第30話 「夜更かし」それは遊戯《ゲーム》

辺りは真っ暗の夜道を妹と2人で歩き最寄りのコンビニへ向かう。まだ春だが、夜になるとまだ肌寒い。3分ぐらい歩くとコンビニが見えた。


「せあ兄は何食べる?」

「ここのコンビニといえばこれだろう」


俺はパンコーナーにあるバンズを手に取りレジの横にある温蔵ショーケースにあるチキンを指差す。


「なるほどバンズでチキンを挟んで食べるのか……バンズについているタルタルソースと噛んだら溢れてくる油で美味しさは倍に。夜食には少しカロリーが大きいが夜に食べるからこその贅沢さがある……」


希空は悩んだ末にもう一つバンズを買い物カゴに入れる。


「私もこれにするよ。後お菓子とデザートも買っていこう」

「買いすぎじゃない?オールするつもりか?」


希空はニヤッと笑う。


「今日は私と一緒に朝まで付き合ってもらうよ。」


カゴの中に沢山のデザート、お菓子を詰め、レジでチキンを2つ頼む。


「合計6480円になります」


思ってたより高価だった。すると希空が俺の服を引っ張る。


「お願い」


片目ウィンクをしてお願いしてくる。しかし妹だが可愛い……。


「お前、最初から俺に頼るつもりだっただろ。まぁ払うけど」

「ありがとう。お兄ちゃん」

「こういう時だけお兄ちゃん呼びはやめろ」


コンビニを出て家へ帰宅した。家に帰ると9時30分を回っていた。


「「疲れた〜」」


家に帰ると2人同時にソファーに座り同時に言った。


「おい、お前はコンビニ言ってただけだろ」

「女の子はすぐに疲れるんだよ。大切にしてよね」

「はいはいそれじゃ風呂入ってくるよ」

「ちゃんと労ってもらうよ〜」


俺はそのまま風呂に入った。戻ってくるとボードゲームやテレビゲーム、先程買ったお菓子やスイーツ、冷蔵庫からとってきたジュースが机の上に置いてある。


「お前まさか……これでオールするつもか」

「そういう事」


希空がニヤニヤしている。


「お兄ちゃん、今日は一晩中付き合ってもらうよ」


長いようで短い妹との夜ふかしが始まった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る