第47話 フルーツサンド

-ブー、ブー


スマホが鳴っている音がする。昨日の夜アラームをかけた記憶はないので必然的に電話がかかってきていると分かる。布団の中から手を伸ばし、なんとかスマホを手に取る。電話の相手も確認せずに電話に出た。


「もしもし〜」

「先輩!おはようございまーす!可愛い後輩たちからのモーニングコールですよ〜」

「ひなか、なんの用だ」

「いや、先輩にドッキリ仕掛けようと思っただけで特に用事はないですよ。あ!ドキドキしましたか?」

「そうか、じゃあ切るぞ」

「あ!ちょっとせんぱ・・・」


スマホをまた置いて眠りに着く。どんだけ可愛い子でも朝のねむけには勝てないのだ。


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「おい、星空!起きろ」

「うぅ、あ・・・おはよう蒴」

「おはよう星空!今日もいい天気だぞ」


窓の方を向くと暖かい春の日差しが目に入ってくる。まぁ、半引きこもりの俺にとっては太陽は苦手だ


「俺、ヴァンパイアで日光は・・・」

「いつも家でゲームしてるからだろ」

「すいません」

「おう、なら顔を洗ってこい」


言われるがまま洗面台にいく。顔を洗い終わったらスマホがまた振るえる。確認すると希空からだった。


「せあ兄おはよう〜生存確認でーす」

「おはよう希空。この通り生きてますよ〜」

「よかった。それじゃあまた夕方ね!今日の夜は私特性チャーハンです」

「お!それは楽しみだな。楽しみにしとく」

「それじゃあ、楽しんで〜」

「はーい」


電話を切り部屋に戻る。着替えたらすぐに朝ごはんの時間でレストランへ向かいバイキングの料理を食べる。食べ終わり自分たちの部屋に戻る。


「美味しかったね〜」

「胡桃って朝から沢山食べれるよね」

「るーちゃんは逆に少ないすぎる、後せーくんも男の子なんだからもっと食べないと」

「うるさいな、人には適量があるんだよ」


わちゃわちゃしながら部屋に戻り、荷物をまとめる。お世話になったこのホテルから出る時間だ。


荷物をまとめてロビーへ集まる


「星空くん、お土産買いすぎじゃない」


月奏が聞いてくる。なるべくキャリーケースに入れたのだが、入りきらずその他は手持ちなのだ


「色々渡す人がいてな。いつの間にかこの量になってた」

「星空、このクマのキーホルダーもお土産?」


袋の上に入っていた、ひなから貰ったキーホルダーに気づかれた。蒴は本当に気づいてほしくないものにすぐ気づいてしまうな。


「いや、これは・・・俺のやつ」

「え!せーくんの趣味じゃなーい」

「以外と可愛いところもあるだろ」

「え?キモーい」

「すみません」

「星空君って意思弱いよね」


なんとか誤魔化したものの、一旦クマのキーホルダーは奥深くに入れとく事にした。


12時からBBQなのでそれまでが自由時間になった。


「それじゃあみんなで美味しいスイーツを食べよう」

「お昼BBQだよ、大丈夫?」

「スイーツは別腹だよ」

「胡桃の食べたものどこに送られてるんだよ」

「さーくん、私の事化け物か何かと勘違いしてない?」


道を歩いていると目を引くスイーツのお店があった。


なんとサンドウィッチのパンにみかんやイチゴなどのスイーツを挟んだスイーツ、『フルーツサンド』と言うものが売っていた。


「なぁ、これ食べてみないフルーツサンド」

「これ、テレビで紹介されてるやつだ」

「これは、私も知ってる」

「あれ、なんだこれ?」


1人、蒴が知らないみたいだが、見た目はとても美味しそうだ。


「じゃあ俺はみかん食べよかな」

「私はいちご!るーちゃんは?」

「私はバナナかな」

「俺は、キウイにする」


それぞれ注文して、近くのベンチに座る

全員同時にフルーツサンドを口に入れる。


「「「「美味し〜」」」」


サンドウィッチの柔らかいパンに冷たくて甘いフルーツが口の中に広がる。食べた事のない食感で癖になりそうだ。


あっという間に食べ終わってしまう。物足りなくもう一つ食べたいがこの後BBQが控えている為に我慢するしかない。


しかしお店の看板を見るとお持ち帰りも対応している用だドライアイスもあるので帰るまでも大丈夫そうだ。


「俺、これお持ち帰りする」

「あ!私も」

「私もしよかな〜」

「俺もしとこ!」


俺は俺は全種類2個ずつ購入する事にした。みんなもそれぞれ購入していたら、あっという間に12時前になっていたので、集合場所に向かった。


遠足の最終イベント、BBQが始まる。

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