間違った鬼ごっこ

ゴロゴロ卿

いつだって鬼はわたし

 この季節、わたしはいつも鬼


 いつだって鬼はわたし



 誘ったのは確かにわたし


 でもそんなこと誰にだってあるじゃない


 あなたは好みじゃなかったの



 草をかき分け、木々の間を抜け、逃げる、逃げる


 壁を登り、段差を飛び越え、逃げる、逃げる


 だけど今日もまた鬼が増えた



 隙間の向こう、視線を送って鼻で笑ってから、逃げる


 時に立ち止まり、振り返って罵声を浴びせてから、また逃げる


 だから今日もまた鬼は増える



 どこに隠れても見つかるのはどうして


 息を潜めても見つけられるのはどうして


 そして今日もまた鬼を増やした


……


 ―― アオーン

 ―― ウアーン


「またきた。いい加減にしてくれないかねえ。

 毎年毎年、どうしてうちの家の周りで盛るのかねぇ」


――それはね、あなたの家でキウイを育てているから。仲間が集まってくるんですよ


 そう答えたオス猫が、いたとか、いなかったとか

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間違った鬼ごっこ ゴロゴロ卿 @Lord_Purring

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