第7話 幼馴染ヒロインは最高!(?)

「うまい!!」

「ふふ、おかわりもあるよ」


 夕食もゆーちゃんと一緒である。家は隣同士。お互い両親が仕事でいないこともあり、いつもこうなのだろう。


「それにしてもゆーちゃんってなんでもできちゃうな! 料理も美味しいし、勉強もできるし!」


 ゆーちゃんのことを周りに聞いたが、勉強もできて優しくて高嶺の花っ感じ。


「男子から告白大変でしょ」

「そんなにされないよ?」


 うん、これは告白されているな。ゆーちゃんの人柄からして、ハッキリとは断らず、友達のままでいましょうって振りかたをしそう。これは、逆上した男が迫る展開もあるかもしれない。

 今のうちに筋トレなりしといてイベントに備えなければ。


「ゆーくん方こそカッコいいからモテちゃうじゃないかな。最近告白とかなかった?」

「へ?」


 タイムリーすぎる話題に思わずカレーを食べるスプーンが止まる。


 こ、これは正直に後輩に告白されて、さらに放課後デートを約束したと言った方が……。いやいや。こういうのは、自分からバラすんじゃなくて、バレて嫉妬を楽しむものだと思う!!


 嫉妬したゆーちゃん。きっと大胆になって可愛いんだろうなぁ。お風呂とか一緒に入れたりして……ぐへへ……。


「………ゆーくん?」

「へ、あ、あはは。ゆーちゃんが隣にいるし、俺に告白してくる人なんていないよ」

「そうだね」


 ゆーちゃんがにっこり笑う。

 はぁぁぁ可愛い。次はどんなことをお願いしちゃおうかな〜。






「はぁぁ〜〜、最高っ」


 ベッドにダイブ。

 お腹もいっぱい、幼馴染ヒロインが朝昼晩ご飯を作ってくれる、最高!!!


「そういや、コイツの部屋にこの世界のヒントがあるかも」


 未だにどの世界かは分かっていない。俺がよくするならエロゲの世界が濃厚だけど……。


「今日はいいか……」

 

 1日目だし、怪しい様子もないし、明日から頑張ればいっか。


「しっかし暇だなー。そういやスマホが見当たらない」


 この世界に慣れるのに必死でふと思い出してしまった。後からゆーちゃんに電話番号聞いて探してみよう。


「思春期男子ならベッドの下にエロ本とか隠してないかな……と。まあ最近は電子で買えるしわざわざ紙で買うやつなんて……」


 ガザ


 手に何か触れる。


「え、マジ?」


 指で挟んで取ってみると……


「……ノート?」


 青いノート。新品……というわけではなさそう。

 

「なんだ。エロ本じゃないのかい。おっ、本棚……しかもラノベっぽいのある!」


 ベッド起き上がり。そのノートは引き出しにしまった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る