第5話
「のわぁぁぁぁああああああああああ!!!変なもの食べちゃったッ!!!」
僕は地面に倒れ、痛みにもがきながら口の中に入った指を出そうと努力するが……うまく行かない。
まぁ、当然なんだけど。
「何をしておるのじゃ!?出せ!出すのじゃぁ!」
ローブを羽織ったのじゃロリっ子が僕の元に駆け寄ってきて、背中を叩いてくれる。
強く、強く……強く。
「痛いよ!?辞めて!?」
僕は自分の背中を叩くのじゃロリっ子の腕をはじき飛ばす。
「そ、そうよ!いきなりすることではないわ!」
のじゃロリっ子の蛮行を金髪の女性が止めてくれる。
「ちょ!?吐かせないと不味いじゃろ!?」
「無理よ!吐かせるなんて!一瞬で消化するもの!」
僕を置いて、2人はこしょこしょ話を始める。
「じ、じゃあ……どうするのじゃ!?」
「ど、どうしよ?」
僕を完全に無視して会話を始めた二人を僕はぼーっと眺める。
「そ、そもそもなんでお主がそれを持っておるのじゃ!」
二人が会話していた途中……いきなり話が僕へと振られる。
のじゃロリっ子は指差しているのは僕が拾って今、手に握られている一つの財布。
「あっ。あれですよね……お店の」
「あ、はい。そういうことです」
金髪の女性は僕のことを覚えていたのだろう。
僕は金髪の女性の言葉に頷く。
「落とされていたので、お客様を探しに……」
「なんで探すのじゃ!?そ、そのまま店で預かっておればいいじゃろう!?」
「いや、お店側は落とし物なんて保管したくないし、そのまま中身を抜き取られて捨てられるなんて普通だよ。持ってきたくれただけで感謝しないといけないくらいだよ……」
「そ、それをわかっていてなんでお前は落とすのじゃ!?」
「ご、ごめん……」
のじゃロリっ子に怒られ、謝罪の言葉を口にする金髪の女性。
実際にリアルで見ると違和感がすごいな。逆でしょ。普通。
「あ、あの……それでなんですけど、一体僕は何を飲み込んでしまったのでしょうか?」
僕は二人の会話に割って入り、疑問の言葉を口にした。
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