第3話
頭の上のたんこぶであった勇者が死んだ。
そうなった後、勇者の仲間たちやミリーナやリーゼをどうするか、それを判断するのは僕である。
「ふんふんふーん」
僕は鼻歌交じりに排泄物をまき散らし、何もしゃべれないようにさせられていた勇者の仲間たちを開放していく。
「やっぱ使い物にならなくなっちゃうよねー」
解放している勇者の仲間たち。
彼ら、彼女らは完全に全滅してしまっている。
殺してはいないので生きているが、精神が完全に死んでしまっている。
まぁ、ずっと目隠しされた状態で何も出来ずに放置状態だったのだ。発狂してしかるべきだろう。
「みんな生産場行きかなぁ……まぁ、この人たちも天才だろうし、良いのを作ってくれるだろう」
良いDNA持ちだろう。
勇者パーティーに選ばれるほどの人間なのだから。
「あとはミリーナとリーゼだねー」
当然、ミリーナも廃人状態。
「お?」
流れ作業でリーゼも開放したのだが、なんと驚くべきことにリーゼが魔法を僕に向かって発動してきた。
蒼い炎が僕に向かって放たれ、業火が僕を焼き尽くさんと燃え盛る。
「おー。発狂していないんだ。すごいね」
だが、そんな業火は僕の前じゃさしたる意味などない。
聖剣を持っていない僕はクソ雑魚だが、聖剣を持っている僕は魔族の公爵を超えるほどには強い。
リーゼとのタイマンで僕が負けることはまずない。
「貴様……ッ!よくもミリーナをッ!」
激高したリーゼは勇猛果敢に僕の方へと突撃してくる。
「ほい」
だが、無意味である。
僕はリーゼの一撃を受け止める。
「ふー!ふー!ふー!」
目を血走らせ、息を荒らげるリーゼ。
彼女の力が僕に通じることはないが、それでもリーゼの力は驚異的である。
「ねぇ、ミリーナのこと……前の状態にまで回復させてあげられるって言ったらどうする?」
僕は彼女をアルビノの最高戦力として囲うことに決めた。
「え?」
そのための一言。
そして、彼女は僕の言葉からは逃げられない。絶対に。
まぁ、逃げる意味も特にないしね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます