第25話 「対談」それは探り合い

私、如月るのんは今後輩であり先輩の来栖ひなと2人でカラオケにいる。勢いでこうなったがこの機会に話しておきたいことがある。


「ひなさんは星空くんのことが好きなんですか?」

「好きですよ」


意外だったこんなにド直球に言ってくるとは、好きだったとしても誤魔化してくると思っていた。


「あ!勘違いしないでください。友達として先輩として、後輩として、友達としてですよ」


先輩として、後輩としてという言葉は新鮮だった。


「そうなんだそれじゃなんで私のなんて言ったの?」


聞くと、体をビクっと振わせる。少し間が空くと話し出した。


「えっとですね。それはなんか私の唯一の後輩って感じがあるからつい優しくしちゃうんですよ」

「あの、私も後輩なんですけど」

「月奏先輩はなんか後輩って感じしないんですよ」

「そうですか。ならもう敬語使いませんね」

「いいよ。それなら私も敬語使わない」

「それじゃそう言うことで」


なんかいつの間にか敬語を使わずに話せるようになってしまった。


「そしたら月奏はなんで私の同期なんて言ったの?」


急なカウンターだった。来るかもと思っていたが、いざ来ると返しが難しい。


「これから私の相棒になるし、同期だからね」

「相棒?」

「配信者カップ私達出るから相棒ってこと」

「いいな〜楽しそう。私も、せあくんと私も何かしたいな〜。そうだ私、せあくんと一緒に歌ってみただそうかな〜」

「それは星空くんに言ってくださいね。後私に勝てたら許可してあげますよ」


私はひなにマイクを渡す。


「この最強ひなちゃんに挑むとは、身の程を知るがいい!」

「キャラ変わってるよ」


私はその後5曲勝負したが1勝4敗で負けてしまった。更に勝てたのは最後の一回だけだった。やはり1つの歌ってみた動画が1000万再生超えているだけはあった。


「流石に勝てないか」

「まぁ、相手が悪いよ」

「いつか勝ち越すよ」

「いつでも相手してあげますよ」

「それじゃそろそろ戻るね、見てるんで星空くんに変なことしないでくださいよ」

「そっちだって同期で同じクラスだからって手出さないでくださいね〜」


私はそのまま私達の部屋に戻っている。その時私は思っていた。


「絶対星空くんの事気になってんじゃん!!」


普通に考えたら事務所の後輩だからってそんなに気使わないし、星空くんにとても優しい気がする。


「私だって負けないように頑張らないと……なんで頑張る?……もしかして私張り合おうとしてる?……もしかして私星空くんの事……」


考えたら顔が赤くなる。


「いやいやただの同期でクラスメイトだし」


私は1人で考え事して1人で恥ずかしくなって1人で自滅してしてまった。まさか出会ってまだちょっとなのにそんなはずはない。多分……

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