第52話 遅刻登校と盾

「先輩私のプレゼントしたキーホルダーつけてないんですか?」

「あ、家に置いてそのままだ」

「え!こんな美少女後輩があげたキーホルダーを家に置いたまま??先輩、バカなんですか?」


ひなはそう言って横腹をツンツンしてくる。

俺はビクッと体が震える。


「おい、やめ、ろ。マジで弱いか、ら」

「へ〜〜。先輩横腹弱いんだ〜。えいえい」


更にツンツン攻撃がます。耐えられず、足を止める。


「マジで、や、めろ自転車落とすか、ら」


笑いを堪えつつ、自転車をなんとか停める。


「まぁ、このぐらいにしときましょう。先輩の可愛い顔も見れたし」


スマホをチラチラと見せてくるので確認すると、笑いを必死に堪えてる俺の姿が写っている。


「おい、何撮ってんだよ!」

「これをばら撒かれたくなかったらカバンに私のあげたキーホルダーをつける事!」

「わかりました」

「よろしい!」


そう言ってひなは俺の自転車の前カゴにカバンを入れる。


いつもは通らない大通り行き交う沢山の車。朝の買い出しに向かう人達とすれ違う。いつもとは違う気分とクラスメイトは今頃授業中と言う背徳感を感じる。


そのまま世間話をしながら歩いているともう学校の姿が見えてくる。


「あ、もう学校ですね〜」

「まだ1時間目の半分ぐらいか」

「どうします?このままカラオケでも行っちゃいます?」

「おい、それでいいのか入試試験1位」


すると立ち止まり少し考えている。


「流石にまずいですか」

「マジで行くつもりだったんかよ」


校門をくぐり自転車を指定の場所に止める。


「それじゃあ今日も1日頑張りましょう」

「おう」


それぞれ自分の教室に向かった。

教室の前に着き、ゆっくりとドアを開ける。


「八神、遅刻だぞ〜」

「すみません」

「早く席に着いて教科書開けろよ〜」


自分の席に着いてカバンを教科書を開く。

すると後ろの席の月奏が方をトントンと叩く。


「おはよう。寝坊?」

「うん、寝坊した」

「また遅くまでゲームしてたんでしょ?」

「そう言う月奏も昨日も夜遅くまでオンラインだったじゃん」

「ふふん、甘いね。私はオールだよ」

「ただのアホじゃん」

「ありがとう私の盾になってくれてこれで寝れる」


そう言って月奏は机にうつ伏せの状態になる。


俺が前の席に来た為、先生から月奏は見えづらい位置になった。それで月奏は安全に寝ることができる。


釈然としないが仕方なくノートを開き俺は板書を写し始めた。黒板を見ると端から端までびっしりと書かれている。


「これ、授業中に書き終わるか?」


俺は小さく呟き、シャープペンシルを走らせた。

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配信者だって青春したい すてら1号 @sutera1gou

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