第12話 「同期」それはクラスメイト
「初めまして兵庫県から引っ越してきました。
「おいおいめっちゃ可愛くな」
「スタイルやばっ」
「やばっ天使じゃん」
クラスは大盛り上がりだ。仕方ないこんな美少女が来たのだから。しかしこの中で1人驚いている人がいる。そう俺だ。驚きの連続すぎて逆に反応に困る。
「それじゃ如月は八神の後ろの机な」
そう言うと先生は俺の方を、指差す。
「はい」
るのんも、こっちを見る。ばったりと目があった。するとるのんは固まっていた。急に動かなくなったるのんをみて周りは少しざわつく。
「如月、早く行け〜」
「あ、はい。すいません」
るのんが徐々にこっちへ向かって歩いてくる。
そして俺の席の斜め前で立ち止まった。
「よろしくね。八神さん」
「……よろしく。如月さん」
「おい八神のやつ挨拶されてるぞ」
「なんであんな隠キャに」
教室がまたざわつく。やめてくれ俺は何もしてない。ただ挨拶されたので挨拶しただけだ。
るのんが席に座ると先生が書類などを配り始めた。基本前から後ろにプリントを渡す。そのため俺はるのんにプリントを渡さなければならない。
前からプリントを回ってきた。俺は1呼吸置いてプリントを渡す。その時目と目が合った。そして小声で言われた
「ありがとう」
俺しか聞こえてないだろう。とても笑顔だった。本当の天使のようだ。
そして2枚目のプリントが回ってきた。
またもやるのんに渡さなければならない。
プリントを渡そうと俺は後ろを向くまた目が合った。そして小声で
「次の休み時間校舎裏きて」
ラブコメの場合このままいけば告白がセオリーだが今回の場合絶対話し合いだ。最悪の場合配信者だって事までバレてしまうかもしれない。
先生がプリントを配り終わり話をしてたら休み時間になった。
先生が出て行って休み時間になった。言われた通りに校舎裏へ向かおうとするが腕を捕まれる。蒴だった。
「おい、何如月さんに挨拶されて照れてんだよ」
「照れてねーよ」
「それじゃプリント配ってだ時何話してたんだ?」
「お前どんだけ見てたんだよ。ありがとうって言われただけだ」
「本当か?」
「本当だよ」
蒴は、前から妙に勘がいい。そのせいで俺が配信者だってのもバレてしまった。まぁ言いふらさないからいいけど。
「せーくん」
そんなことを話してたらオレンジ色の髪の女の子が走ってこっちに向かってくる。
「なんだ、胡桃?」
「夜廻様の配信見た?Live withに所属なったんだよ」
「あー見たよ。何回見てもゲームうまいよな」
「よねーー。まじかっこいい。結婚してほしい」
「そ、そうか頑張れよ。」
蒴がこっちをニヤニヤしながら見ている。仕方ないだろ。どうしろって言うんだ。
俺の幼馴染だ。底なしに元気で人当たりもいいクラスのムードメーカーだ。しかしオタク。細かくいえば夜廻せあのガチオタクだ。配信当初から見ているらしく配信を見逃したことはないそうだ。しかしその夜廻せあの中の人が俺とは知らない。勘違いしないでほしいが彼女は夜廻せあが好きなのであって八神星空を好きなわけではない。関係でいえばただの幼馴染だ。
「それじゃ俺ちょっと出るからまた後で」
そう言って教室をでる。その時にはるのんの姿はなかった。階段を降りて校舎裏へ向かう。そこには少し不機嫌なるのんの姿があった。
「せあくん遅かったね。普通は男の子が待つでしょ」
「悪かったなるのん」
「さてとりあえず聞くけどあなたが配信者って知ってるのは誰?」
「
「その人信用できる?」
「裏切られたことはないし信用している」
「それじゃ彼にも私の正体伝えといて。探られるのも面倒だし」
「わかった」
「彼以外には配信者だって事は全力で隠すよ。顔出ししてるならまだしも私たちはV配信者だし。」
V配信者が顔バレ、身バレして炎上しているのを何回も見たことがある。二度と配信できなくなるかもしれない。その対応は必然だ。
「わかった」
「あと学校でもるのん呼びでいいよ。けど月奏だから気をつけて」
「了解、俺もせあでいいぞ。けど星空な」
「オッケー」
「それじゃ教室に帰ろうか」
俺と月奏はそのまま教室に戻った。2限目の自己紹介を終えた後今日の学校は終了した。
俺は蒴、胡桃、月奏に挨拶した後自転車を飛ばして事務所へ向かった。事務所に着き休憩所に行くと陽奈先輩が待っていた。
「遅かったね〜。せあくん」
「これでも自転車全力で漕いできたんですけど」
「わかってるて〜はいお茶」
「ありがとうございます」
「あ、それ私のだった」
「え?」
「…‥嘘」
「びっくりした」
「間接キスでドキドキしていいのは中学生までだよ」
「ドキドキしてないですよ」
「じゃあなんで顔赤いの?」
「……自転車急いで漕いできたからです!」
「まぁどっちでもいいけど〜。それじゃ話そうか。」
「そうですね。俺も話したいことあります」
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