第5話
人類世界を支配した魔族。
そして、それら魔族の実質的な支配者である僕の仕事量はバグみたいな量となっていた。
「……」
この世界すべての政務を僕が単独でやっていると言ってもいい。
もともと少ない魔族の文官は僕のいなくなった魔界の政務で忙しく、人間側の文官のほとんど死亡。
残された文官の中で、僕と共に政務をこなしてくれる人間はいないだろう。
「あー。無理かなぁ……これを一人でやるのは致死量だね」
僕は一度手を止めて体を伸ばす。
「んー。ちょっと何か魔法で……魔法でインターネットとAIを強引に再現して手伝わせようかな……」
僕は目の前にある仕事の量と現在の状況。これから上がってくる報告。
それらがどれくらいあるか考え、自分がどれくらい席を外せるかを考える。
「……一週間。まぁ、行けるか」
僕は一人呟いた後立ち上がり、自分用に作った研究室へと向かった。
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