4小節…モノクロの高校

4小節…モノクロの高校1-2


今日は紅衣と高校の入学式に来ています!

紅衣と同じ高校に行くまでに色々あったなー


入試前のテスト勉強


『まいねーむいずざぺん』


『お前今まで何してきたんだよ!』バウッ!!


『薔薇って漢字はかけるんだけどテスト出てくるかな?』


『一点張り過ぎだろ!しかも出てこねーよ!』


うんうん、何とか勉強を頑張って

紅衣が私が行ける高校に合わせてくれました!!ドヤァ!!


「ふーか電車とか普段乗るの?」


何気なく紅衣が聞いてくる


「私が人混みの中を進んで乗るわけないでしょ」


「そんなに人混み嫌いか」


人混みは苦手だけど

なんていうか…人の気配が怖いというか


私はふと昔のことを思い出す


『あ!居た!夢咲さんの娘さんだ!』


『娘さんはちゃんと学校に行ってるみたいだね』


『夢咲さん、お父さんのことはどう思ってますか!?』


普通の生活が出来ないほど人に囲まれる

だから人は好きじゃなかった


「まあ、高校生になったからには人との関わりは必要不可欠だからな

あたし以外の友達増やしなよ?」


呆れた顔で紅衣が私に言う


「な、何とかなるよ多分

むしろ紅衣と同じクラスにはなれなそうだし」


「ん?そうなのか?」


「うん、高校ってクラスいっぱいあるんだよ

6クラスとか?

確率は相当低いと見た」


「知らないけど1人で生活出来るんだな?」


「出来ません!助けてください!」


「………ったく」


私は1人じゃ何も出来ないのー!!


苦手な電車に乗り駅に着いて徒歩5分

学校に着いた!

物黒高校【ものくろこうこう】

ここで私の新しい高校生活が始まる!


校舎の方に貼られたクラス表を見に行くと


「ふーかー見えたー?」


人が多すぎて背の小さい紅衣じゃ潰されそうだったからここは私が代表して…と言いたいところだけど


「まままま、待ってて……人が多すぎて

人に触れないように通るにはどうしても難しいのですよ」


「普通に通ればいいだろうがよ!!」バウッ!!


そそそそ、そうは言っても!

この人混み……クラクラする…


「もういい!あたしが行く!」


紅衣が人混みをかき分けて無理矢理前に出た


「あった!」


紅衣は名前を見つけたらしい


「な、何組?」


私は恐る恐る聞く


「B組だよ!あたしと同じクラス!」


「……紅衣と!?」


えええええー!!!

ほ、ほんとによかったー!!!

紅衣が一緒じゃなかったらどうしようかと思ったよ…

神様…私を見捨てないでくれてありがとう


「教室どこにあるかわかんないなー

ふーか、そこに案内してくれる先輩に声掛けて教室の場所聞いてみて」


「え、ええ!!私が!?」


そ、そんな事言われても…

渋々先輩に近づいた


【1分経過】


ああ、どうしよう、こんな小娘が教室の場所聞くなんて


【2分経過】


あー!!地図もまともに読めない馬鹿だと思われるー!!


【3分経過】


「紅衣〜助けて」ニャオーン


「小心者が!!」バウッ!!


紅衣は私にゲンコツを食らわす


「わ、私は小心者じゃないよー!!

ちょっと人見知りなだけなの!」ポカポカポカッ


「人に話しかけるのに3分以上かけるやつのどこが小心者じゃないんだよ!!

お前は正真正銘の小心者だ噛まずに言えたあたしを褒めやがれこのやろー!」ボコボコボコッ


【紅衣・WIN】カンカンカンッ


「1発が重い…」ニャオーン


「あたしに勝てると思うなよ」


結局これも紅衣が聞いてくれて難を逃れました!

紅衣様々!


教室に向かう途中


「うおー新入生か?可愛くね?」


「金髪だし、見た感じハーフか?」


「その隣の子はなんか地味じゃね?」


「やっぱ低身長可愛いよなー」


紅衣…早速目立ってんですけど!!

ややややや、やっぱり紅衣の隣に居ると私も見られてるよね!?

金髪はやっぱ目立つんだよー!!

え?あの男の人紅衣に話しかけて来そうな雰囲気じゃない?

あ、やっぱり


「ねえ、君」


「バウッ!!」


「………っ!」


紅衣は話しかけられた瞬間に睨みをきかせて退治していた

強すぎるよ…


そして、1年B組の教室に入る


「ほら、真っ直ぐ向いて?」


「向いてるよ!早く切って!」


「顔をよく見せてよー可愛い」


「うるさい!早く切って!」


前髪切ってる女の子2人が居る

初登校から教室で前髪切るってどういうことなの!?

理解は出来ないけどそっとしとこう

私の席はここか

早速座ると


「ふーか、中学の教室と高校の教室何が違うか気付いた?」


紅衣は私の席の椅子半分を使って座ってきた


「何が違う?あんま違いなんてないような」


「ピアノがないぞ」


「…………………」


どっひゃあああああああー!!!!!


「ぴぴぴぴぴぴ、ピアノがない!?

じゃあどこに行けばピアノ弾けるの!?」


「恐らく音楽室だろうな

でも音楽室は吹奏楽部とか軽音部が使うだろうし

どうしたもんかな」


「部活入らないとだめかな!?」


「あたしは入らない、バイトするから」


「バイト!?紅衣働くの!?」


「お金ないと色々困るだろ」


「お金ないと困るの!?」


「お前にはわかんねーよな、あんな家住んでれば」


そっか…じゃあピアノは学校じゃ弾けないのか

私の家で弾けるからいいんだけどね

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