がシュークリームを頬張ると


「ん〜〜!おいし〜〜!」


本当においしくてとろけそうだった


「クソうめーだろ

その笑顔が好きなんだ」


「………え?」


す、好き!?


「え、ええええ!」


「あ、あほか!今のはお前だけじゃなくて!

俺のお菓子食ってるみんなに向けてだな!」


「わわわわ、わかってる!

どどどど、動揺なんかしてない!」


「そうだ!何も考えるな!」


わちゃわちゃとしている時


【ガラガラ】


教室のドアが開く


そこにはきゅ〜ちゃんが居た


「あー!きゅ〜ちゃん!なんか久しぶりじゃない?」


「久しぶりだね、2人で何してんの?」


「あ」


そっか!!きゅ〜ちゃんはこばしり君が好きで

私が今いると邪魔になってしまう!!

じゃあ私はおじゃま虫!?

それなら!


「私、急用思い出した!じゃあね!」


2人の空気を読んで私は逃げようとする

そこに


【ガシッ!】


きゅ〜ちゃんは私の腕を掴んだ


「いいよ、別に気使わなくて」


きゅ〜ちゃんは笑っていた

うん、きゅ〜ちゃんとこばしり君は友達だしね

気使うのも変な話か


「じゃあきゅ〜ちゃんもこばしり君のシュークリーム食べよ!

めっちゃおいしいよ!」


「食べる食べるー!いただきまーす!」


【パクっ】


「こ、これは!恋の味!?

こばしり恋してんの?」


「しし、してねーわ!」


文化祭も1日目は無事終了!

明日はついに!紅衣とピアノ演奏会です!

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