第32話 「偶然」それは謝罪

私、星乃空音は眩しい朝日が部屋に入り込み目を覚ました。そこで私は1つ変に思う。


「私、なんで私服なんだ?」


普通寝る時はラフな服やパジャマを着て寝ているだが今日は昨日着ていた私服を着ていた。私は昨日の出来事を思い出す。


「昨日はせあさんと顔合わせして、その後ファミレスでアルコールを飲んでその後……」


その後の事は所々思い出せないがとてつも恥ずかしいところを見せた気がする。そして私が部屋のベットにいるという事はせあさんに家まで送ってもらったという事だ。するとお腹が鳴る。


「とりあえずコンビニ行こかな。誰とも会わないだろうし、そのままでいいか」


私は玄関へ向かう。鍵がどこへあるかわからなかったが、ポストの中に入っていた。せあさんが鍵を閉めた後中に入れたのだろう。

ドアを閉めエレベーターホールへ向かう。エレベーターに乗り込むと1つ下の回で止まる。

外を見ると見覚えのある顔があった。そう昨日私が迷惑をかけた張本人とその妹だ。


「「「あ……」」」


俺は今、妹とマネージャーと3人でエレベーターに乗っている。更にとても気まずい空気が流れている。仕方がないいえば仕方ない。まず空音さんがゆっくりと口を開けた。


「昨日は本当にすみませんでした」

「大丈夫ですよ。次からは気をつけてください。それより1人で飲む時どうしてるんですか?」

「帰れる時は帰るけどたまに路上で寝たり……」


俺は男性が寝ているのはたまに見るが女性が寝ているのは見たことがなかった。


「空音さん女性なんだから1人で飲むのは極力やめてくださいよ。危ないですよ」

「す、すいません。気をつけます」


空音さんの体が少し小さくなった気がする。


「そういえば、せあさん達はなんで私のマンションにいるのですか?」


少し遅れて質問が飛んでくる。


「私達ここに住んでいますから」

「……え?まさかのご近所さんだったとは」

「偶然って怖いですね。それで空音さんはどちらへ行くつもりですか?」

「近所のコンビニに買い物ですね」

「そうですか。俺達と一緒ですね。一緒にいきましょう。」


俺達は昨日通った道を通ってコンビニへ向かった。


「そういえば、せあさんの妹さんは何歳ですか?」

「私は中学3年生の14歳です。後、昨日自己紹介したんですけど、もう一回言っときますね。八神希空です。よろしくお願いします」

「昨日は本当に迷惑をかけました。改めまして星乃空音です。よろしくお願いします」


その後コンビニへ着くまで女子トークが盛り上がっていた。俺はその会話に馴染む事は永久に無理と感じた。


希空はコンビニに着くとカゴを持ち、おにぎりやパンを詰め出す。


「希空買いすぎだぞそんなに食べれるのか?帰った後もゲームの続きするのかよ」

「そのつもりだけど」

「マジで?」

「昼間も寝かせないぜ」

「なんか昼間って言うとその言葉ダサいな」 


俺は体力が保たないと踏んでエナジードリンクをカゴに入れた。その後バンズとチキンを購入しコンビニを後にする。


「空音さんは何買ったんですか?」


空音さんは袋からおにぎりを取り出す。それも沢山


「沢山のおにぎりを買いましたよ。全部別の味です」


7つのおにぎり全て別の味だった。こう考えたらコンビニの味の種類の量はすごいなと感じる。

家のエレベーターに着くと空音さんが質問してくる。


「私を家まで運んでいただいて本当にありがとうございました。」

「大丈夫ですよ空音さん。せあ兄がベットまで運んでくれましたから」


そこで一瞬空気が止まる


「……ベットまで?」

「本当に何も覚えてないのですね。玄関に座らせたらそのまま寝てしまったので、せあ兄がお姫様抱っこで持っていったんですよ」

「お姫様抱っこ……」


ほんのり空音さんの顔が赤くなる。


「すいません。流石に玄関に放置だと風邪引くかなと思いまして……勝手に持ち上げて、部屋に入りました。本当にすいません」

「いえいえ。こっちが悪いので大丈夫ですよ重くなかったですか?」

「全然大丈夫でしたよ」

「因みにせあ兄が持ち上げれるなら絶対に大丈夫ですよ。せあ兄握力30だし。」

「余計なこと言うな。あ!俺達ここで降りますね。また何かあったら連絡お願いします。それでは」

「はい。ありがとうございました」


2人はそのまま降りていった。

私、星乃空音は今にも爆発しそうだ。1人になった瞬間顔がとても赤くなる。そして今この話を聞いて思い出したことがある。


「一緒に寝る?」


私はドアを開け部屋に入るとベットにうずくまる。


「何言ってるのー!過去の私〜!!」


普通に考えたらアウトだ。初めて会った人に更に未成年にこれから長い付き合いになるだろうが絶対ダメだ。


「私があんな人って思われたらどうしよう?……今度ちゃんと謝罪しないと……」


「私、初めてお姫様抱っこされた……てか絶対アルコール臭かったんじゃないかな?過去の事なのにとても心配になってきた」


私はベットの上でゴロゴロすると少し落ち着きを取り戻す。


「これからはしっかりとしたマネージャーとして頑張っていいとこ見せないと」


そういうと、私はとりあえずお風呂へ向かった。

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