第13話
この世界の奥底に沈み、隠れて暗躍していたアルビノたち。
彼ら、彼女らは……虎視眈々と自分たちが何の問題もなく生活出来る世界を作るため、この世界の『宗教』を潰すために活動してきていた。
そんなところに現れたのは僕だった。
最初、彼らは素性を完全に隠して現れた僕のことを同じアルビノであると思い、接触してきたのだ。
そこで彼ら、彼女らは知ってしまった。
この人間社会を壊せるビックインパクトたる魔族を率いアルビノの存在を。
一度魅入られてしまった彼ら、彼女に抗う術はなかった。
彼ら、彼女らは僕と共に人間社会を破壊する……魔族との協力を決めたのだ。
「あれ?少し遅れちゃったかな。ごめん」
伝言された通りにピッタリ3時間後に会議室へとやってきた僕。
僕はすでに集まっているアルビノの面々を見て謝罪の言葉を口にし、自分の円卓の席の一つに座った。
「良し。これで全員集まったか」
ゆっくりとリーダー格である一人の男が立ち上がり、口を開く。
「ようやく。この国を完全に我らの傘下に置くことに成功した」
この国。
僕たちアルビノが今、潜伏している一つの国家。
100年ほど前にこの世界率いる『宗教』に何もかも叩き潰され、信仰心を植え付けられた小国。
そこに暮らしている人たちの多くは未だに影に隠れて『悪魔』と世界に蔑まれている存在を神として崇めている。
アルビノに対する忌避感の少ない国家を僕たちは金の力で靡かせ、ナショナリズムの高揚を訴えることで世界に対して反抗する国家へと成長させる計画を建てていた。
どうやらその計画が今、終わったようだった。
「後は……ここを拠点として防衛戦を展開する。それで間違いないのだな?」
視線が僕の方へと向けられる。
「あぁ。間違いないとも」
僕はその言葉に頷いて、立ち上がる。
「ここに戦力が集中し、本国の戦力がカスカスのところを魔族の軍団が攻め込み、多くの国を蹂躙する。魔族たちの持つ力は絶大。この国が滅ぼろされるときには多くの大国が滅ぼろされているだろうね」
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