第6話
「えっ?あー、えっと……」
僕の言葉。
それに対して金髪の女性は困ったような表情を浮かべ、何を言うかを測りかねて口をまごまごさせる。
「はぁー……放置というわけにもいかんじゃろ」
のじゃロリっ子は深々とため息を吐きながら言葉を告げる。
「妾らのアジトにまで来てもらうほかないじゃろ」
「……ッ!?!?」
のじゃロリっ子の言葉に金髪の女性は驚愕の声を漏らして叫ぶ。
「ほ、本気なの!?」
「本気に決まっているのじゃ。そんな笑えない冗談を妾が言うわけ無いじゃろう」
「そ、そんな!」
「仕方あるまい。どうぜもう巻き込まれるのじゃ。妾らとともにあったほうが良いじゃろう」
「そ、それは……」
「いいから早く転移の準備をするのじゃ」
「……わかったわ」
金髪の女性はマキナの言葉に頷く。
だがしかし、転移なんて言う物騒な言葉を聞いた僕は内心穏やかでは決して居られない。
「て、転移……?え?僕はどこに行くことになるんですか?」
「……本当に、うちの阿呆がすまんのぅ」
僕の言葉。
それに対して返ってきたのはのじゃロリっ子の謝罪の言葉。説明でもなんでもない……今、この時聞かされる言葉の中でも恐怖トップレベルに位置する謝罪の言葉。
「え?な、何その答え……怖いんだけどッ!?」
訳のわからない二人の手によって、いきなりどこに行くかもわからないところに飛ばされる……その恐怖はきっと凄まじいものだろう。
僕は全部ネタバレされている状態だから、怖くともなんでもないんだけど。
「……って!?まぶっ!?」
そんなこんなしている間に、僕の視界を強烈な光が叩きつけられ、反射的に目を瞑る。
しかし、目を瞑っても光は消えてくれない。
そして、どんどんと光は強くなり……僕は光へと包まれた。
「転移!」
あっ。
僕の中で蠢いている指のエネルギーをさっさと制御して自分のものにしてしまうっと。
むにゅむにゅ……。
はい、オッケ。
このストーリーの根幹に値する指のエネルギーを完全に支配下へと置いた僕は息を吐き、満足げに頷いた。
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