第11話
「ん。これでとりあえずは平定かな?」
北方に住んでいた騎馬民族。
英雄を失っても決して屈することのなかった誇り高き種族を僕は皆殺しにした。
生き残りは誰もいない。
モンゴルのゲルのように移動する居住地を見つけ、そこに住んでいた非戦闘員まで一人も残さず殺してやった。
僕の魔の手から逃げられたものなど多分いないと思う。
「あー、長かった……思ったよりも広いんだよな。マジで」
騎馬民族たちを滅亡させるのには僕の想像以上に時間を取られた。
ここまで滅ぼしつくすのがめんどくさいとは思わなかった。
病原体があったとはいえ、幾つもの民族を滅亡させたコロンブスってマジですごいやつだよ。ほんと。
今度民族を滅ぼす機会があったら生物兵器を作ってばら撒こ。
「でも、これでようやく舞台の下地が作れた。あとは……準備を整えるだけだ」
誰もいない広大な土地を確保することが出来た。
ついでではあるけど、雄大な自然もあるし……ここ以上に最適と呼べるような場所はないだろう。
「あとは人間の兵士たちを配置転換させ……すべての準備が終わってから人間の文官も一から育てているし……最低限の働きくらいはするだろう」
僕は脳内のそろばんをはじき、未来を予想していく。
「うん。おっけー。これで良し。今のところの差異も誤差程度で済んでいるし。さっさと要塞城に帰ろうか」
僕は今まで椅子にしていた首のない妊婦の死体から立ち上がった。
「ふんふんふーん」
僕は気分よく鼻歌を歌いながら血にまみれた大地をそのままに要塞城へと戻った。
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