第3話 エアコンクリーニング
ようやく、エアコンクリーニングの人に来てもらい、掃除してもらった。
その人がいる間はそんなに臭く感じなかった。薬品で洗浄しているからだろう。
俺はとりあえず聞いてみた。
「中でゴキブリが死んでたりしませんでしたか?」
「いいえ。それはないです。時々、ゴキブリの巣があることもありますが、こちらは大丈夫でした」
意外だった。むしろ、ゴキブリの巣の方がましだったのに・・・。取り除いて、もう大丈夫ですよ、というのを期待していた。
ゴキブリっていうのは、時々、エアコンに巣を作るらしい。エアコン内部は結露するから、水滴と埃でしばらく生きていける。その時ばかりは、そうであってほしいと願っていたのに。
エアコンクリーニングの人が帰って俺はすっきりした。2万円くらいかかってしまったが・・・。俺はうれしくなってエアコンを付けたが、しばらくすると、ものすごい変な臭いがして来た。
俺はショックだった。エアコンが壊れてるんだ・・・。2万円がもったいなかった・・・。あの金があったら、ほしい漫画が買えたのに。
俺はすぐにネットで壁掛けエアコンを検索したけど、エアコン工事が時期的にいっぱいで、なかなかすぐに来てくれるところがなかった。それで、その時たまたま知ったのは、量販店ならすぐ来てくれるということだった。最短で翌日から来てくれるという素早さ。俺はすぐに量販店に電車で向かった。そして、割安な機種を選んで、翌日来てくれるようにと頼んだ。室外機はベランダに設置するだけだから、見積もりも、追加料金も不要だろうと思った。
俺はまた有休を取って、翌日に備えた。会社には急病と嘘をついた。
俺は今度こそ、悪臭とおさらばできるとホッとしていた。臭すぎるから、その夜は廊下で寝た。本当に精神的にも肉体的にも限界だった。
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